抗菌薬(抗生剤、抗生物質)各論

薬理学
一般名 先発名 特徴
クロラムフェニコール クロロマイセチン
クロマイ
 
クロラムフェニコール+フラジオマイシン クロマイP  
クロラムフェニコール コハク酸エステルNa クロロマイセチンサクシネート  

核酸合成阻害

キノロン系薬(第1世代)

一般名 先発名 特徴
ピペミド ドルコール 現在、ほとんど使われない。第1世代。

ニューキノロン系薬(構造にFを含む=フルオロキノロン)

特徴 世代が上がるほど抗菌スペクトルが広い。第3世代は呼吸器系に移行性が高いためレスピラトリーキノロンと言われる。
作用機序 DNAジャイレース(グラム陰性)やトポイソメラーゼⅣ(グラム陽性)を阻害し、DNA複製を阻害して細菌を死滅させる。
副作用 妊婦に禁忌、小児に原則禁忌(DNAジャイレースに似たDNAトポイソメラーゼに作用すると、どちらも細胞分裂が盛んなため、胎児毒性や小児の関節軟骨変形などを生じるため)
②QT延長、腱の痛み、光線過敏症、NSAIDSとの併用により痙攣誘発の可能性が増大(ニューキノロンがGABA受容体に結合するため投与量に注意)
ADME 多くは腎排泄型。
2・3価の金属とキレートを形成し、消化管吸収量が低下するため、併用する場合は2時間以上間隔をあける。
世代 一般名 先発名 特徴
ノルフロキサシン:NFLX バクシダール 【特徴】尿路感染症に使用
【欠点】NSAIDSとの併用に注意
ロメフロキサシン:LFLX バレオン 【特徴】半減期が長い、尿路感染症に使用
【欠点】光線過敏症の頻度高い
フロキサシン:OFLX タリビッド ラセミ体
シプロフロキサシン:CPFX シプロキサン 【禁忌】チザニジン、ケトプロフェン
プルリフロキサシン:PUFX スオード  
レボフロキサシン:LVFX クラビット 【特徴】バイオアベイラビリティほぼ100%、OFLXのl体
トスフロキサシン:TFLX オゼックス
トスキサシン
 
モキシフロキサシン:MFLX アベロックス 【特徴】主に呼吸器感染症に使用
【禁忌】QT延長患者、低K血症患者、クラスIa・Ⅲ薬服用患者
シタフロキサシン:STFX グレースビット 【特徴】主に呼吸器感染症に使用。LVFXを修飾して活性増強した構造体。
ガレノキサシン:GRNX ジェニナック 【特徴】主に呼吸器感染症に使用
  パズフロキサシン:PZFX パシル
パズクロス
 
  ラスクフロキサシン:LSFX ラスビック  

葉酸合成阻害

ST合剤

作用機序 テトラヒドロ葉酸(THF)は細菌の核酸合成、アミノ酸合成に必要な物質である。動物は葉酸を外部から摂取するが、細菌は葉酸を生合成する経路がある。
SMX:葉酸の構成体であるパラアミノ安息香酸(PABA)の類似体として細菌に取り込まれ、THFの合成を阻害する。
TMP:ジヒドロ葉酸(DHF)還元酵素を阻害し、THFの合成を阻害する。
適応 ニューモシスチス肺炎
副作用 妊婦に禁忌:妊娠初期の投与は催奇形性あり
新生児に禁忌:サルファ剤は血中アルブミンと結合率が高く、間接ビリルビンの遊離が促進され、新生児や妊婦後期では高ビリルビン血症、核黄疸を起こす。
③皮疹:特にAIDS患者で生じやすい。
一般名 先発名 特徴
スルファメトキサゾール(SMX)+
トリメトプリム(TMP)
バクタ
バクトラミン
持続性。
【副】血小板減少

細胞膜障害を起こす薬

ポリペプチド系薬

作用機序 細胞膜のリン脂質と結合し、膜透過性を亢進させ、細胞を破壊する。
注意 腎障害
一般名 先発名 特徴
コリスチン:CL オルドレブ
コリマイシン
メタコリマイシン
 
