ムンプスウイルス(Mumps virus)

微生物学

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) Mumps

5類感染症。学校保健安全法:唾液腺の腫脹が発現した後5日経過し、かつ、全身状態が良好になるまで登校停止。

疫学 4〜6歳に好発
病態 飛沫感染によって経気道的にリンパ節に感染し、血行的に全身の臓器に広がる。乳幼児では不顕性感染も多い(約80%)。
症状 2~3週間の潜伏期間の後、発熱、耳下腺の腫脹と疼痛、嚥下痛を発症する。
【合併症】
無菌性髄膜炎(最多):稀に後遺症として一側性感音難聴となる(ムンプス難聴
精巣炎15歳以上男子):精巣の萎縮が生じることがあり不妊の原因となる可能性もあるが、多くは片側性で不妊症になることはまれ。
※乳幼児期に罹患する流行性耳下腺炎は不妊の原因とはならない。
卵巣炎(成人女子):数%
膵炎:耳下腺炎で血中アミラーゼが上昇する
おたふく、ずいぶんナンセンス膜炎・聴・巣炎・炎)
検査 血液検査:ムンプスウイルスIgM抗体増加、耳下腺炎によるアミラーゼ↑
PCR法:咽頭ぬぐい液
ペア血清:急性期・回復期の血清を比較してムンプスウイルス抗体4倍以上増加
治療 対症療法
予防 生ワクチンで無菌性髄膜炎を高頻度で起こすため任意接種となっている
(実際の副反応としての無菌性髄膜炎は自然感染より発生率がかなり低く軽症)

急性精巣炎(睾丸炎)

病態 15歳以上の流行性耳下腺炎に罹患した後に起こりやすい(約30%)。
後遺症:精巣萎縮、造精機能障害をきたすことがあり、両側性の場合は男性不妊となる。
症状 ①陰嚢痛・腫脹
②発熱:経尿道的ではないため膿尿はない
検査 【身体検査】
触診:耳下腺炎、精巣の圧痛
治療 安静、精巣の挙上固定、冷庵法

コメント

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