骨代謝異常(骨粗鬆症、骨軟化症・くる病)

内分泌代謝科

骨粗鬆症 osteoporosis

疫学 リスク因子:閉経、無月経、加齢、偏食、運動不足、喫煙、飲酒、ステロイド、胃切除
病態 骨基質と骨塩の比が一定のまま骨量が減少した病態。
高回転型(閉経後骨粗鬆症):骨吸収>骨形成
低回転型(加齢性骨粗鬆症):骨吸収↓骨形成↓
【続発性骨粗鬆症】
Cushing症候群、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、糖尿病、性腺機能低下症
症状 ①腰背部痛
②身長短縮
【合併症】
骨折:大腿骨近位部骨折、上腕骨近位部骨折、橈骨遠位部骨折(Colles骨折など)
検査 【骨密度測定】
若年成人平均値(YAM)の70%未満(確定診断)
※骨密度は20歳でにピークに達し、40歳までピーク値が保たれ、その後減少する!
【画像検査】
腰部X線:魚椎化等の変形(椎体中央部の陥凹)
治療 ①SERM、ビスホスホネート、カルシトニン、抗RANKL抗体、PTH注射、活性化ビタミンD、ビタミンK2

ステロイド性骨粗鬆症

疫学 リスク因子:既存骨折、高齢、ステロイド高用量、骨密度低下
病態 経口ステロイドを3ヶ月以上使用
症状 骨粗鬆症と同じ
検査 骨折危険因子をスコアで算出
治療 スコア3以上:ビスホスホネート製剤(アレンドロン、リセドロン)

骨軟化症・くる病

病態 骨の石灰化不全により骨強度が低下した病態で、骨端線閉鎖前の小児期に発症するものをくる病という。下記原因によって血清CaやPが低下して石灰化障害が生じ、骨芽細胞の骨型ALP活性は代償的に亢進する。
【原因】
①ビタミンD欠乏:経口摂取不足、日光曝露不足、吸収障害(胆汁排泄障害:胆道閉鎖症、吸収不良症候群:Crohn病など)、慢性腎不全、肝障害(新生児肝炎)、フェニトイン長期服用
②ビタミン代謝異常:ビタミンD活性化障害(長期血液透析)、ビタミンD受容体異常
③P欠乏:摂取不足(早産児)、尿細管異常(Fanconi症候群、尿細管性アシドーシスなど)、遺伝子異常(家族性低P血症)、腫瘍性骨軟化症(FGF23過剰分泌)
④Ca欠乏:摂取不足(早産児)
症状 【成人】手のこわばり・関節の痛みや違和感(初期症状)、骨の自発痛・圧痛病的骨折、筋力低下
【小児】低身長、くる病念珠(肋骨軟骨接合部の腫大)、下肢O脚
検査 【血液検査】
Ca↓P↓ALP↑、PTH↑
【画像検査】
X線:手根骨の杯状変形
治療 ビタミンD欠乏:活性型ビタミンD投与
低P血症:P投与

コメント

タイトルとURLをコピーしました