ポリミキシンB:PL-B   グラム陰性菌の外膜を破壊する
バシトラシン・フラジオマイシン配合 バラマイシン  

抗嫌気性菌薬

作用機序 メトロニダゾールは嫌気性条件下で病原体内の酸化還元系によって還元されニトロソ化合物に変化する。その化合物がDNA合成を障害し抗菌・抗原虫作用を示す。
また、酒さ病変部では活性酸素種の生成を抑制し抗炎症作用を示す。
副作用  
一般名 先発名 特徴
メトロニダゾール アネメトロ点滴静注 バイオアベイラビリティほぼ100%、嫌気性菌に効く
メトロニダゾール 0.75% ロゼックスゲル 【欠点】妊娠3ヶ月以内の妊婦は禁忌脳・脊髄に気質的疾患のある患者には禁忌
【適応】酒さ
【使用方法】
①1日2回、患部を洗浄後に塗布する。
②塗布後は日光に長時間当たらないように注意。紫外線療法や日焼けサロンも避けること。

抗結核薬

一般名 先発名 特徴
イソニアジド:INH イスコチン
ヒドラ
【欠点】ペラグラを起こすことがある。
【ADME】チーズの摂取により含まれるチラミンが増加し頭痛、動悸が起こりやすくなる。
イソニアジド メタンスルホン酸Na:IHMS ネオイスコチン  
パラアミノサリチル酸Ca ニッパスCa  
アルミノパラアミノサリチル酸Ca アルミノニッパスCa  
ピラジナミド:PZA ピラマイド  
エタンブトール:EB エサンブトール
エブトール
【副】視神経炎
リファンピシン:RFP リファジン RNAポリメラーゼ阻害。白血球に取り込まれやすいため、細胞内寄生菌に対して用いる。
【欠点】重篤な肝障害には禁忌。逆転写酵素阻害薬との併用禁忌。
リファブチン ミコブティン  
エンビオマイシン:EVM ツベラクチン  
エチオナミド:ETH ツベルミン  
サイクロセリン:CS  
デラマニド:DLM デルティバ  
ベダキリン:BDQ サチュロ  
一般名 先発名 特徴
アジスロマイシン(AZM) ジスロマック 半減期が66時間と長く、初日に高用量投与する。組織移行性が高い。ジスロマックSRは必ず空腹時服用。
【ADME】CYP3A4を不可逆的に阻害

【16員環系】

一般名 先発名 特徴
ジョサマイシン:JM ジョサマイ 赤痢菌に有効
スピラマイシン:SPM アセチルスピラマイシン  

【18員環系】

一般名 先発名 特徴
フィダキソマイシン:FDX ダフクリア  

テトラサイクリン系薬

作用機序 リボソームの30sに結合し、タンパク質を合成を阻害し、静菌作用を示す。
適応 リケッチア、クラミジア、マイコプラズマ
注意 妊婦・小児に原則禁忌:骨や歯に沈着して骨の発育障害、歯牙黄染、エナメル質形成不全をきたすため。
②2・3価の金属とキレートを形成し、消化管吸収低下。
③菌交代症を起こしやすい。光線過敏症。胃粘膜刺激により悪心嘔吐。
一般名 先発名 特徴
テトラサイクリン:TC アクロマイシン  
オキシテトラサイクリン+ポリミキシンB配合 テラマイシン  
デメチルクロルテトラサイクリン レダマイシン  
ドキシサイクリン:DOXY ビブラマイシン  
ミノサイクリン:MINO ミノマイシン 痤瘡の悪化・再発時に使用されることがある。
【欠点】服用2〜6週間後に薬疹(DIHS)を起こすことがある。
チゲサイクチン:TGC タイガシル  

