口唇口蓋裂の病態
口周囲の解剖
| 表面 | 赤唇以外の口唇を白唇という。![]() |
| 筋肉 | 口唇とその周囲は、口輪筋と9個の表情筋で構成される。![]() 浅層は正中部にて交叉し、真皮に侵入して人中を形成する。 |
| 口腔 | 口蓋帆挙筋(はんきょきん)は軟口蓋を後上方に挙上し、耳管軟骨から起始している口蓋帆張筋(はんちょうきん)は耳管を開放する。![]() |
基本的分類
| ①唇(顎)裂 | 唇顎裂:裂が切歯孔より前方で癒合不全を生じたもの |
| ②口蓋裂 | 口蓋裂:裂が切歯孔より後方で癒合不全を生じたもの。裂の存在部位により硬軟口蓋裂、軟口蓋裂、口蓋垂裂、粘膜下口蓋裂に分類される![]() |
| ③唇顎口蓋裂 | ①+②(唇顎裂と口蓋裂が連続して存在するもの) |
| 痕跡唇裂 | 裂が皮膚表面の線上陥没に留まるもの |
| 不全唇裂 | 裂が口唇に留まり鼻孔まで達しないもの |
| 完全唇裂 | 裂が鼻孔まで達するもの |
発生機序
| 口唇裂 | 胎生期4〜7週ごろに何らかの異常が生じることで口唇裂が発生する。 ●片側唇裂の特徴:口輪筋を主体とする軟部組織の連続性が断たれている。顎裂や口蓋裂を伴うと、健側の上顎歯槽部は前方に転位して、①②鼻尖・鼻柱基部は健側に偏位し、③患側鼻翼の扁平化や④患側鼻翼基部の外下方偏位、⑤キューピッド弓患側頂点の著しい上方偏位が生じる。これらが治療の対象となる。 ●両側唇裂の特徴:骨性の連続性が失われ、中間顎(上顎骨の最も前方にある部分)は上前方に突出し中間顎の口腔前庭も浅くなっている。その結果、①〜③鼻尖や鼻翼が扁平化し、鼻柱が短くなり、④外鼻孔は形成されず、⑤キューピッド弓患側頂点の著しい上方偏位が生じる。これらが治療の対象となる。![]() |
| 口蓋裂 | 口蓋は一次口蓋と二次口蓋からなり、一次口蓋は第7週ごろまでに、二次口蓋は第12週ごろまでに完成する。一次口蓋と二次口蓋のY字型癒合部の一次口蓋最後部を切歯孔という。第9〜12週に両側の外側口蓋突起同士や鼻中隔の癒合が不完全な場合に口蓋裂が発生する。![]() |
術前管理

| ①哺乳問題 | 完全口蓋裂や硬軟口蓋裂では口腔内を陰圧にしにくいため、哺乳が難しい。そのため、出産早期に口蓋床(Hotz床など)を作製・装用し、同時に術前顎矯正を進める |
| ②発音問題 | 言語訓練 |
| ③歯並び | 永久歯が生え始める5歳以降から歯科矯正 |
| ④手術時期 | ①プライマリー:3ヶ月で口唇形成術、1歳半で口蓋形成術+チュービング ※口蓋形成術:早期に軟口蓋を閉鎖することで鼻咽頭閉鎖機能を獲得し、「タ」「パ」などの発音を可能にする。 ※チュービング:口蓋裂患者は耳管機能が未熟で滲出性中耳炎や難聴を伴うことがある。そのため、鼓膜に小さな穴を開けて換気用のチューブを留置する 。 ②二次手術:6〜8歳で顎裂骨移植、12歳以上で口唇鼻形成術 |
術後管理
| ①口腔内診査 | 口蓋創部や骨露出部の被覆剤および保護床の状態を確認 |
| ②飲食確認 | 水分摂取や食事内容(3分粥、5分粥)を確認 |
| ③口腔内衛生 | 口腔内の汚れを確認、血液など汚れがある場合はきれいにする |
| ④抑制帯 | 口腔内に手指を入れたりするのを防止するため肘関節抑制帯など用いる |




●片側唇裂の特徴:口輪筋を主体とする軟部組織の連続性が断たれている。顎裂や口蓋裂を伴うと、健側の上顎歯槽部は前方に転位して、①②鼻尖・鼻柱基部は健側に偏位し、③患側鼻翼の扁平化や④患側鼻翼基部の外下方偏位、⑤キューピッド弓患側頂点の著しい上方偏位が生じる。これらが治療の対象となる。
●両側唇裂の特徴:骨性の連続性が失われ、中間顎(上顎骨の最も前方にある部分)は上前方に突出し中間顎の口腔前庭も浅くなっている。その結果、①〜③鼻尖や鼻翼が扁平化し、鼻柱が短くなり、④外鼻孔は形成されず、⑤キューピッド弓患側頂点の著しい上方偏位が生じる。これらが治療の対象となる。


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