カルテの記載法

症候学

カルテ記載方法

体言止めは禁止。助詞を入れる。かっこは全角。菌名は斜体にする。

カルテの略語

点滴 q24hr(1回/日)、q12hr(2回/日)、q8hr(3回/日)、q48hr(1回/2日)
経口 SID(1回/日)、BID(2回/日)、TID(3回/日)、PRN(必要時)
方法 PO(経口)、IV(静注)、CIV(持続静注)、DIV(点滴静注)、IM(筋注)、SC(皮下注)、SP(坐薬)

問題志向型医療記録(POMR)

POMRとは、患者の抱える問題を中心に行う医療(POM;problem oriented medical)の考え方に合わせた記録方法のことである。
①基礎情報(基礎データ)から問題を明らかにする。
②問題リストを作成する。
③問題ごとに初期計画を立案する。
④解決すべき個々の問題別に、SOAP形式で患者の経過記録を記載する。

①基礎データ
(data base)
①主訴、現病歴、家族歴など
②生活歴
③診察所見
④検査成績
②問題リスト
(problem list)
①ナンバーとタイトルをつける
activeとinactiveの区別をつける
問題リストは診断名だけではなく、患者を診察していく上で問題となる項目のリストである。よって、初診時に得られる医療面接での問題点、臨床症状、診察所見、検査値の異常などから問題点を抽出し、列挙する。
③初期計画
(initial plan)
①診断的計画(diagnostic plan)
②治療的計画(therapeutic plan)
③教育的計画(educational plan)
④経過記録
(progress note)
①叙述的記録(narrative note)
S(subjective data)− 自覚症状
O(objective data)− 他覚症状(診察所見、検査所見)
A(assessment)− 評価、考察
P(plan)− 検査・治療・患者教育の計画
②経過一覧表(flow sheets)
⑤退院時要約
(discharge summary)

入院時記録(Admission note)

診断や方針に影響する重要な情報を記載し、意味のない情報はだらだら書かない。

【要約(Short summary)】
主訴に関連する既往歴→ADL→年齢・性別→現病歴の順で全体像を要約
S 過去から現在に至るまでの、患者・家族・前医などの他人を通して収集し、間接的に得られた情報。Sの主語は患者、時制は過去形で記載する。
<記載項目>
主訴(Chief Complaint:CC)】
患者の言葉で記載することが原則。ただし、患者の言葉で記載すると情報が伝わりにくい場合は医学用語に置き換える。
【受診理由 or 入院目的】
例:精査目的に入院
現病歴(History of Present Illness:HPI)】
①主訴に対する病歴聴取:病気が発生してから現在(受診)に至るまでの時間経過を明確に記載し、痛みならOPQRST等も記載。
例:来院○日前から〜出現した。
②診断の鑑別疾患を意識した関連症状:
陽性所見(pertinent positive)
陰性所見(pertinent negative)

