文化芸術史
日本文化芸術史 | |
縄文時代 | 殷朝の紂王は絶世の美女妲己の術によって王朝を支配され、それを救う物語(封神演義) |
弥生時代 | |
古墳時代 | 【古墳分化】 帝紀:大王の系譜を中心とする伝承 旧辞:朝廷の伝承の編纂 |
飛鳥時代 前半 |
【飛鳥文化】 飛鳥地方を中心とした日本初の仏教文化 <代表的建築物> 飛鳥寺:蘇我氏の氏寺、日本初の本格的な仏教寺院 法隆寺:古代ギリシャ建築と類似したエンタシスの柱が特徴 広隆寺:秦氏の氏寺 <代表的彫刻> 飛鳥寺:日本最古の仏像である釈迦如来像(鞍作止利 作) 法隆寺:金堂の釈迦三尊像(鞍作止利 作)、夢殿の秘仏の救世観音像(ぐぜかんのん)、玉虫厨子、百済観音像 中宮寺:聖徳太子死後に妃らが刺繍した天寿国繍帳(しゅうちょう)、半跏思惟像 広隆寺:半跏思惟像(はんかしゆいぞう) |
飛鳥時代 後半 |
【白鳳文化】 新羅を通して伝えられた唐初期の文化 <代表的建築物> 薬師寺東塔:凍れる音楽と形容され、各層には裳階(もこし)がつけられ、塔先端の火焔状の装飾である水煙(すいえん)には防火の意味が込められている 大官大寺(大安寺):東大寺建立以前の官寺の筆頭だった <代表的彫刻> 薬師寺:金堂の薬師三尊像、東院堂の聖観音像 興福寺仏頭:山田寺の薬師三尊像の頭部と推定されている <代表的絵画> 法隆寺の金堂壁画:敦煌石窟壁画と類似、1949年に大部分が焼失した 高松塚古墳壁画・キトラ古墳壁画:中国や朝鮮半島の影響 <文学> 柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ):歌聖と言われた 額田王♀(ぬかたのおおきみ):万葉集に12首残している |
奈良時代 | 【天平文化】 唐の影響を強く受けた仏教文化 <代表的建築物> 東大寺:校倉造の正倉院、法華堂(三月堂)、転害門 唐招提寺講堂:平城京朝集殿を移築した宮廷建築の唯一の遺構 興福寺:藤原氏の氏寺 <代表的彫刻> 東大寺:法華堂(三月堂)の乾漆像である不空羂索観音像(ふくうけんさく)、塑像である日光・月光菩薩像や法華堂の執金剛神像(しゅうこんごうしん)や戒壇堂の四天王像 唐招提寺:乾漆像の鑑真和上像 興福寺:乾漆像の阿修羅像 <代表的絵画> 薬師寺の吉祥天像:福徳を司る女神を描いた仏画 正倉院の鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ):唐衣装の美女 <文学> 古事記:万葉仮名を用いて日本がどのようにできたか書いた神話で、世界をつくった神の子孫が天皇であると主張したもの(712年完成、稗田阿礼(ひえだのあれ)の暗記を太安万侶(おおのやすまろ)が筆記)。江戸時代に本居宣長が研究をする。 日本書紀:漢文(編年体)を用いて対外的に日本の歴史をアピールするために記したもの(720年完成、舎人親王が編纂)。 風土記:日本各地の地誌。出雲国のみ完全版。 懐風藻(かいふうそう):現存する最古の漢詩集。 万葉集:万葉仮名を用いた日本最古の和歌集(大伴家持が編纂)。 |
平安時代 前期 |
【弘仁・貞観文化】 空海と最澄が導入した新しい仏教文化。 <代表的彫刻> 一本の木で作り、布の皺を表現したものが多い(一木造・翻波式)観心寺如意輪観音像。 <代表的絵画> 仏涅槃図:高野山金剛峯寺にある最古の涅槃図。 両界曼荼羅(りょうかいまんだら):教王護国寺にある曼荼羅。曼荼羅とは大日如来を中心とする密教の世界観を図像化したもの。 <代表的建築物> 延暦寺、金剛峯寺、室生寺(密教寺院) |
