止血薬・抗凝固薬

薬理学

止血薬

血管強化薬

一般名 先発名 特徴
カルバゾクロム アドナ 血管抵抗性の増強。アドレノクロムの誘導体。
アドレノクロム S・アドクノン 販売中止
カルバゾクロム
+フィトナジオン
+ビタミンC
オフタルムK配合錠  

抗プラスミン薬

一般名 先発名 特徴
トラネキサム酸 トランサミン 止血作用:プラスミンに結合し、フィブリンの分解を阻止する。
抗アレルギー&抗炎症作用:プラスミンによる生じるキニンは血管透過性亢進、炎症、アレルギーの原因となる。

局所止血薬

一般名 先発名 特徴
トロンビン  
酸化セルロース 手術時の補助的な止血
ゼラチン スポンゼル
ゼルフォーム
ゼルフィルム
創傷表面に強く結合し止血
アルギン酸Na アルト原末 結紮困難な微小血管の出血に使用

静脈瘤硬化療法薬

一般名 先発名 特徴
モノエタノールアミンオレイン酸 オルダミン注  
ポリドカノール エトキシスクレノール注
ポリドカスクレロール注
 

抗凝固薬

ヘパリン

作用機序 ヘパリンはATⅢに結合し、ATⅢによるトロンビン・Xaの不活性化を促進する。即効性。そのため、ヘパリンはAPTTを延長させる。
副作用  
一般名 先発名 特徴
ヘパリンNa  
ダルテパリンNa フラグミン静注 低分子ヘパリン。
ヘパリンCa  
パルナパリンNa ローヘパ透析用 第Xa因子選択性凝固阻止作用
レビパリンNa クリバリン透析用1000単位  
エノキサパリンNa クレキサン皮下注 低分子ヘパリン。
ダナパロイドNa オルガラン静注 ヘパリン様物質。半減期が長く、ワンショットで効果持続。

ヘパリン拮抗薬

一般名 先発名 特徴
プロタミン プロタミンは陽の電荷をもっており、陰の電荷をもつヘパリンに電気的に結合して、ヘパリンの作用を中和する。

Xa阻害薬

適応:CHADS2スコア1点以上の患者に対して、AF時の血栓塞栓症の予防

一般名 先発名 特徴
エドキサバン リクシアナ錠 DOAC(経口直接Xa阻害薬)
リバーロキサバン イグザレルト錠 DOAC(経口直接Xa阻害薬)
アピキサバン エリキュース錠 DOAC(経口直接Xa阻害薬)
フォンダパリヌクスNa アリクストラ皮下注  

Xa阻害薬特異的中和薬

一般名 先発名 特徴
アンデキサネットα オンデキサ静注用  

DOAC(経口トロンビン直接阻害薬)

一般名 先発名 特徴
ダビガトラン プラザキサCP DOAC(経口直接トロンビン阻害薬)

ダビガトラン特異的中和薬

一般名 先発名 特徴
イダルシズマブ プリズバインド静注  

クマリン系薬

作用機序 VK類似構造体。肝臓のVKエポキシド還元酵素阻害によりVK依存性凝固因子(2、9、7、10、プロテインC、プロテインS)の生成を阻害し、抗凝固作用を示す。そのため、PTは延長する。
血液検査で定期的にPT-INRを確認する。非弁膜症の場合は1.6-2.6、弁膜症の場合は2.0-3.0の間になるよう投与量を調節する。
適応 弁膜症(MSや機械弁による弁置換術後)における、AF発生時の血栓塞栓症の予防
副作用 妊婦に禁忌:胎盤通過性+催奇形性があるため(胎児のオステオカルシン活性が低下して奇形となる)
一般名 先発名 特徴
ワルファリンK ワーファリン錠 【ADME】肝代謝型(CYP2C9)、①VKを多く含む納豆、クロレラ、青汁の併用により効果減弱。②抗生物質投与で腸内細菌減少によりVK産生低下し効果増強。