アレルギー歴(Allergy)】
NKFDA(No Known Food Drug Allergies:既知の食物薬物アレルギーなし)
既往歴(Past Medical History:PMH)】
生まれてから現在に至るまでの、既に確定している疾患を時系列に記載
①併存症:今も活動性のある疾患。病状、治療内容、かかりつけ医など
②既往症:過去に治癒した疾患。発症〜治癒時期、手術歴、輸血歴、妊娠・出産歴
内服薬(Medication:Meds)】
他科・他院などに分け、使用している薬剤の用量用法を記載
OTC薬やサプリメントもあれば記載
家族歴(Family History:FH)】
血縁者、同居者、キーパーソンなど
生活歴
飲酒・喫煙などの嗜好品、食事・運動・排泄・睡眠といった生活習慣
社会歴(Social History:SH)】
仕事などの社会歴
ROS(システムレビュー)
ROS+とROSー両方を記載する
ナラティブ(か・き・か・え)】
解釈モデルを記載
O 現時点で医師自身や同僚が入手した直接観察による所見=診察時の身体所見と検査所見。
<記載項目>
【身体所見】
①全身状態:いつもと比べて良いか悪いか、ABCなど
②バイタルサイン:GCS、血圧BP、脈拍HR、呼吸数RR、SpO2、体温BT
③全身診察:頭頸部→胸部→背部→腹部→腰部→会陰部→四肢→神経系・筋骨格→血管系
【検査所見】
①検体検査:尿→血算・生化学・凝固→血液ガス→感染症検体
②生理検査:心電図、エコー、スパイロメトリなど
③画像検査:単純X線→CTなど
A 自身の意見・診断・治療方針。Aの主語は自分、時制は現在形。
問題リスト=現時点で健康管理上、分析や介入する必要ありと判断した事項
【記載項目】
①Brief summary:プロブレムの全体像を簡潔にまとめる。
プロブレム名:その時点で最も深化させた名前を重要度順に#番号で記載する
・鑑別診断と根拠:症候なら鑑別診断を、診断ならその根拠を記載。
鑑別診断例:most likely〜、less likely〜
・方針:いつ退院するかなど、今後の大まかな見通しを共有できるよう簡潔に記載。
予防

入院中の合併症予防

●VTE予防(静脈血栓塞栓症予防):退院 or 十分に歩行可能になれば終了
Padua予測スコア:4点以上は高リスクで抗凝固薬による予防を推奨、出血リスクが高い場合は間接的空気圧迫法(IPC)を推奨
IMPROVE出血リスク評価:7点以上は出血リスク高い
例)ヘパリンCa 1回5000U、12時間毎に皮下注射
※APTTモニタリングは不要だが、出血傾向を呈している際は評価する
●上部消化管出血の予防:退院 or 出血リスク解消されたら終了
消化管出血のリスク因子:高齢、男性、重症疾患、腎不全、血小板5万未満、凝固異常、肝硬変、抗血小板薬・抗凝固薬の使用中
※制酸薬投与により誤嚥性肺炎や偽膜性腸炎のリスクを増大させる可能性あり

身体拘束

定義 一時的に患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限
適応 患者が自身及び他者に危険を及ぼす行為を呈する(3原則全て該当)場合に適応
①切迫性:行動制限しないと生命or身体が危険に曝される可能性が高い
②非代替性:行動制限以外に患者の安全を確保する方法がない
③一時性:行動制限は一時的である
実施 ・適応があると判断した場合はKPに連絡し、経緯と拘束手段を説明
・緊急性がある場合を除き、同意書を取得した上で実施
・身体拘束を実施する旨を医師がカルテに記載
評価 毎日、身体拘束の継続の適応について評価
影響 ・関節拘縮、筋力低下といったADL低下、圧迫部位の褥瘡発生
・不安、怒り、屈辱、PTSDなどの精神的苦痛

入院時経過記録

【Short summary】
既往に〜があり〜を服用しているADL〜の〜歳男性、〜の診断で入院となり〜の治療を開始した。
【Disposition】:予想される転帰
〜に在住、独居、〜クリニックがかかりつけ。〜週間の抗菌薬投与が終了したら、〜月〜日に自宅に退院し、その後後かかりつけに通院予定。
【Problem】:重篤・重要なものから順に並べる
#Ⅰ型呼吸不全
 鑑別:#市中肺炎(CAP)→4/7抗菌薬終了
25/04/01 発熱、湿性咳嗽、胸部CTで右葉にすりガラス影を認め、CAPと診断。A-DROP4点でHCUに入院。CCr60、CTRXで治療開始。
25/04/02 喀痰グラム染色よりGPC確認
25/04/03 喀痰培養より肺炎球菌4/4で陽性、ABPCへde-escalation
25/04/05 血液培養は陰性確認、一般病床へ転棟
25/04/07 抗生剤治療終了
治療:
・CTRX点滴2g/q24hr 4/1-2
・ABPC錠 分3 4/3-4/7
【inactive】
【入院前内服薬】
【入院後内服薬】
S #problemに対する患者や家族に対する問診(陰性症状も記載)
O バイタル:
In-Out(点滴時):
食事:?/10、?kcal/日、〜疾患食、常食 or 全粥
尿量、体重:
心電図モニター:PVC run 2回
リハビリ:PT、ST
【身体所見】視診(ルート刺入部の発赤腫脹)、聴診、打診、触診
【検査所見】L/D、CXR、AXR、CTなど
A 咳嗽・喀痰が減少し、SpO2も85→95%と正常化し、改善傾向のため週末退院予定。
(SとOを元に病状が改善・悪化しているか記載)
P 【To Do List】
□overnight event→検査→処方→入院注射→経過表→指示簿変更の順に確認
□4/10 STによる嚥下機能評価(今後の計画を記載)
□4/10 血液培養・外注検査:結果待ち
□退院後にワクチン検討(入院中には行わず退院後に引き継ぐ計画を記載)

