四肢外傷のPrimary survey
外出血と著名な腫脹がないか確認
| ①外出血 | あればまず、圧迫止血する |
| 圧迫止血で止まらない場合は空気止血帯を用い、速やかに専門医へコンサルト | |
| ※空気止血帯 | 圧設定:上肢ならsBP+100mmHg、下肢ならsBP+150mmHg |
| 実施時間:30分程度(2時間まで可能だが筋区画症候群のリスク↑) | |
| ②著名な腫脹 | 拍動性や進行性に増大する血腫を認める場合は主要動脈の損傷を疑う |
四肢外傷のSecondary survey
①問診
| 受傷機転 | 受傷機転から外力の加わった方向・大きさ・部位を類推する |
| 痛みの部位 | 損傷部位の特定 |
| 痛みの程度 | NRS |
②身体所見
自動運動で疼痛なく四肢を動かせる場合、骨折・脱臼・重篤な軟部組織損傷の可能性は低い
| Pulse(脈拍) | |
| 末梢循環の評価 | ①末梢動脈の拍動確認:脈拍の減弱や消失は阻血の可能性![]() |
| ②CRT確認:延長は主要動脈損傷の可能性 | |
| ③冷感・蒼白:阻血の可能性 | |
| Moter(運動) | |
| 運動の評価 | 動かせるか確認→MMT評価 |
| 運動障害:虚血、神経損傷、筋・腱損傷によるものか鑑別 | |
| ※支配神経領域が侵されているか確認 | |
| Sensory(感覚) | |
| 感覚の評価 | 感覚があるか確認 |
| 感覚障害:虚血、神経損傷によるものか鑑別 | |
| ※支配神経領域が侵されているか確認 |
※虚血による運動障害や感覚障害はやや遅れて出現する

開放創
| 汚染度の評価 | |
| 深達度の評価 | |
| 軟部組織損傷の程度 | |
| 抗菌薬予防投与 | ①開放骨折(Gustilo分類Ⅰ〜Ⅱ):ペニシリン、第1世代セフェム系 |
| ②開放骨折(Gustilo分類Ⅲ):上記にアミノグリコシド追加 | |
| ③動物やヒトによる咬傷、汚染物による刺創:嫌気性菌カバー | |
| ④広範囲にわたる皮膚・軟部組織損傷 |
剥皮創
剥皮創:回転体による巻き込みや車による轢過などで生じる創
剥皮創は感染や皮膚壊死に陥る可能性が高いため専門医へコンサルトする
開放骨折
診断したら専門医へコンサルトする。
不適切な治療は感染を生じさせ、骨髄炎となり骨癒合は起こらず多数回の手術が必要となる。
動脈損傷
動脈損傷は患肢を失うだけなく生命予後にも影響するため迅速に診断する
| 穿通性損傷 | ガラスやナイフなど |
| 鈍的損傷 | 骨折・脱臼に合併:骨片による動脈の圧迫を考え速やかに整復する |


四肢外傷で注意すべき合併症
脂肪塞栓症候群
骨折・脱臼の総論を参照
コンパートメント症候群(Volkmann拘縮を含む)
| 病態 | 骨、筋膜、骨膜によって構成される区画の内圧が上昇し、神経障害や筋壊死に至るもの。虚血により組織の浮腫が進行し、さらに筋区画内圧が上昇する悪循環に至る。下腿では前方区画に生じやすく、前脛骨区画症候群という。 原因は骨折、ギプスによる長時間の圧迫、挟まれるなどの外傷(外傷後6~8時間後に起こることが多い)。虚血後4時間で軸索断裂が、虚血後6時間以上続くと神経障害や筋壊死など不可逆的な変化を生じ、予後不良となる(Volkmann拘縮)。 【Volkmann拘縮】 上腕骨顆上骨折などによって前腕の筋区画内圧上昇(コンパートメント症候群)や上腕動脈の直接損傷により上腕動脈の血行障害が起こり、前腕屈筋群の壊死と正中・尺骨N麻痺により生じる拘縮。 |
| 症状 | 初期:激しい疼痛、しびれ感 中期:感覚異常、運動麻痺 末期:冷感、蒼白、末梢動脈の脈拍喪失 ※早期から冷感、蒼白、末梢動脈の脈拍喪失を生じる場合は動脈損傷を鑑別にあげる |
| 検査 | 筋区画内圧30〜40mmHg以上が診断基準の一つ |
| 治療 | ギプスをしていれば除去 症状増悪すれば減張切開(皮膚・筋膜の切開)、壊死した四肢は切断 |


コメント