体液量評価
体液量減少 | 体液量増加 | |
体重変化 体液バランス(in/out) |
減少 マイナスバランス |
増加 プラスバランス |
病歴 | ・経口摂取不良 ・下痢や嘔吐、発熱 ・利尿薬の増量 |
・心不全、肝不全 ・塩分摂取の増加 ・利尿薬の減量や怠薬 |
バイタルサイン | 心拍数増加、脈圧低下 | 血圧上昇 |
身体所見 | 口腔内乾燥、腋窩乾燥 皮膚ツルゴール低下 CRT2秒以上 |
頸静脈怒張 両肺水泡音 心音Ⅲ音、下腿浮腫 |
IVC | 5mm以下、呼吸性変動あり | 20mm以上、呼吸性変動なし |
胸部画像所見 | 心陰影の縮小、IVC虚脱 | 心拡大、肺水腫、胸水貯溜 |
CVP | 5cmH2O未満 | 10cmH2O以上 |
脱水症 dehydration
病態 | 脱水症とは、細胞外液量が減少した状態で、通常水分のみならずNaの喪失を伴う。 脱水症は血清Na濃度によって、等張性(131〜149mEq/L)、高張性(150mEq/L以上)、低張性(130mEq/L以下)に分類することがある。 等張性と低張性脱水は細胞外液の脱水であるが、高張性脱水は細胞内液の脱水で脱水症状が著明に現れず、軽症と診断されることがある。 小児の脱水症では、ほとんどが等張性で、高張性は5%程度、低張性はまれである。 |
症状 | 一般に口渇が初発症状(体重の2%の水分喪失があると出現する) 【高張性の場合】興奮、口渇、高熱! |
所見 | 皮膚ツルゴール低下、口腔内乾燥、腋窩乾燥 |
検査 | 【血液検査】Htやや増加 |
脱水症の分類
低張性脱水 (Na喪失型>水喪失) |
等張性脱水 (混合型) |
高張性脱水 (Na喪失型<水喪失) |
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血清Na濃度 | 130mEq/L以下 | 131〜149mEq/L | 150mEq/L以上 |
基本病態 | 細胞外液が低張となり細胞外→細胞内の水移動が起きる | 低張性と高張性の中間 | 細胞外液が高張となり細胞外←細胞内の水移動が起きる |
症状 | 頻脈、血圧低下(起立性低血圧)、冷感(末梢循環不全)頭痛、悪心嘔吐、意識障害 | 様々 | 口渇、口腔粘膜の乾燥 |
代表的疾患 | 熱傷、利尿薬使用時、Addison病など | 熱傷、出血 | 発熱、発汗過多、下痢、急性腎不全回復期、尿崩症など |
細胞外液の推移 | さらに減少する | 脱水時より不変 | やや緩和される |
細胞内液の推移 | 増加し、細胞浮腫 | 脱水時より不変 | 減少し、細胞脱水 |
治療 | 生理食塩水、乳酸リンゲル液 | 左に同じ | 5%ブドウ糖液 |
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