退院時要約(退院時サマリー)

入院時カルテと経過カルテをコピペできるように日々作っておく。

要約 基本的にshort summaryをコピペ
入院目的 〜の精査・治療
主訴 医学用語が端的に記載
例)倦怠感、めまい、労作時息切れ、黒色便
現病歴 入院時記録より引用
例)7日前から倦怠感、めまい、息切れの症状が出現し、昨日の夕食後に黒色便を認めたため当院内科外来を受診。上部消化管内視鏡検査にて胃潰瘍の疑いと診断されて入院となった。
陽性症状:体重減少-2kg/月、倦怠感、めまい、労作時息切れ
陰性症状:心窩部痛、悪心嘔吐、下痢
既往歴 入院時記録より引用
内服薬 入院時記録より引用
家族歴 入院時記録より引用
生活歴 入院時記録より引用
入院時身体所見 入院時記録より引用
入院時検査所見 入院時記録より引用
例)上部消化管内視鏡検査にて胃大弯部に潰瘍形成を認める。
入院時問題リスト #プロブレム名(日付)→(転帰を記載)
例)#1 胃潰瘍(4/1)→胃癌(4/3)→(4/20)転院
例)#2 貧血(4/1)→鉄欠乏性貧血(4/2)→(4/15)軽快
入院後経過 ①初期評価と計画→②計画をどう実行し、その具体的経過→③その結果生じた症状・所見などの変化を再評価→④適切に更新されたプロブレムに合わせて改めて計画→②へ戻る・・・を繰り返して記載。再評価の結果、入院の必要性がなくなれば退院が確定する。
例)
①内視鏡所見から胃潰瘍と診断し、○○病棟入院し絶食補液・PPI静注での治療を開始した。
②入院後は心窩部痛なく経過し、経口摂取も再開でき早期退院可能と考えていたが、
③入院後の内視鏡検査で胃癌が検出され、#1を胃癌と診断修正し、本人への告知と進展度・耐術能評価のため検査を追加した。
④後述する諸検査の結果、Stage2の胃癌と診断し、手術目的で他院外科へ転院となった。
入院後検査結果 経過記録より引用
退院時病状 退院が決まった時点ですぐに記載する。具体的には退院時最終診断名(病期、重症度、併存症も記載)、病状、退院時処方、退院後方針を明記する。
例)
胃癌Stage2:疼痛・倦怠感なし、経口摂取可能、体重+1kg
鉄欠乏性貧血:鉄剤内服によりHb11まで回復
退院時処方:オメプラゾール20mg1日1回1錠夕食後
退院後方針:〜病院消化器外科にて手術・化学療法予定。別紙紹介状あり。
考察 起(症例のまとめ、一番の問題点の抽出、考察すべきポイントの明示)
承(参考文献など)
転(症例への当てはめ)
結(今後に向けて、この患者に対してどうするかを具体的に述べる)
例)
起:本症例は当初良性疾患と判断され、楽観的な見通しを持っていたが、途中で悪性疾患と診断されたことにより患者が精神的に動揺し、その後の診療に支障をきたした。今後も同様のケースは想定されるため、がん患者における適応障害について考察する。
承:文献的には癌患者の9割に適応障害が発生し、その危険因子は〜、対応としては〜とされる(参考文献)。
転:本症例はこの危険因子を複数有しており、適応障害の発症は十分に予測できた。
結:今後の同様の症例では心理的反応を予測しながら先を読んだ対応を心がけるべきと考える。