リンコマイシン系薬

作用機序 リボソームの50sに結合し、タンパク質を合成を阻害する。
適応 偏性嫌気性菌、グラム陽性菌
注意 偽膜性大腸炎ディフィシル菌による菌交代症によって高頻度に起こる。
一般名 先発名 特徴
リンコマイシン
(LCM)
リンコシン  
クリンダマイシン
(CLDM)
ダラシン
ダラシンS
 

ストレプトグラミン系薬

一般名 先発名 特徴
キヌプリスチン・ダルホプリスチン配合 シナシッド  

オキサゾリジノン系薬

リボソームの30sと50sに結合し、タンパク質を合成を阻害する。

一般名 先発名 特徴
リネゾリド:LZD ザイボックス 【副】高頻度に血小板減少
テジゾリド:TZD シベクトロ  

クロラムフェニコール系薬

作用機序 リボソームの50sに結合し、タンパク質の合成を阻害し、静菌作用を示す。
注意 再生不良性貧血:造血器障害
グレイ症候群新生児はグルクロン酸抱合能が低く、薬物血中濃度が急上昇して急性循環不全を来し、皮膚が灰白色になることがある。そのため新生児に投与禁忌
一般名 先発名 特徴
クロラムフェニコール クロロマイセチン
クロマイ
 
クロラムフェニコール+フラジオマイシン クロマイP  
クロラムフェニコール コハク酸エステルNa クロロマイセチンサクシネート  

核酸合成阻害

キノロン系薬(第1世代)

一般名 先発名 特徴
ピペミド ドルコール 現在、ほとんど使われない。第1世代。

ニューキノロン系薬(構造にFを含む=フルオロキノロン)

特徴 世代が上がるほど抗菌スペクトルが広い。第3世代は呼吸器系に移行性が高いためレスピラトリーキノロンと言われる。
作用機序 DNAジャイレース(グラム陰性)やトポイソメラーゼⅣ(グラム陽性)を阻害し、DNA複製を阻害して細菌を死滅させる。
副作用 妊婦に禁忌、小児に原則禁忌(DNAジャイレースに似たDNAトポイソメラーゼに作用すると、どちらも細胞分裂が盛んなため、胎児毒性や小児の関節軟骨変形などを生じるため)
②QT延長、腱の痛み、光線過敏症、NSAIDSとの併用により痙攣誘発の可能性が増大(ニューキノロンがGABA受容体に結合するため投与量に注意)
ADME 多くは腎排泄型。
2・3価の金属とキレートを形成し、消化管吸収量が低下するため、併用する場合は2時間以上間隔をあける。
世代 一般名 先発名 特徴
ノルフロキサシン:NFLX バクシダール 【特徴】尿路感染症に使用
【欠点】NSAIDSとの併用に注意
ロメフロキサシン:LFLX バレオン 【特徴】半減期が長い、尿路感染症に使用
【欠点】光線過敏症の頻度高い
フロキサシン:OFLX タリビッド ラセミ体
シプロフロキサシン:CPFX シプロキサン 【禁忌】チザニジン、ケトプロフェン
プルリフロキサシン:PUFX スオード  
レボフロキサシン:LVFX クラビット 【特徴】バイオアベイラビリティほぼ100%、OFLXのl体
トスフロキサシン:TFLX オゼックス
トスキサシン
 
モキシフロキサシン:MFLX アベロックス 【特徴】主に呼吸器感染症に使用
【禁忌】QT延長患者、低K血症患者、クラスIa・Ⅲ薬服用患者
シタフロキサシン:STFX グレースビット 【特徴】主に呼吸器感染症に使用。LVFXを修飾して活性増強した構造体。
ガレノキサシン:GRNX ジェニナック 【特徴】主に呼吸器感染症に使用
  パズフロキサシン:PZFX パシル
パズクロス
 