平安時代 後期 |
【国風文化】 遣唐使廃止後の日本独自の貴族中心文化。 <文学(ひらがな・カタカナの誕生☆)> 古今和歌集:日本初の勅撰和歌集。紀貫之が醍醐天皇が命じられ編纂。 竹取物語:日本初の物語。かぐや姫が登場。 伊勢物語:超プレイボーイの在原業平(ありわらのなりひら)が主人公の歌物語。 源氏物語:世界最古の長編小説(紫式部著)。全てひらがなで書かれている。式部は藤原道長の娘の家庭教師でもあり、超プレイボーイの光源氏は道長を書いたものと言われている。 枕草子:宮廷生活などを描写した随筆(清少納言著)。納言は藤原道長の兄の娘の家庭教師をしていた。 土佐日記:ひらがなで書かれた日記(紀貫之著)。 大鏡:大宅世継(おおやけのよつぎ)と夏山茂樹(なつやまのしげき)の対話形式による藤原道長の栄華を語った昔語り。大鏡→今鏡→水鏡→増鏡と続く(大根水増し)。 絵巻物:大和絵(=日本的な絵画)と詞書を織り交ぜて描かれた巻物。四大絵巻として、源氏物語絵巻、鳥獣戯画、伴大納言絵巻、信貴山縁起絵巻がある。 梁塵秘抄(りょうじんひしょう):平安末期に貴族間で流行した今様(=当時の流行歌)を後白河法皇が集めた歌謡集。今様を歌いながら舞う男装した女性を白拍子という。 <代表的彫刻> 複数の木を寄せ集めて作られたもの(寄木造)平等院鳳凰堂阿弥陀如来像(常朝作) <代表的建築物> 浄土思想の阿弥陀堂(寝殿造の平等院鳳凰堂、富貴寺大堂、白水阿弥陀堂、浄瑠璃寺本堂、中尊寺金色堂、熊野三山の大社) |
鎌倉時代 | 【鎌倉新仏教】 庶民でもわかりやすい仏教文化。 <文学> 山家集:西行が著した和歌集。 新古今和歌集:後醍醐天皇の命で藤原定家が編纂した勅撰和歌集。定家は小倉百人一首も選定した。 金槐和歌集(きんかい):3代将軍源実朝が著した万葉調の和歌集。 方丈記:鴨長明が著した和漢混合文の随筆。「行く川の流れは絶えずして〜」 徒然草:兼好法師が著した随筆。 平家物語:平家の興亡を書いた軍記物語。 愚管抄(ぐかんしょう):慈円が鎌倉前期までの歴史を道理によって説明した歴史書。 吾妻鏡:鎌倉幕府初代〜6代の歴史書。 <代表的絵画> 蒙古襲来絵詞:肥後の御家人である竹崎季長が描かせた。 <代表的建築物> 重源が東大寺南大門(大仏様)・円覚寺舎利殿(禅宗様)を建築。三十三間堂(和様)。 <代表的彫刻> 東大寺南大門金剛力士像(運慶・快慶作)、六波羅蜜寺空也上人像(康勝作) |
室町時代 前期 |
【北山文化】 公家文化と武家文化が融合した足利義満の時代の文化 <水墨画> 如拙の退蔵院瓢鮎図(ひょうねんず) <能と狂言> 能楽が生まれ観阿弥・世阿弥父子が洗練させ、世阿弥は能の理論書である風姿花伝を書いた。能の合間に狂言が演じられた。 <文学> 神皇正統記:南朝の天皇が正統であると主張した北畠親房が著した歴史書 太平記:南北朝の動乱を南朝の立場から書いた歴史書 <代表的建築物> 鹿苑寺金閣、南禅寺、京都五山(①天竜寺②相国寺③建仁寺④東福寺⑤万寿寺) ※足利義満は南宋の制度にならい、臨済宗の寺院をランク付して南禅寺>五山>十刹の序列とした。 |
室町時代 後期 |
【東山文化】 公家文化と武家文化が融合した足利義政の時代の文化 <水墨画> 雪舟の四季山水図巻・秋冬山水図・天橋立図 <代表的建築物> 慈照寺の銀閣や東求堂(とうぐどう)同仁斎 ※枯山水とは、禅宗寺院で発達した水を使わず砂や石だけで山水風景を表現する方法。大徳寺と龍安寺の枯山水庭園が有名。 |