初診外来(臨時受診した患者の診療)

【仮プロブレム(=主訴
#1 咳
#2 不眠
【受診理由】
例:肺癌を心配して受診
S 【患者の訴え(患者のセリフ通りに記載)】
例:咳がひどく、夜が眠れない。去年亡くなった夫の肺癌の症状と似ている。
【現病歴】
例:4/1- 咳が出始めた
4/4- 夜も眠れない咳が続く
4/5- 血痰が出た
【既往歴】
例:なし。昨年の検診でも異常なし。
【内服薬】
例:服用なし。
【家族歴】
例:夫が肺癌、祖父が大腸がん。
【生活歴】
例:機械飲酒、喫煙20本/day×30年。コンビニでパート。長女と次女と3人暮らし。
O 【全身状態】
例:重篤感なく、会話内容も明確だが、不安そうな表情で話している。るいそうなし。
【バイタルサイン】
JCS 0, BP 140/90, HR80整, RR18, SpO2 97%(RA), BT. 36.6
【身体所見】
例:結膜充血・貧血・黄疸なし、咽頭発赤、後頭部リンパ節触知、肺胞呼吸音左右差なし、wheezes/cracklesなし
A 【仮プロブレム】
#1 咳
Definite:急性上気道炎→特に矛盾しない
Less likely:肺結核→急性発症であり否定的ではあるが、血痰があるため痰培養を行なって判断する。
Unlikely:肺癌→経過が急性であり、経過・検診結果から可能性は低い。
#2 不眠
夜間咳嗽に伴う不眠と考えられ、咳嗽軽快により不眠も改善すると考える。
P Tx)鎮咳薬での対症療法。
Px)まずは1週間の禁煙を提案→前向きに同意された。
NP=次回受診時に行う計画)咳の改善、禁煙の成否を確認。

継続外来(慢性疾患の管理のために定期受診した患者の診療)

記載途中

救急外来

病棟・一般外来 ゆっくり時間をかけて病歴聴取・身体診察・臨床検査→カルテ記載
救急外来 診察しながら緊急度の評価・安定化処置→診断と治療→カルテ記載

Step0(事前準備)

救急隊からの事前情報収集を終えたらStep0カルテを記載し、救急車受け入れ準備を行う。

患者の受診歴があればカルテを参照する!

S ※外傷の場合はMISTを聴取
Mechanism:受傷機転(外傷がどのように生じたか)
Injury:損傷部位
Sign:症候
Treatment:処置→Oに記載
<記載内容>
【救急隊からの電話で聴取した主訴、経過】
例:4日前から発熱と咳で、今は動けないため家族が救急コール
O <記載内容>
【救急隊からの電話で聴取したバイタル、処置】
例:JCS20、BP 80/40、HR 132整、RR 30、SpO2 96%(6L)、BT 37.5
心電図モニターでSTーT異常なし、最終食事1日前
【受診歴のある患者】
・既往歴
・薬剤歴
・アレルギー歴
・最近の検査結果
・本人のADL、キーパーソンなどの社会的背景
A <記載内容>
【鑑別診断】
most likely:肺炎、敗血症
less likely:COVID19、市中肺炎
P <記載内容>
【到着時処置予定】
Tx)O2継続、生食でルート2本確保
Dx)ABCDEFG(Step1参照)

Step1(緊急度評価と安定化)

