形成外科 Common diseases (頭蓋底骨折:前頭洞骨折、側頭骨骨折)

皮膚科

頭蓋底骨折 Basal skull fracture

病態 頭蓋骨骨折は円蓋部骨折と頭蓋底骨折に分けられる。頭蓋底骨折は、頭蓋円蓋部の骨折が頭蓋底に波及して起こることが多く、他にも下顎への打撃や尻もちによって脊柱と後頭蓋底がぶつかり起こることもある。髄液漏で髄液と入れ替わり空気が頭蓋内に入る場合がある(頭蓋内気腫=気脳症)。好発部位は前頭蓋底の篩板・視神経管・前頭洞、中頭蓋底の錐体骨である(後頭蓋底骨折は非常に稀)。
前頭蓋底 前頭蓋底骨折:篩板・視神経管・前頭洞の骨折
【症状】
①パンダ目徴候、②髄液鼻漏、持続性鼻出血、③嗅覚障害、視力障害
中頭蓋底 中頭蓋底骨折:側頭骨(錐体骨)の骨折
【症状】
①耳介後部の皮下出血(Battle徴候)、②髄液耳漏、耳出血
後頭蓋底  稀
検査 【身体所見】ダブルリングサイン
【画像所見】頭部CT:気脳症
治療 髄液漏(安静)や脳神経麻痺(ステロイド)に対する治療が基本。髄液漏では髄膜炎を合併しやすいため予防のため抗菌薬投与、頭蓋内圧亢進では原疾患治療までに30度の頭位挙上・呼吸管理・抗脳浮腫薬静注、重症例では脳室ドレナージして圧解放。

前頭洞骨折 Frontal sinus fracture

病態 前頭洞骨折は前頭部への直接外力による場合と頭蓋骨骨折が進展する場合がある。前壁に単独骨折が半数以上を占め、次いで前後壁骨折が多く、後壁単独骨折は稀である。
症状 ①眼球運動障害、複視
②嗅覚脱失:前頭蓋底骨折を伴う場合
髄液鼻漏:前頭洞後壁から鼻前頭管、または前頭蓋底から篩骨洞を通るルートがある
検査 【身体所見】
視診:前頭部付近の変形、眼球の位置異常、眼瞼下垂、ダブルリングサイン
【画像所見】
頭部CT:
鼻前頭管の閉塞や狭窄の有無:矢状断で確認、手術適応に関連
前頭蓋底骨折や硬膜損傷の有無:手術適応に関連
後壁骨折の有無:手術適応に関連
④頭蓋内合併症の有無:脳挫傷など
治療
手術の場合、多くの場合は冠状切開よりアプローチして骨折部位を露出するが、骨折範囲が狭く限局している場合は合わせた切開法を選択する
整復

術後

側頭骨骨折(錐体骨骨折) Temporal bone fracture

病態 頭蓋底骨折の一つで、側頭骨の錐体骨部分に長軸の平行な縦骨折と長軸と直行する横骨折に分類される。頻度は縦骨折>>横骨折であるが、両者は混在することもある。
分類 縦骨折:側頭骨の直達外力により生じ、中耳を横切り耳小骨離断を来たすことあり
横骨折:後頭骨骨折から連続して生じ、骨迷路を横切り骨迷路損傷を来たすことあり
症状 ①聴力障害(耳鳴り、難聴)
②顔面神経麻痺
③めまい、頭痛
合併 【血管損傷】
内頸A、内頸V、静脈洞損傷を伴うことがある。そのため、骨折線が頸動脈管、頸静脈孔、静脈洞を近傍を含めて横断する場合、積極的にCTAやCTVを行い血管損傷を評価する。
検査 【身体所見】
①耳介後部の皮下出血(Battle徴候)、②髄液耳漏、耳出血、③ダブルリングサイン
【画像検査】
頭部CT:
縦骨折の場合、①耳小骨離断、②鼓室内液体貯留、③顔面神経損傷の有無を確認

横骨折の場合、①骨迷路損傷、②顔面神経損傷の有無を確認

※顔面神経の走行:内耳道(顔面神経&聴神経)→迷路部で屈曲→内側に向かう大錐体神経と外側に向かう第1膝部→鼓室の横を走行する鼓室部→第2膝部→乳突部→茎乳突孔(出口)→顔面へ分岐
治療 脳神経外科、または耳鼻咽喉科にコンサルト

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