脂肪腫 lipoma

皮膚科

疾患の概要

疫学 成年以降に好発(生下時より存在する場合もある)
病態 成熟脂肪組織の増殖が見られ、腫瘍は被膜を持ち、黄色の柔らかい脂肪組織の集合体である。種々の間葉系組織要素が混在することがあり、線維脂肪腫、血管脂肪腫、筋脂肪腫などと呼ばれる(血管脂肪腫は多発しやすく、圧痛を伴いやすい)。悪性化は極めて稀であるが、徐々に増大するので必要に応じて外科的切除する。
症状 通常は無症状、神経を圧迫すると疼痛を訴えることがある

疾患の診断

視診 部位:全身どこにでも生じ、単発性または多発性
局在:皮下が多いが、筋肉間や筋肉内にも発症する
大きさ:1cm〜10cmと大小種々、徐々に増大することが多い
形:なだらかに隆起する皮下腫瘤
色:常色
触診 弾性軟、皮下なら下床との可動性あり
血管脂肪腫は圧痛を伴いやすい
MRI 均一な内部構造(不均一な場合は脂肪肉腫を鑑別にあげる)

疾患の治療

皮下脂肪腫 腫瘍直上に切開を加えて、被膜を破らないように鈍的に剥離すると容易に摘出できる。
筋肉内脂肪腫 腫瘍直上を切開し、筋膜を切開した後、可能な限り愛護的に筋線維に沿って筋を分割して腫瘍に至り、鈍的に剥離して全摘出する。筋線維が脂肪に変性して脂肪腫内に取り込まれていることもある。
スクイーズ法 腫瘍直上に小切開を加えて、腫瘍被膜上で皮下を広く鈍的に剥離した後、揉み出すようにすると腫瘍が皮膚切開部より出てくる。その後に腫瘍を引き出しつつ底面も剥離する。ただし、項部や背部では腫瘍周囲の線維成分が多く、剥離が困難なことがある。

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