サルモネラ属菌

微生物学

サルモネラ属菌の特徴

サルモネラ属菌には、チフス菌(Salmonella typhi)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)などが存在し、これらはSS寒天培地で培養できる。

サルモネラ属菌は哺乳類、鳥類、ミドリガメなどの腸管内常在菌。

感染侵入型食中毒

病態 サルモネラ菌に汚染された食品(鶏卵、加熱不十分な鶏肉)を摂取し、小腸粘膜上皮細胞やパイエル板のM細胞から侵入する。その後、貪食したマクロファージ内で増殖し、小腸で炎症を起こす。
症状 食物摂取8〜48時間後に腹痛、嘔吐、水様性下痢(血便の場合もある)、発熱
検査
治療 輸液(腸内細菌叢を撹乱するため抗菌薬は基本的に使用しない)

腸チフス・パラチフス(高熱+発疹)

第3類感染症(赤いパチO

【サルモネラ症との違い】
①感染力が高い、②菌血症を起こす

疫学 日本では年間各50人程度発症(ほとんど輸入感染症)
病態 経口感染し、小腸粘膜上皮細胞やパイエル板のM細胞から侵入する。その後、貪食したマクロファージ内で増殖し、リンパ管経由で血中に入り菌血症を起こす。胆石など胆道系疾患を持つ場合、胆道にも侵入して胆嚢にチフス菌が住みつき長期に渡って排菌する。
症状 経口摂取後、10日間以上の潜伏期を経て発症し、回復まで約4週間かかる。
【第1週】発熱
【第2週】脾腫、バラ疹、消化器症状、比較的徐脈(体温上昇に比例した心拍数の増加が生じず、発熱の割に脈拍が少ない状態:体温39℃で脈拍110/分以下)
【第4週】下熱し軽快
検査 【血液検査】好酸球↓白血球↓
治療 ニューキノロン系(クロラムフェニコールには耐性できているものが多い)

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