クリプトコッカス(Cryptococcus neoformans)

微生物学

概要

莢膜を持つ。酵母。

肺クリプトコックス症

病態 ハトやニワトリの糞で汚染された土壌中で増殖した菌が浮遊し、経気道的に肺に定着する。免疫力低下(特に細胞性免疫低下)している場合は日和見感染する。
健常人でも感染するが無症状の場合も多く、胸部X線で偶然発見される場合もある。
症状 ①咳嗽
検査 【画像検査】
胸部X線・CT:結節空洞、spicula、胸膜陥凹などの多彩な陰影(画像では肺癌や肺結核との鑑別が難しい)
【血液検査】
β-Dグルカンは通常陰性:莢膜を持つためβ-Dグルカンが血中に出てこない
血清抗原検査:グルクロノキシロマンナン抗原(+)=莢膜多糖抗原
【喀痰検査、気管支肺胞洗浄液】
墨汁染色:莢膜による明瞭な透明帯を持つ丸い菌体を確認
【生検】
PAS染色 or Grocott染色:莢膜を持つ丸い菌体を確認(空胞のように見える
治療 フルコナゾールなどの抗真菌薬(ミカファンギンは無効

髄膜炎

疫学 髄膜炎の起因菌で最も頻度が高い
病態 肺クリプトコッカス症で肺に病巣を作った後、血流を介して脳・髄膜・皮膚などへ広がっていく(播種性感染症=肺以外の病変)。菌交代現象の結果、増殖することは通常ない。
症状 髄膜刺激症状
検査 【髄液検査】
墨汁染色:莢膜による明瞭な透明帯を確認
治療 リポソーム・アムホテリシンB+5-フルシトシン

コメント

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