  ラスクフロキサシン:LSFX ラスビック  

葉酸合成阻害

ST合剤

作用機序 テトラヒドロ葉酸(THF)は細菌の核酸合成、アミノ酸合成に必要な物質である。動物は葉酸を外部から摂取するが、細菌は葉酸を生合成する経路がある。
SMX:葉酸の構成体であるパラアミノ安息香酸(PABA)の類似体として細菌に取り込まれ、THFの合成を阻害する。
TMP:ジヒドロ葉酸(DHF)還元酵素を阻害し、THFの合成を阻害する。
適応 ニューモシスチス肺炎
副作用 妊婦に禁忌:妊娠初期の投与は催奇形性あり
新生児に禁忌:サルファ剤は血中アルブミンと結合率が高く、間接ビリルビンの遊離が促進され、新生児や妊婦後期では高ビリルビン血症、核黄疸を起こす。
③皮疹:特にAIDS患者で生じやすい。
一般名 先発名 特徴
スルファメトキサゾール(SMX)+
トリメトプリム(TMP)
バクタ
バクトラミン
持続性。
【副】血小板減少

細胞膜障害を起こす薬

ポリペプチド系薬

作用機序 細胞膜のリン脂質と結合し、膜透過性を亢進させ、細胞を破壊する。
注意 腎障害
一般名 先発名 特徴
コリスチン:CL オルドレブ
コリマイシン
メタコリマイシン
 
ポリミキシンB:PL-B   グラム陰性菌の外膜を破壊する
バシトラシン・フラジオマイシン配合 バラマイシン  

抗嫌気性菌薬

作用機序 メトロニダゾールは嫌気性条件下で病原体内の酸化還元系によって還元されニトロソ化合物に変化する。その化合物がDNA合成を障害し抗菌・抗原虫作用を示す。
また、酒さ病変部では活性酸素種の生成を抑制し抗炎症作用を示す。
副作用  
一般名 先発名 特徴
メトロニダゾール アネメトロ点滴静注 バイオアベイラビリティほぼ100%、嫌気性菌に効く
メトロニダゾール 0.75% ロゼックスゲル 【欠点】妊娠3ヶ月以内の妊婦は禁忌脳・脊髄に気質的疾患のある患者には禁忌
【適応】酒さ
【使用方法】
①1日2回、患部を洗浄後に塗布する。
②塗布後は日光に長時間当たらないように注意。紫外線療法や日焼けサロンも避けること。

抗結核薬

一般名 先発名 特徴
イソニアジド:INH イスコチン
ヒドラ
【欠点】ペラグラを起こすことがある。
【ADME】チーズの摂取により含まれるチラミンが増加し頭痛、動悸が起こりやすくなる。
イソニアジド メタンスルホン酸Na:IHMS ネオイスコチン  
パラアミノサリチル酸Ca ニッパスCa  
アルミノパラアミノサリチル酸Ca アルミノニッパスCa  
ピラジナミド:PZA ピラマイド  
エタンブトール:EB エサンブトール
エブトール
【副】視神経炎
リファンピシン:RFP リファジン RNAポリメラーゼ阻害。白血球に取り込まれやすいため、細胞内寄生菌に対して用いる。
【欠点】重篤な肝障害には禁忌。逆転写酵素阻害薬との併用禁忌。
リファブチン ミコブティン  
エンビオマイシン:EVM ツベラクチン  
エチオナミド:ETH ツベルミン  
サイクロセリン:CS  
デラマニド:DLM デルティバ  
ベダキリン:BDQ サチュロ  

タンパク質合成阻害

アミノグリコシド系薬

作用機序 リボソームの30sと50sに結合(ストレプトマイシンは30sのみ)し、タンパク質を合成を阻害し、殺菌作用を示す。アミノグリコシド系は酸素を利用した能動輸送で細胞内に移行するため偏性嫌気性菌には無効。また、βラクタム系と併用すると細胞内に移行しやすいため効果が増強する。
副作用 急性腎不全:腎排泄型のため用量依存性に生じる尿細管障害(近位尿細管の刷子縁に結合して腎皮質に蓄積するため)
第8脳神経障害:内耳のリンパ液に蓄積して有毛細胞を破壊する。血縁者に難聴者がいる場合は投与禁忌!不可逆的な感音難聴・平衡機能障害とならないよう定期的な聴力検査を実施!
妊婦に原則禁忌:胎児に聴覚障害を生じさせる可能性があるため。
④神経筋接合部遮断作用により薬剤誘発性筋無力症を引き起こす。