安土桃山時代 | 【桃山文化】 仏教色が薄れ、大名や豪商による文化 <障壁画> 水墨画や濃絵により襖・壁・屏風に描かれた絵。狩野永徳などの狩野派(洛中洛外図屏風、唐獅子図屏風など)と長谷川等伯などの長谷川派(楓図、松林図屏風など)の絵が有名。 <代表的建築物> 城郭建築、聚楽第跡、都久夫須麻神社本殿、西本願寺飛雲閣 |
江戸時代 前期 |
【元禄文化】 5代将軍の頃、鎖国の始まりによってできた上方(京都・大阪)を中心とした文化 <文学> 奥の細道:松尾芭蕉が著した俳諧 好色一代男/女、日本永代蔵、世間胸算用:井原西鶴が著した小説 近松門左衛門は多くの歌舞伎や浄瑠璃の脚本を記した 竹本義太夫(ぎだゆう)は人形浄瑠璃の竹本座をおこした <芸術> 菱川師宣は見返り美人図を描いた浮世絵の創始者。 |
江戸時代 中期 |
【化政文化】 11代将軍の頃、鎖国が確立してできた江戸を中心とする庶民の文化 <文学> 浮世風呂・浮世床:式亭三馬が著した滑稽本 東海道中膝栗毛:十返舎一九が著した滑稽本 南総里見八犬伝:滝沢馬琴が著した読本 おらが春:小林一茶が著した農村に密着した俳諧 <芸術> 伊藤若冲(じゃくちゅう)は京都で活躍した絵師で、動物綵絵(さいえ)などを描いた。 平賀源内は西洋婦人図を描いたり、エレキテルを発明した。 円山応挙は雪松図屏風など描いた絵師。 歌川広重は東海道五十三次を描き、ゴッホに影響を与えた。 葛飾北斎は富嶽三十六景を描き、世界でジャポニズムブームを起こした。 東洲斎写楽(とうしゅうさい)は役者絵などを描いたが詳細は不明な絵師。 喜多川歌麿は美人画を大成させた絵師。 鈴木春信は錦絵を大成させた絵師。 |
明治時代 | 【文明開化】 <文学> 坪内逍遥:「小説神髄」 二葉亭四迷:言文一致運動、「浮雲」 樋口一葉:「にごりえ」「たけくらべ」 島崎藤村:「破戒」「夜明け前」 森鴎外:「舞姫」「阿部一族」「高瀬舟」 夏目漱石:「坊ちゃん」「こころ」 司馬遼太郎:「坂の上の雲(明治維新〜日露戦争を描いた小説)」 正岡子規:「歌よみに与ふる書」 小泉八雲:耳なし芳一などの「怪談」 <芸術> 黒田清輝:「湖畔」 青木繁:「海の幸」 浅井忠:「収穫」 高橋由一:「鮭」 |
大正時代 昭和時代 |
<文学> 芥川龍之介:「羅生門」 川端康成:「伊豆の踊り子」「雪国」 小林多喜二:「蟹工船」 与謝野晶子:「みだれ髪」 石川啄木:「一握の砂」 志賀直哉:「暗夜行路」「城の崎にて」 平塚雷鳥:雑誌「青鞜」 <芸術> 岸田劉生:「麗子微笑」 高村光雲:「老猿」「西郷隆盛像」 荻原守衛:「女」 横山大観:「生々流転」 安井曾太郎:「金蓉」 滝廉太郎:「荒城の月」を作曲 山田耕筰:「赤とんぼ」を作曲 |
日本学に関する著書
著者 | 内容 | |
菊と刀 | ルース・ベネディクト | 罪の西洋文化と恥の日本文化 |
甘えの構造 | 土井建郎 | 人間関係で個人主義の西洋と甘えあう日本社会 |
タテ社会の人間関係 | 中根千枝 | 内と外意識の強い日本社会 |
風土 | 和辻哲郎 | 東アジアのモンスーン型人間性 |
茶の本 | 岡倉天心 | お茶を通した日本人論 |
武士道 | 新渡戸稲造 | 神道、儒学、仏教をもとに形成された道徳 |
日本再発見芸術風土記 | 岡本太郎 | 日本文化の原点、縄文文化を再発見 |
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