風疹ウイルス(Rubella virus)

微生物学

風疹(3日はしか) Rubella

5類感染症で、診断後直ちに届出が必要。 学校保健安全法:発疹が消失するまで登校停止。

病態 飛沫感染によって経気道的に感染し、局所リンパ節から全身に移行する。約30%は不顕性感染。
症状 2~3週間の潜伏期間の後、発熱発疹(融合傾向なし)が同時に出現し、耳後部の有痛性リンパ節腫脹を認める。発疹は色素沈着を残さず、2〜3日で消退する。
合併症として特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、多発性関節炎、髄膜脳炎みられることがある。
検査 血液検査:急性期の風疹IgM抗体陽性(発疹出現後3〜4日以内に抗体産生される)、麻疹と比較して相対的リンパ球増加
PCR法:血液・尿・咽頭ぬぐい液?
ペア血清:急性期・回復期の血清を比較してHI抗体4倍以上増加(HI抗体価は皮疹後1〜2週間で上昇し、抗体価32倍以上であれば風疹に罹患しにくい)
治療 対症療法
予防 生ワクチンであるMR混合ワクチンを1歳と小学校入学前に2回接種。
(1962年/昭和37年4月2日〜1979年/昭和54年4月1日生まれの男性は未接種)

先天性風疹症候群 CRS

病態
症状
妊娠5~12週の器官形成期に母体が風疹に初感染すると(不顕性感染の場合も含む)、胎盤を介して胎児に感染し①白内障、②両側性の感音難聴、③心奇形PDA、VSD、PSなど):風疹のはなし、④小眼球、⑤小頭症、⑥精神運動発達遅滞、⑦ITP、⑧溶血性貧血、⑨胎児発育不全(低出生体重児)といった先天性風疹症候群を引き起こす。
検査 【初診時:スクリーニング】
発疹、発熱、リンパ節主張の有無、風疹患者との接触のうち1つでもあればHI抗体価風疹IgM抗体価を測定、1つもなければHI抗体価のみ測定。HI抗体価が256倍以上ならば感染を疑う(HI抗体価が32〜128倍なら既感染である)。
【再診時:診断】
HI抗体価・風疹IgM抗体価を測定し、初回の抗体価と比較して評価(ペア血清)
HI抗体価が4倍以上、IgM抗体が陽性の場合、現感染ありと診断する。
治療 対症療法
予防 HI抗体価が16倍以下の場合は妊娠前に風疹ワクチンを接種(妊娠中は接種できない)。
妊婦の同居家族も予防接種を受け、予防に努める必要がある。
ワクチン接種後2か月間は先天性風疹症候群のリスクがあるため妊娠を避ける。

コメント

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