呼吸器 拘束性肺疾患(間質性肺炎、過換気、SAS)

呼吸器科

機能性呼吸障害

過換気症候群 Hyperventilation syndrome

病態 ストレス、緊張、不安などの心理的な要因により発作的に過換気が誘発される病態。
呼吸性アルカローシスによりH-Alb→遊離Alb増加し、遊離Albと遊離Caが結合する。その結果、遊離Ca↓となりテタニーを生じる(Ca総量は不変なので血中Ca濃度は正常!)。
症状 ①呼吸困難:空気飢餓感(呼吸はできる)が特徴的
②テタニー症状(けいれん、口唇や手足の痺れ、トルソー徴候)
③動悸、頭痛・めまい(CO2低下による脳血流↓)
鑑別 疾患により過換気になっている場合あり、枠外に記載
検査 【血液検査】
PaO2正常・PaCO2↓・pH↑(呼吸性アルカローシス)、Ca正常
治療 患者を落ち着かせる、鼻呼吸+腹式呼吸
ペーパーバッグ法は禁忌:CO2濃度は上がらず、逆にO2濃度が低下して酸素不足となる

【肺胞性過換気の原因】

低酸素血症 呼吸不全、シャント疾患、高地
呼吸器疾患 肺炎、肺塞栓症、喘息、気胸、胸郭異常
循環器疾患 ACS、心不全、心原性ショック
代謝異常 アシドーシス、肝不全
中枢神経系 脳梗塞、SAH、髄膜炎、腫瘍
中毒 NSAIDs、キサンチン誘導体、β刺激薬、プロゲステロン
その他 発熱、敗血症、疼痛、妊娠

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

病態 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は閉塞型、中枢型、混合型に分類されるが、閉塞型がほとんどである。
肥満、小顎症、アデノイド、巨舌などによって上気道が狭小化し、さらに睡眠時に筋肉が弛緩して上気道が閉塞する結果、頻回の無呼吸が生じる疾患。高血圧、不整脈、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞を発症するリスクが高まる。
症状 ①睡眠時のいびき→10秒以上の無呼吸
②日中の眠気
③起床時の頭痛(CO2貯留により血管拡張し頭蓋内圧↑)
アルコールや睡眠薬は筋弛緩作用があるため症状が悪化する。
【合併症】
高血圧、虚血性心疾患、脳血管障害など
検査 【睡眠時ポリソムノグラフィ(PSG)】
睡眠の状態をみるもの:脳波・筋電図・眼電図
換気の状態を見るもの:胸郭や腹部の運動・口や鼻の気流・SpO2・心電図
AHI(1時間の無呼吸回数)が5以上でOSASと診断
治療 簡易検査(外来)でAHI40以上、精密検査(入院)で20以上でCPAP保険適用
生活習慣の改善:禁酒
持続的気道陽圧法(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure):鼻マスクを装着し、気道に常時陽圧をかけ、上気道閉塞を防ぐ(強制換気はしない)。
※持続的陽圧換気(CPPV)ではないことに注意!=PEEPを加えた持続的強制換気
②減量:肥満により上気道が狭小化し、無呼吸が増悪するため
③マウスピース:下顎の後退を防ぎ、上気道の狭小化を軽減する

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