【Ⅰ群:もっぱら抗結核菌薬として使用】

一般名 先発名 特徴
ストレプトマイシン:SM    
カナマイシン:KM    

【Ⅱ群:緑膿菌を除くグラム陰性菌に広く作用】

一般名 先発名 特徴
フラジオマイシン:FRM ソフラチュール  
フラジオマイシン・トリプシン配合 フランセチン・T  

【Ⅲ群:広い抗菌スペクトルで抗緑膿菌作用もあり】

フロセミドの利尿作用により脱水が起こり,内耳にある外有毛細胞内でアミノグリコシド(ゲンタマイシン)の濃度が上昇して細胞壊死を起こし,難聴となる

一般名 先発名 特徴
ゲンタマイシン:GM ゲンタシン軟膏  
トブラマイシン:TOB トブラシン
トービイ
 
ジベカシン:DKB パニマイシン  
アミカシン:AMK アミカマイシン  
イセパマイシン:ISP エクサシン  

【Ⅳ群:抗MRSA作用】

一般名 先発名 特徴
アルベカシン:ABK ハベカシン  

【Ⅴ群:抗ペニシリナーゼ産生淋菌に作用】

一般名 先発名 特徴
スペクチノマイシン:SPCM トロビシン 淋菌の特効薬

マクロライド系薬

クレアチニンクリアランスが10mL/min以上であれば使用できる。

作用機序 リボソームの50sに結合し、タンパク質を合成を阻害し、静菌作用を示す(高濃度では殺菌作用を示す)。
適応 レジオネラ、マイコプラズマ、クラミジア、リケッチア、百日咳、カンピロバクター
(百日咳、カンピロバクターを除くグラム陰性菌には無効)
副作用 ①軽度の消化器症状:主に下痢や悪心嘔吐など
②まれにQT延長

【14員環系】

一般名 先発名 特徴
エリスロマイシン
(EM)
エリスロシン 胃平滑筋のモチリン受容体を刺激し、胃運動を促進するため胃麻痺にも有効。
【欠点】胃酸で分解されやすい
【ADME】CYP3A4を不可逆的に阻害
クラリスロマイシン
(CAM)
クラリス
クラリシッド
気道の粘液分泌抑制、好中球遊走因子抑制による抗炎症を持つため、びまん性汎細気管支炎・気管支拡張症・慢性副鼻腔炎に低用量で長期使用される。
【ADME】CYP3A4を不可逆的に阻害
ロキシスロマイシン 150mg
(RXM)
ルリッド錠 【欠点】エルゴタミンと併用禁忌。血小板減少症を生じることがあるため定期的に検査必要。
【適応】化膿性炎症を伴う痤瘡

【15員環系】

一般名 先発名 特徴
アジスロマイシン(AZM) ジスロマック 半減期が66時間と長く、初日に高用量投与する。組織移行性が高い。ジスロマックSRは必ず空腹時服用。
【ADME】CYP3A4を不可逆的に阻害

【16員環系】

一般名 先発名 特徴
ジョサマイシン:JM ジョサマイ 赤痢菌に有効
スピラマイシン:SPM アセチルスピラマイシン  

【18員環系】

一般名 先発名 特徴
フィダキソマイシン:FDX ダフクリア  

テトラサイクリン系薬

作用機序 リボソームの30sに結合し、タンパク質を合成を阻害し、静菌作用を示す。
適応 リケッチア、クラミジア、マイコプラズマ
注意 妊婦・小児に原則禁忌:骨や歯に沈着して骨の発育障害、歯牙黄染、エナメル質形成不全をきたすため。
②2・3価の金属とキレートを形成し、消化管吸収低下。
③菌交代症を起こしやすい。光線過敏症。胃粘膜刺激により悪心嘔吐。
一般名 先発名 特徴
テトラサイクリン:TC アクロマイシン  
オキシテトラサイクリン+ポリミキシンB配合 テラマイシン  
デメチルクロルテトラサイクリン レダマイシン  
ドキシサイクリン:DOXY ビブラマイシン  
ミノサイクリン:MINO ミノマイシン 痤瘡の悪化・再発時に使用されることがある。
【欠点】服用2〜6週間後に薬疹(DIHS)を起こすことがある。
チゲサイクチン:TGC タイガシル  

