文章の基礎
常体と敬体
常体(だ、である) | 公的な文章に用いる |
敬体(です、ます) | 特定の人にあてて書く場合に用いる |
読点の位置
関係の深い語句同士をまとめ、関係の浅い語句を切り離すために読点を用いる。
① | 主語が長くなったときに、主語の後に打つ。 |
② | 重文で、接続助詞の後に打つ。例:日本は高齢化しているが、それは少子化と関係がある。 |
③ | そして、しかし、などの接続詞の後に打つ。 |
④ | 名詞などを列挙する場合に打つ。 |
「は」と「が」の使い分け
①新情報と旧情報 | 主語が新情報なら「が」、旧情報なら「は」となる 例:ある人が言った、気をつけてと。その人は優しかった。 |
②従属節と主節 | 従属節の主語は「が」、主節は「は」もしくは「が」となる 例:夏休みが終わったとき、僕はまだ海外にいた。 |
行く先を示す「へ」と「に」の使い分け
へ | 出発点から移動の方向を表す | あそこへ行こう(これから向かう状態) |
に | 移動先の帰着点を表す | あそこに行こう(着いたときの状態を想像して) |
場所を示す「で」と「に」の使い分け
で | 人の意思による行為 | キャンプ場でBBQをする |
に | 物のある状態 | キャンプ場にBBQをする場所がある |
評論文を読む方法
論理とは物事を考えるときの筋道のことで、他者意識が強いほど自然に発生する。他者意識とは、たとえ家族であろうとも、お互いに個別の人間である限り、そう簡単には分かり合えないという意識である。
文章は読み手が不特定多数であるため他者意識を最も強く意識して書かれたものある。よって、文章を読むというのは、筆者の立てた筋道を理解することに他ならない。
論理的読解の3つのポイント | |
① | 一文の中での論理的関係 ⇨主語、述語、目的語などを言葉の規則を意識 |
② | 文と文、文と語句との論理的関係 ⇨接続語が順接、逆接、イコールの関係であるか意識 |
③ | 筆者の主張の論理的展開 ⇨主張がイコールの関係、対立関係であるかを意識 |
①一文の中での論理的関係
主語+述語(+目的語)以外は飾りなので、そこを読み取れば一文の要点を掴み取ることができる。
主語→述語→目的語、副詞→動詞、形容詞→名詞といったように、つながる場所を意識して一文の論理的関係を把握する。
自分が強調したい内容は文末に持ってくる!
自立語 | 名詞、動詞、形容詞 |
付属語 | ①語の形が変わらないもの(活用がない)=助詞 ②語の形が変わるもの(活用がある)=助動詞:未来・現在・過去形、可能形など |
【助詞の種類】
代表例 | 意味 | |
格助詞 | が・の・を | 主格を表す |
並立助詞 | の・に | 2つ以上の語を対等の関係で示す |
接続助詞 | 文と文を繋ぐ | |
副助詞 | ばかり・だけ | 副詞のような意味を添える |
係助詞 | は・こそ・でも | 主語と述語の関係性また強調点を示す |
終助詞 | 文に希望・命令などの感動の意を添える | |
間投助詞 | や・か・の・ | 語調を整え、感動・強調などの意を添える |
凖体助詞 | の | 名詞の代わりになる |
②文と文、文と語句との論理的関係
1.指示語(これ・それ・あれ)は直前の文から順次探していく(直前にない場合は直後から探す)。また、指示語は近いところから順次探していく。
2.接続語(接続詞・接続助詞・一部副詞)が順接、逆接、イコールを意識する。
順接 | 原因・理由→結果(因果) | だから、したがって |
結果→原因・理由(理由) | なぜなら、というのは | |
逆接 | しかし | |
イコール | 言い換え(一般化) | つまり、すなわち、いわば |
要約・まとめ | 要するに | |
具体例を提示 | たとえば | |
並列 | 前後が対等の関係 | また、および、ならびに |
累加 | 前文に付け足す | しかも、そして、それに、そのうえ |
選択 | それとも、または、もしくは、あるいは | |
話題転換 | ところで、さて、では、ときに |
3.命題+主旨を見つける。
命題 | 筆者の主張のこと。命題には2つの条件があり、①普遍的・一般的なことであること、②論証責任を必要とすること(読者がそう思ってないことを説明するため)が挙げられる。命題は1つとは限らない。 |
主旨 (要旨) |
筆者の最終結論のことで、主旨は1つしかない。 主旨を語句に縮めたものが見出し(題)である。 |
③筆者の主張の論理的展開
イコールの関係 | 一般的・抽象的なこと(共通事象)→具体的なこと(個別事象) |
比喩 | |
体験 | |
引用 | |
対立関係 | 対比 |
因果関係 | A(原因・理由)→だから・それゆえ・したがって、B(結果) |
小論文の書き方
自分の経験を交えて話すことにより、独創性が生まれる。そして、数値や根拠など具体的・客観的な表現を加えると良い。
小論文の構成①
①問題提起 | Yes、Noを尋ねる問題提起をする。 例:「〜だろうか」「出生前診断することは良いことだろうか」 |
②意見提示 | Yes、Noの立場をはっきりさせ、主に自分の説と反対の意見を示す。 例:「確かに、〜である。しかし、〜」 |
③展開 | Yes、Noの立場をはっきりさせた理由やその対策を述べる。 例:「なぜなら〜」「その背景には〜」「そもそも〜とは、〜」 |
④結論 | もう一度全体を整理して、YesかNoを確認する。 例:「以上より、〜と考える」「したがって、〜と考える」 |
小論文の構成②
①序論 | 与えられたテーマに即して自身が出した結論を示す。 結論の前に、一般論を記載して流れを作っても良い。 |
②本論 | 序論で示した結論について、実体験を踏まえた具体例、客観的データ、他の立場の意見、過去の事例や未来の展望、海外での類似事例などを示して説得力ある主張をする。 |
③結論 | 主張をまとめて、再び結論を示す。 また、問題解決のための提案などがあればここに追加しても良い。 |
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