生きるか死ぬかのトリアージし、死なせない処置に集中する。トリアージと安定化の処置がひと段落したらStep1カルテを記載する。

S <記載内容>
【主訴】
例:患者からは聴取不能、家族からは咳と息切れがあったとのこと
O <記載内容>
【General appearance(直感での重症感評価)】
例:重篤な印象でぐったりと横たわっている
【First impression(五感でのABCD評価)】
例:頻呼吸・頻脈・冷感あり、返答なし
【Vital signs(機器でのバイタルサイン評価)】
例:E3V2M4、BP 80/40、HR 132整、RR 30、SpO2 96%(6L)、BT 37.5
頸動脈虚脱、下腿浮腫(±)、末梢冷感(ー)、発汗(+)、左下肺水泡音(+)
A ABCDE異常の有無と推定原因
(詳細な病歴聴取、身体診察、初期検査を行なっていないため確定診断や鑑別診断はまだしなくて良い)
<記載内容>
【推定原因】
例:分布異常性ショック、特に敗血症性ショックと考える。
肺炎→敗血症を最も疑うが、アナフィラキシー・副腎不全なども検討。
P <記載内容>
【行なった処置】
(OMI)O2投与、モニター装着、IVライン確保など
例:Tx)生食1Lずつ静注し、反応不良ならNAd開始予定。
【初期検査(ABCDEFGのどれか)】
・ABG(動脈血ガス)
・Blood(一般採血)
・CXR(ポータブル胸部X線)
・Dx(デキスター=簡易血糖測定)
・ECG(12誘導心電図)
・FAST&FEER(ベッドサイドエコーによる循環評価)
※FEER:リズムチェックなど胸骨圧迫を中断する10秒以内で剣状突起下からプローブをあて、心タンポナーデや肺血栓塞栓症、心収縮の有無などを判断するもの
・Gram染色

Step2(確定診断と特異的治療)

安定状態を確保でき、鑑別診断のための情報収集や特異的治療が決まったらStep2カルテを記載する。

S 前例に対しAMPLE
Allergy(アレルギー歴)
Medication(服用中の治療薬)
Past history&pregnancy(既往歴と妊娠の可能性)
Last meal(最後の食事)
Events & environment(受傷転機と現場状況)
(疼痛に対しOPQRST、またはCOMPLAINTs)
詳細は割愛
(意識障害に対しMD-HINT/CT-TIPS)
sBP110未満の場合→全身性疾患の可能性が高い→MD-HINT
sBP170以上の場合→頭蓋内疾患の可能性が高い→CT-TIPS
<記載内容>
【聞き出せた診断学的情報】
例:4日前から咳・痰が出現し徐々に体調悪化し・・・
O <記載内容>
【身体所見】
Head to Toeの身体診察の詳細
【検査所見】
例:血液:WBC 14000など
血ガス:pH 7.24など
生食2L入った時点でBP110/77まで改善、酸素5LでSpO2 92%、E3V5M6
A 鑑別診断を考える優先順位としてCritical(見逃すと危険)→Curable(治療が遅れると予後悪化)→Common(高頻度だが後で対応しても問題ないもの)
<記載内容>
most likely:肺炎、敗血症
less likely:COVID19、市中肺炎
【具体的な鑑別診断名】
例:肺炎球菌性肺炎による重症敗血症と診断。ショックは離脱し意識レベルは改善傾向。
P <記載内容>
【疾患特異的治療】
Tx)アンピシリン2gで治療開始。酸素7Lに増量。
Ex)本人は会話不能のため家族と方針相談

Step3(最終方針の決定)

治療が軌道に乗った後、患者・家族や指導医・専門医と相談して最終方針が決まったらStep3カルテを記載する。

S <記載内容>
【本人・家族の意向】
例:患者の事前指示は不明。家族は最大限の治療を希望。
【専門医・指導医の意見】
例:呼吸器内科○Drによる画像読影でも診断は肺炎で一致。
救急指導医と相談しICUでの治療開始が望ましいと判断。
O <記載内容>
【面談参加者と説明内容】
例:妻、長男、担当医、指導医とで面談し、冷静に状況を理解された(内容は説明用紙参照)。●●の症状が出現したら再診、●日以上症状が続いたら再診など具体的に記載。
A <記載内容>
【最終診断】
例:肺炎球菌性肺炎による重症敗血症。
最終診断がつかない場合は、Criticalな疾患を除外した旨を記載。
P <記載内容>
【転帰(Disposition)】
例:ICU入室。病状と治療方針をICU担当医に申し送る。

