アミノグリコシド系薬
作用機序 |
リボソームの30sと50sに結合(ストレプトマイシンは30sのみ)し、タンパク質を合成を阻害し、殺菌作用を示す。 |
範囲 |
①腸内細菌科のグラム陰性桿菌に有効 嫌気性菌に無効(アミノグリコシド系は酸素を利用した能動輸送で細胞内に移行するため) また、βラクタム系と併用すると細胞内に移行しやすいため効果が増強する。 |
ADME |
アミノグリコシド系は生体内で分解されず、100%腎臓から排泄される。正常な腎機能では半減期が2〜4時間であるが、腎機能低下者では半減期が延長して副作用が発現しやすくなる。高齢、脱水、K欠乏、利尿薬併用では注意する。 |
副作用 |
①急性腎不全:腎排泄型のため、尿中濃度は血中濃度の25〜100倍となり、近位尿細管の刷子縁に結合して腎皮質に蓄積する。その結果、用量依存性に尿細管壊死を生じる。β2MGと尿中NAGを測定して、腎障害があれば早期中止する(可逆的)。 ②第8脳神経障害:内耳のリンパ液に蓄積し、不可逆的に外有毛細胞を破壊する。血縁者に難聴者がいる場合は投与禁忌!不可逆的な感音難聴・平衡機能障害とならないよう定期的な聴力検査を実施する必要がある。 ③妊婦に原則禁忌:胎児に聴覚障害を生じさせる可能性があるため。 ④神経筋接合部遮断作用:麻酔薬との併用により薬剤誘発性筋無力症を引き起こす。特に急速に静注した場合に生じやすい。 |
Ⅰ群:もっぱら抗結核菌薬として使用
一般名 |
先発名 |
特徴 |
ストレプトマイシン (SM) |
【後】硫酸ストレプトマイシン注 |
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カナマイシン (KM) |
【後】カナマイシンCP/注 |
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Ⅱ群:緑膿菌を除くグラム陰性菌に広く作用
一般名 |
先発名 |
特徴 |
フラジオマイシン:FRM |
ソフラチュール |
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フラジオマイシン・トリプシン配合 |
フランセチン・T |
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【Ⅲ群:広い抗菌スペクトルで抗緑膿菌作用もあり】
フロセミドの利尿作用により脱水が起こり,内耳にある外有毛細胞内でアミノグリコシド(ゲンタマイシン)の濃度が上昇して細胞壊死を起こし,難聴となる
一般名 |
先発名 |
特徴 |
ゲンタマイシン:GM |
ゲンタシン軟膏 |
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トブラマイシン:TOB |
トブラシン トービイ |
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ジベカシン:DKB |
パニマイシン |
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アミカシン:AMK |
アミカマイシン |
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イセパマイシン:ISP |
エクサシン |
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【Ⅳ群:抗MRSA作用】
一般名 |
先発名 |
特徴 |
アルベカシン:ABK |
ハベカシン |
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【Ⅴ群:抗ペニシリナーゼ産生淋菌に作用】
一般名 |
先発名 |
特徴 |
スペクチノマイシン:SPCM |
トロビシン |
淋菌の特効薬 |
マクロライド系薬
クレアチニンクリアランスが10mL/min以上であれば使用できる。
作用機序 |
リボソームの50sに結合し、タンパク質を合成を阻害し、静菌作用を示す(高濃度では殺菌作用を示す)。 |
適応 |
レジオネラ、マイコプラズマ、クラミジア、リケッチア、百日咳、カンピロバクター (百日咳、カンピロバクターを除くグラム陰性菌には無効) |
副作用 |
①軽度の消化器症状:主に下痢や悪心嘔吐など ②まれにQT延長 |
【14員環系】
一般名 |
先発名 |
特徴 |
エリスロマイシン (EM) |
エリスロシン |
胃平滑筋のモチリン受容体を刺激し、胃運動を促進するため胃麻痺にも有効。 【欠点】胃酸で分解されやすい 【ADME】CYP3A4を不可逆的に阻害 |
クラリスロマイシン (CAM) |
クラリス クラリシッド |
気道の粘液分泌抑制、好中球遊走因子抑制による抗炎症を持つため、びまん性汎細気管支炎・気管支拡張症・慢性副鼻腔炎に低用量で長期使用される。 【ADME】CYP3A4を不可逆的に阻害 |