ワルファリン中和薬

ビタミンKを参照

抗トロンビン薬

一般名 先発名 特徴
アルガトロバン ノバスタンHI注
スロンノンHI注
トロンビンの活性化部位に結合する。

抗血小板薬

P2Y12阻害薬

一般名 先発名 特徴
チクロピジン パナルジン錠 血小板のADP受容体を不可逆的に阻害
【利点】アスピリンよりも抗血小板作用強い
【欠点】TTP、無顆粒球症、肝機能障害起こすことがある。
【ADME】肝臓で代謝されて活性型となるため、効果発現に数日以上かかる。
クロピドグレル プラビックス錠 アスピリンとクロピドグレルの併用がステント留置後の標準的治療
プラスグレル エフィエント錠  
チカグレロル ブリリンタ錠  
クロピドグレル
+アスピリン
コンプラビン配合錠 アスピリンとクロピドグレルの併用がステント留置後の標準的治療

その他の抗血小板薬

一般名 先発名 特徴
シロスタゾール プレタールOD錠 血小板と血管平滑筋のPDEを阻害し、血小板凝集抑制と血管収縮抑制する。
イコサペント酸:EPA エパデール 長期服用によりTXA3が優位になりTXA2の合成が抑制される。またコレステロール低下作用もある。
ベラプロスト ドルナー錠
プロサイリン錠
ケアロードLA錠
ベラサスLA錠
PGI2誘導体。血小板と血管平滑筋の受容体を刺激し、血小板凝集抑制と血管収縮抑制する。
サルポグレラート アンプラーグ錠 血小板と血管平滑筋に発現する5-HT2受容体を阻害し、血小板凝集抑制と血管収縮抑制する。
アスピリン
+ダイアルミネート
バファリン配合錠A81  
アスピリン バイアスピリン錠 COX-1を不可逆的に阻害して血小板のTXA2合成を抑制する。
アスピリン
+ランソプラゾール
タケルダ配合錠  
アスピリン
+ボノプラザン
キャブピリン配合錠  

抗血栓薬の中止の目安

抗血小板薬(不可逆的) 中止目安
クロピドグレル 10〜14日
チクロピジン 10〜14日
プラスグレル 10〜14日
アスピリン 7〜10日
抗血小板薬(可逆的)  
EPA 7〜10日
シロスタゾール 4日
ジピリダモール 2日
ベラプロストNa 1日
リマプロスト 1日
サルポグレラート 1日
オザグレル 1日
トラピジル 1日
ジラセプ 1日
抗凝固薬(不可逆的)  
ダビガトラン 2日
イグザレルト 1〜2日
リクシアナ 1〜2日
エドキサバン 2〜4日
フォンダバリヌクス 36時間
抗凝固薬(可逆的)  
ワルファリン 4日
未分画ヘパリン 6時間
ダルテパリン 1日
エノキサパリン 1日
ダナパロイド 2日

血栓溶解薬

作用機序  
禁忌 ①発症4.5時間以上、DWI/FLAIRミスマッチなし
手術や出血の既往
③血圧185/110以上
④血糖値50未満 or 400以上
⑤血小板10万以下
⑥PT-INR 1.7以上、APTT40以上
⑦広範な早期虚血性変化(Early CT sign)
一般名 先発名 特徴
ウロキナーゼ ウロナーゼ静注 現在、ほぼ使われていない
アルテプラーゼ:t-PA アクチバシン注、グルトパ注  
モンテプラーゼ:t-PA クリアクター静注  

血栓溶解薬中和薬

抗プラスミン薬(トラネキサム酸)を参照。

抗血栓性末梢循環改善薬

一般名 先発名 特徴
バトロキソビン デフィブラーゼ点滴静注  

その他の血液作用薬

一般名 先発名 特徴
プロテインC アナクトC注  
トロンボモジュリン リコモジュリン点滴静注  

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