記載時の注意

【動詞】

話し言葉 書き言葉(カルテ記載)
〜です、〜ます 〜だ、〜である
〜かもしれない 〜の可能性がある
〜した方がいい 〜する必要がある
〜と言う、〜と書いてある 〜と述べている、〜と述べられている
わからない 不明である、まだ解明されていない
〜と思う 〜と考える、〜と考えられる
〜できる 〜が可能である
〜と感じる 〜と推測される、〜と思われる
〜は間違いだ 〜という事実は確認できない
〜しない方がいい 〜すべきでない
〜しなくてもいい 〜する必要はない
みんなが〜と言っている 一般的に〜と言われている

【副詞】

話し言葉 書き言葉(カルテ記載)
全然 全く
全部、みんな すべて
一番 最も
やっぱり やはり
絶対に 必ず
とても、すごく 非常に、大変
だんだん 次第に、徐々に
多分 おそらく
もっと さらに、より
だいたい 約、およそ
はっきりと 明確に
しっかりと 十分に
今まで 従来、これまで
わりと 比較的

【形容詞】

話し言葉 書き言葉(カルテ記載)
いろいろな 様々な
大切な 重要な
たくさんの 多くの
面白い 興味深い
いい 良い
すごい 素晴らしい
大丈夫 問題ない

【接続詞】

話し言葉 書き言葉(カルテ記載)
だけど、でも しかし、ところが
だから したがって、それゆえ
〜なので 〜のため、〜の理由で
〜なのに 〜にもかかわらず
〜けど 〜が
〜したら 〜すれば、〜すると
〜していて 〜しており

医療用語

エンゼルケア 人が亡くなった後に行う処理(死化粧など)
ポイントオブノーリターン それ以上治療が見込めない状態、回帰不能点
ムンテラ 医師が患者に対して病状や治療などに関する説明をすること
ラポール 患者との信頼関係
コントラバーシャル 議論を引き起こす、論争の的になる
デコる 急性非代償性心不全
ディスポジション 患者処遇(入院が必要、または帰宅可能と判断する行為)
アンビューバッグ バックバルブマスクのこと
摘便 自然排泄ができない人に便を用手的に排出するケア
オカルト癌 原発不明癌
レスパイト入院 在宅介護を受けている方や家族の休養を目的とした短期入院
バクテリアルトランスロケーション 腸内細菌が腸管以外の臓器に移行する現象
カーネット徴候 臥位で疼痛部位を押しながら腹壁を緊張させると疼痛が悪化する
アニソコ 瞳孔不同
ワゴる 迷走神経反射を起こす

略語

A
B BSC best supportive care=CMO 緩和治療のみ
C CLTI Chronic Limb-Threatening Ischemia 包括的高度慢性下肢虚血
CPA cardio pulmonary arrest 心肺停止
CPR cardio-pulmonary resuscitation 心肺蘇生
D
E
F
G GIM general internal medicine 総合内科
H
I ILD interstitial lung disease 間質性肺疾患
IPC intermittent pneumatic compression 間欠的空気圧迫療法
J
K
L
M
N NKFDA no known food drug allergies アレルギーなし
NCSE non-convulsive status epilepticus 非痙攣性てんかん重積
NAC NeoAdjuvant Chemotherapy 術前補助化学療法
O OMI old myocardial infarction 陳旧性心筋梗塞
P PO per os 経口投与
Q
R ROSC return of spontaneous circulation 自己心拍再開
RASS Richmond Agitation- Sedation Scale 鎮静スケール
S SSI surgical site infection 手術部位感染
T
U
V VSS vital sign stable バイタルサイン安定
Y
W
X
Z

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