形成外科 Common diseases(慢性皮膚潰瘍)

皮膚科

慢性皮膚潰瘍の処置

多くの場合、創傷は通常の創傷治癒過程が滞ることなく進行して治癒に至る。しかし、この過程の進行が何らかの要因によって阻害され、慢性的な経過を辿ることがある。このような慢性創傷を再び正常な創傷治癒過程に戻すために、創傷面に対して行う準備のことを創面環境調整(WBP:Wound Bed Preparation)という。

①WBPの評価(TIMEコンセプト)

Tissue 壊死組織、異物、生理活性のない組織が創面にあるか?
対処法 創部の洗浄、各種デブリ、NPWTなどの処置が必要
Inflammation/Infection 感染や感染以外の炎症が創面にあるか?
対処法 感染であれば外用抗菌薬や全身的な抗菌薬の投与、慢性炎症疾患であれば局所あるいは全身的なステロイドや免疫抑制薬の使用
Moisture imbalance 創面の乾燥過剰な湿潤があるか?(創傷治癒遅延の原因)ガーゼなど被覆剤に付着する滲出液の量や交換頻度で滲出液の量を評価
対処法 適切な外用薬や創傷被覆剤の使用、NPWTの使用
Epithelial edge advancement 創面の収縮と上皮化の進行状態を示す。治療の2週間後と4週間後に創傷面積が20〜40%減少していれば、治癒が順調に進行していると判断できる

②身体所見

①るいそう 褥瘡の原因
②関節可動域の低下 褥瘡の原因
③四肢の浮腫 静脈やリンパ管の障害、心不全、腎不全、低蛋白血症
④患部の冷感 動脈性の疾患(足背Aや後脛骨Aを触知できるか)
⑤患部の熱感 感染、炎症(滲出液が多い傾向)
⑥患部の乾燥・脱毛 虚血肢(潰瘍あれば滲出液が少ない傾向、潰瘍辺縁が赤い
⑦褐色調の変化
(ヘモジデリン沈着)
静脈性潰瘍(滲出液が多い傾向)
⑧骨露出 骨髄炎の可能性(骨露出なくても瘻孔になっていてゾンデが骨に触れる場合は疑う)

③検査

血液検査 貧血、炎症、低栄養、D-dimer、糖・脂質代謝を評価
組織生検 適切な治療を数週間施行しても反応しない創傷に対して行う
画像検査 創傷の広がりや深さを評価するためCTやMRI

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