リンコマイシン系薬

作用機序 リボソームの50sに結合し、タンパク質を合成を阻害する。
適応 偏性嫌気性菌、グラム陽性菌
注意 偽膜性大腸炎ディフィシル菌による菌交代症によって高頻度に起こる。
一般名 先発名 特徴
リンコマイシン
(LCM)
リンコシン  
クリンダマイシン
(CLDM)
ダラシン
ダラシンS
 

ストレプトグラミン系薬

一般名 先発名 特徴
キヌプリスチン・ダルホプリスチン配合 シナシッド  

オキサゾリジノン系薬

リボソームの30sと50sに結合し、タンパク質を合成を阻害する。

一般名 先発名 特徴
リネゾリド:LZD ザイボックス 【副】高頻度に血小板減少
テジゾリド:TZD シベクトロ  

クロラムフェニコール系薬

作用機序 リボソームの50sに結合し、タンパク質の合成を阻害し、静菌作用を示す。
注意 再生不良性貧血:造血器障害
グレイ症候群新生児はグルクロン酸抱合能が低く、薬物血中濃度が急上昇して急性循環不全を来し、皮膚が灰白色になることがある。そのため新生児に投与禁忌
一般名 先発名 特徴
クロラムフェニコール クロロマイセチン
クロマイ
 
クロラムフェニコール+フラジオマイシン クロマイP  
クロラムフェニコール コハク酸エステルNa クロロマイセチンサクシネート  

核酸合成阻害

キノロン系薬(第1世代)

一般名 先発名 特徴
ピペミド ドルコール 現在、ほとんど使われない。第1世代。

ニューキノロン系薬(構造にFを含む=フルオロキノロン)

特徴 世代が上がるほど抗菌スペクトルが広い。第3世代は呼吸器系に移行性が高いためレスピラトリーキノロンと言われる。
作用機序 DNAジャイレース(グラム陰性)やトポイソメラーゼⅣ(グラム陽性)を阻害し、DNA複製を阻害して細菌を死滅させる。
副作用 妊婦に禁忌、小児に原則禁忌(DNAジャイレースに似たDNAトポイソメラーゼに作用すると、どちらも細胞分裂が盛んなため、胎児毒性や小児の関節軟骨変形などを生じるため)
②QT延長、腱の痛み、光線過敏症、NSAIDSとの併用により痙攣誘発の可能性が増大(ニューキノロンがGABA受容体に結合するため投与量に注意)
ADME 多くは腎排泄型。
2・3価の金属とキレートを形成し、消化管吸収量が低下するため、併用する場合は2時間以上間隔をあける。
世代 一般名 先発名 特徴
ノルフロキサシン:NFLX バクシダール 【特徴】尿路感染症に使用
【欠点】NSAIDSとの併用に注意
ロメフロキサシン:LFLX バレオン 【特徴】半減期が長い、尿路感染症に使用
【欠点】光線過敏症の頻度高い
フロキサシン:OFLX タリビッド ラセミ体
シプロフロキサシン:CPFX シプロキサン 【禁忌】チザニジン、ケトプロフェン
プルリフロキサシン:PUFX スオード  
レボフロキサシン:LVFX クラビット 【特徴】バイオアベイラビリティほぼ100%、OFLXのl体
トスフロキサシン:TFLX オゼックス
トスキサシン
 