ロキシスロマイシン 150mg (RXM) |
ルリッド錠 |
【欠点】エルゴタミンと併用禁忌。血小板減少症を生じることがあるため定期的に検査必要。 【適応】化膿性炎症を伴う痤瘡 |
【15員環系】
一般名 |
先発名 |
特徴 |
アジスロマイシン(AZM) |
ジスロマック |
半減期が66時間と長く、初日に高用量投与する。組織移行性が高い。ジスロマックSRは必ず空腹時服用。 【ADME】CYP3A4を不可逆的に阻害 |
【16員環系】
一般名 |
先発名 |
特徴 |
ジョサマイシン:JM |
ジョサマイ |
赤痢菌に有効 |
スピラマイシン:SPM |
アセチルスピラマイシン |
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【18員環系】
一般名 |
先発名 |
特徴 |
フィダキソマイシン:FDX |
ダフクリア |
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テトラサイクリン系薬
作用機序 |
リボソームの30sに結合し、タンパク質を合成を阻害し、静菌作用を示す。 |
適応 |
リケッチア、クラミジア、マイコプラズマ |
注意 |
①妊婦・小児に原則禁忌:骨や歯に沈着して骨の発育障害、歯牙黄染、エナメル質形成不全をきたすため。 ②2・3価の金属とキレートを形成し、消化管吸収低下。 ③菌交代症を起こしやすい。光線過敏症。胃粘膜刺激により悪心嘔吐。 |
一般名 |
先発名 |
特徴 |
テトラサイクリン:TC |
アクロマイシン |
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オキシテトラサイクリン+ポリミキシンB配合 |
テラマイシン |
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デメチルクロルテトラサイクリン |
レダマイシン |
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ドキシサイクリン:DOXY |
ビブラマイシン |
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ミノサイクリン:MINO |
ミノマイシン |
痤瘡の悪化・再発時に使用されることがある。 【欠点】服用2〜6週間後に薬疹(DIHS)を起こすことがある。 |
チゲサイクチン:TGC |
タイガシル |
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リンコマイシン系薬
作用機序 |
リボソームの50sに結合し、タンパク質を合成を阻害する。 |
適応 |
偏性嫌気性菌、グラム陽性菌 |
注意 |
偽膜性大腸炎:ディフィシル菌による菌交代症によって高頻度に起こる。 |
一般名 |
先発名 |
特徴 |
リンコマイシン (LCM) |
リンコシン |
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クリンダマイシン (CLDM) |
ダラシン ダラシンS |
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ストレプトグラミン系薬
一般名 |
先発名 |
特徴 |
キヌプリスチン・ダルホプリスチン配合 |
シナシッド |
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オキサゾリジノン系薬
リボソームの30sと50sに結合し、タンパク質を合成を阻害する。
一般名 |
先発名 |
特徴 |
リネゾリド:LZD |
ザイボックス |
【副】高頻度に血小板減少 |
テジゾリド:TZD |
シベクトロ |
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クロラムフェニコール系薬
作用機序 |
リボソームの50sに結合し、タンパク質の合成を阻害し、静菌作用を示す。 |
注意 |
①再生不良性貧血:造血器障害 ②グレイ症候群:新生児はグルクロン酸抱合能が低く、薬物血中濃度が急上昇して急性循環不全を来し、皮膚が灰白色になることがある。そのため新生児に投与禁忌) |
一般名 |
先発名 |
特徴 |
クロラムフェニコール |
クロロマイセチン クロマイ |
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クロラムフェニコール+フラジオマイシン |
クロマイP |
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クロラムフェニコール コハク酸エステルNa |
クロロマイセチンサクシネート |
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