鼻骨骨折

皮膚科

鼻骨骨折 Nasal fracture

疫学 顔面骨骨折で最多
病態 鈍的外力によって生じる。鼻骨の尾側は骨の薄いため、骨折の約80%は下1/2〜1/3で生じる。単独骨折が多いが、鼻骨・前頭骨・上顎骨・篩骨・涙骨・蝶形骨を含む鼻眼窩篩骨(NOE)複合体の骨折をNOE骨折という。
分類 ①斜鼻型(lateral type):鼻が横から外傷を受け、鼻すじが斜めに曲がる
②鞍鼻型(frontal type):鼻が正面から外傷を受け、鼻の付け根が陥没する
症状 ①鼻出血(ほぼ必発)、鼻痛、鼻閉(3時間以上経過して出現する場合あり)
※大量出血の場合はルフォー骨折や頭蓋底骨折の合併の可能性あり(頭蓋底骨折の合併を疑う場合は鼻腔充填による止血は禁忌
検査 【身体所見】
鼻の腫脹、鼻の変形、鼻骨の圧痛・段差・陥凹・可動性を確認
【画像検査】
顔面CT(thin sliceが望ましい):鼻骨上顎縫合の線を骨折と誤診しないよう注意、陳旧性鼻骨骨折の場合もあるため鼻骨骨折の既往は必ず確認する
①鼻骨骨折の有無、②鼻中隔の骨折の有無、③鼻中隔の彎曲の有無(鼻中隔と下鼻甲介と接していれば彎曲と判断)、④粘膜の腫れの有無(左右差あり)、⑤血腫の有無(CT値50〜100)を確認
※特に鼻中隔血腫は、放置しておくと鼻中隔穿孔や鼻中隔軟骨の壊死を起こすことがあるので注意が必要で、早期に血腫を取り除く処置が必要
【鼻中隔血腫】
鼻中隔前部に赤く膨らんだ血腫として観察され、外傷直後に発生することもあれば、受傷後24〜72時間で発生することもある。多くの患者は鼻で息ができないと訴える。無影灯と鼻鉗子を用いて観察する。鼻中隔血腫がある場合、鼻腔内を直接浸潤麻酔かボスミン+キシロカインで表面麻酔を行い、18Gの針先で切開する。切開後はワセリンを塗ったガーゼパッキングを行い(血腫の再発を防止)、抗菌薬投与し、耳鼻科コンサルトする。
治療 鼻の変形がある場合、受傷後成人では2週間、小児では1週間以内に整復が必要
【受傷後3時間以内】
腫脹がひどくない場合が多く、整復が可能。アドレナリン入りリドカイン液を浸潤させた小ガーゼで鼻内表面麻酔(小児は全身麻酔)→鼻骨整復鉗子(ワルシャム鉗子など)を鼻に入れて整復→数日間の鼻内パッキングガーゼ挿入と1〜2週間のギブス固定(非観血的整復)
【3時間以上経過】
腫脹がひどくことが多く、鉗子が鼻に入らず治療できない。基本的に命に関わる骨折ではないので数日後に再評価し、受傷後5〜10日で鉗子により整復することが多い(非観血的整復)。整復出来ない場合や放置して変形治癒した場合は観血的整復を検討する。
麻酔
整復時、かなり痛いため基本的には全身麻酔を勧める(また、局所麻酔すると整復されたか触ってわかりにくいため1発で整復をしなければならない)。全身麻酔後も同様に上記の局所麻酔を行ってから整復を開始する。
整復
基本的にはまず垂直に持ち上げ、骨折線が上に乗るようにする。
固定
内固定:X線に映る線入りの細長いガーゼを挿入し、1週間後に抜去する(2〜3日で抜けたら再受診、それ以降であれば再受診は不要、抜けたガーゼは持ってきてもらう)
外固定:アルフェンス®・NSなどで鼻を高くするように固定する(端が皮膚に当たらないように折り曲げる)

鼻骨骨折の手術

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