モキシフロキサシン:MFLX アベロックス 【特徴】主に呼吸器感染症に使用
【禁忌】QT延長患者、低K血症患者、クラスIa・Ⅲ薬服用患者
シタフロキサシン:STFX グレースビット 【特徴】主に呼吸器感染症に使用。LVFXを修飾して活性増強した構造体。
ガレノキサシン:GRNX ジェニナック 【特徴】主に呼吸器感染症に使用
  パズフロキサシン:PZFX パシル
パズクロス
 
  ラスクフロキサシン:LSFX ラスビック  

葉酸合成阻害

ST合剤

作用機序 テトラヒドロ葉酸(THF)は細菌の核酸合成、アミノ酸合成に必要な物質である。動物は葉酸を外部から摂取するが、細菌は葉酸を生合成する経路がある。
SMX:葉酸の構成体であるパラアミノ安息香酸(PABA)の類似体として細菌に取り込まれ、THFの合成を阻害する。
TMP:ジヒドロ葉酸(DHF)還元酵素を阻害し、THFの合成を阻害する。
適応 ニューモシスチス肺炎
副作用 妊婦に禁忌:妊娠初期の投与は催奇形性あり
新生児に禁忌:サルファ剤は血中アルブミンと結合率が高く、間接ビリルビンの遊離が促進され、新生児や妊婦後期では高ビリルビン血症、核黄疸を起こす。
③皮疹:特にAIDS患者で生じやすい。
一般名 先発名 特徴
スルファメトキサゾール(SMX)+
トリメトプリム(TMP)
バクタ
バクトラミン
持続性。
【副】血小板減少

細胞膜障害を起こす薬

ポリペプチド系薬

作用機序 細胞膜のリン脂質と結合し、膜透過性を亢進させ、細胞を破壊する。
注意 腎障害
一般名 先発名 特徴
コリスチン:CL オルドレブ
コリマイシン
メタコリマイシン
 
ポリミキシンB:PL-B   グラム陰性菌の外膜を破壊する
バシトラシン・フラジオマイシン配合 バラマイシン  

抗嫌気性菌薬

作用機序 メトロニダゾールは嫌気性条件下で病原体内の酸化還元系によって還元されニトロソ化合物に変化する。その化合物がDNA合成を障害し抗菌・抗原虫作用を示す。
また、酒さ病変部では活性酸素種の生成を抑制し抗炎症作用を示す。
副作用  
一般名 先発名 特徴
メトロニダゾール アネメトロ点滴静注 バイオアベイラビリティほぼ100%、嫌気性菌に効く
メトロニダゾール 0.75% ロゼックスゲル 【欠点】妊娠3ヶ月以内の妊婦は禁忌脳・脊髄に気質的疾患のある患者には禁忌
【適応】酒さ
【使用方法】
①1日2回、患部を洗浄後に塗布する。
②塗布後は日光に長時間当たらないように注意。紫外線療法や日焼けサロンも避けること。

抗結核薬

一般名 先発名 特徴
イソニアジド:INH イスコチン
ヒドラ
【欠点】ペラグラを起こすことがある。
【ADME】チーズの摂取により含まれるチラミンが増加し頭痛、動悸が起こりやすくなる。
イソニアジド メタンスルホン酸Na:IHMS ネオイスコチン  
パラアミノサリチル酸Ca ニッパスCa  
アルミノパラアミノサリチル酸Ca アルミノニッパスCa  
ピラジナミド:PZA ピラマイド  
エタンブトール:EB エサンブトール
エブトール
【副】視神経炎
リファンピシン:RFP リファジン RNAポリメラーゼ阻害。白血球に取り込まれやすいため、細胞内寄生菌に対して用いる。
【欠点】重篤な肝障害には禁忌。逆転写酵素阻害薬との併用禁忌。
リファブチン ミコブティン  
エンビオマイシン:EVM ツベラクチン  
エチオナミド:ETH ツベルミン  
サイクロセリン:CS  
デラマニド:DLM デルティバ  
ベダキリン:BDQ サチュロ  

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