自己免疫疾患&膠原病治療薬

薬理学

免疫調整薬

免疫抑制薬より効果は劣るが、易感染性などの副作用も少ない

一般名 先発名 特徴
金チオリンゴ酸Na シオゾール注 機序不明。RAの骨破壊を抑制する。
【欠点】皮疹、腎障害、間質性肺炎の副作用
D-ペニシラミン メタルカプターゼCP ①蛋白質変性抑制作用:コラーゲンの分子間架橋を抑制し、SScの線維化を阻止する。
②キレート形成作用:重金属とキレート化合物を生成しその排泄を促進させる。
【欠点】ビタミンB6欠乏:体内のビタミンB6を消費する
ロベンザリット カルフェニール錠  
オーラノフィン 機序不明。RAの骨破壊を抑制する。効果発現まで数ヶ月かかる。
ブシラミン リマチル錠 【欠点】腎障害の副作用あり
アクタリット オークル錠
モーバー錠
 
サラゾスルファピリジン アザルフィジンEN腸溶錠
サラゾピリン錠
適応は潰瘍性大腸炎、RA。効果発現まで約1ヶ月かかる。
【利点】メトトレキサートと同等の効果があり、副作用が少ないので早期に使われることが多い。
メサラジン ペンタサ
アサコール錠
リアルダ錠
 
イグラチモド ケアラム錠
コルベット錠
 
ヒドロキシクロロキン プラケニル錠 I型IFNを抑制する
【利点】皮膚病変・関節炎などの浅部病変によく効く
【欠点】網膜症の副作用があるため定期的に眼科を受診する必要がある。
エトレチナート チガソンCP 【ADME】牛乳と服用するとミセル形成により吸収増大
アプレミラスト オテズラ錠  

免疫抑制薬

ステロイド以外は薬効に個人差があり確実性に乏しいが、安全性の観点では長期使用に向く
効果発現までに時間がかかる(遅効性)。また、効果継続していても急に効果がなくなる場合もある(エスケープ現象)。

代謝拮抗薬(プリン拮抗薬)

一般名 先発名  
アザチオプリン イムラン錠
アザニン錠
 
ミゾリビン ブレディニン錠  
ミコフェノール酸モフェチル
(MMF)
セルセプトCP  

代謝拮抗薬(葉酸拮抗薬)

作用機序 1週間少量間欠投与する場合:葉酸代謝を阻害し、主にリンパ球増殖を抑制する。
AICARを阻害し、炎症局所のアデノシン濃度を上昇させ、アデノシンA2A受容体を介して抗炎症作用を発現する。効果発現までに約1ヶ月かかる。
禁忌 妊婦・授乳婦(催奇形性あり)、骨髄抑制がある患者、活動性結核の患者、高度の肝&腎障害、胸水や腹水等のある患者
副作用 間質性肺炎(元々肺に病変がある患者はハイリスク)
肝障害
骨髄抑制による血球減少→感染症やB型・C型肝炎ウイルスの再活性化に注意
リンパ増殖性疾患(LPD)→悪性リンパ腫を起こす。
一般名 先発名 特徴
メトトレキサート
(MTX)
リウマトレックスCP 1週間に1回6㎎投与を経口投与し、残りの日は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。
【欠点】腎機能障害には禁忌。間質性肺炎、悪性リンパ腫などの副作用あり
【ADME】腎排泄型

代謝拮抗薬(ピリミジン拮抗薬)

一般名 先発名 特徴
レフルノミド アラバ錠 【欠点】間質性肺炎の副作用
【ADME】腸管循環するため半減期は約15日(副作用が出た場合はコレスチラミンを投与し腸管循環を阻害)

免疫抑制薬(アルキル化薬)

一般名 先発名 特徴
シクロホスファミド エンドキサン  

免疫抑制薬(リンパ球増殖抑制薬)

一般名 先発名 特徴
グスペリムス スパニジン点滴静注用  

免疫抑制薬(細胞増殖シグナル阻害薬)

一般名 先発名 特徴
エベロリムス サーティカン錠  

免疫抑制薬(カルシニューリン阻害薬)

作用機序 主にT細胞に存在するNFAT脱リン酸化作用を有するカルシニューリンを阻害し、IL-2の産生を阻害する。
副作用  
一般名 先発名 特徴
シクロスポリン サンディミュン
ネオーラル
【併用禁忌】生ワクチン、スタチン系
【副作用】副作用としては腎障害(電解質異常),肝障害,高血圧,中枢神経障害,易感染性,高血糖など。副作用は血中濃度に依存する.本剤は代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)で代謝され,同じ経路で代謝されるスタチン製剤,Ca拮抗薬など多くの薬剤と相互作用をきたし,これらの併用により血中濃度が変動する.実臨床ではトラフレベル(最低血中濃度)を測定しながら,投与量を調節する.
タクロリムス プログラフCP、グラセプターCP シクロスポリンの100倍の免疫抑制作用を持つ。

免疫抑制薬(JAK阻害薬)

作用機序 免疫細胞内に取り込まれ、JAKを阻害して複数種類のサイトカイン刺激を抑制する。
副作用  
一般名 先発名 特徴
トファシチニブ ゼルヤンツ錠 潰瘍性大腸炎の適応もある。
【ADME】肝代謝型(CYP3A4で代謝されるためGFJの併用注意)
バリシチニブ オルミエント錠 【ADME】腎排泄型(腎機能に応じて用量調節が必要)
ペフィシチニブ スマイラフ錠 【ADME】肝代謝型
ウパダシチニブ リンヴォック錠 【ADME】肝代謝型(CYP3A4で代謝される)

分子標的薬(注射の場合:生物学的製剤)

TNFα阻害薬

一般名 先発名 特徴
インフリキシマブ レミケード点滴静注用 抗TNF-α抗体製剤。ヒト化抗体。
MTXとの併用必須。
エタネルセプト エンブレル皮下注 TNF-α受容体に似た抗体製剤。完全ヒト抗体
週1回注射。
アダリムマブ ヒュミラ皮下注 抗TNF-α抗体製剤
ゴリムマブ シンポニー皮下注 抗TNF-α抗体製剤
4週に1回注射。
セルトリズマブ シムジア皮下注 TNF-αに結合して阻害

IL-6阻害薬

一般名 先発名 特徴
トシリズマブ アクテムラ  
サリルマブ ケブザラ皮下注  

IL-1阻害薬

一般名 先発名 特徴
カナキヌマブ イラリス皮下注  

T細胞選択的共刺激調節薬

一般名 先発名 特徴
アバタセプト オレンシア CTLA4類似薬でCD80/86を阻害してT細胞を不活化する。
【利点】他剤と比べて感染症リスクが低く、呼吸器合併症の患者に使いやすい。

IL-2阻害薬

一般名 先発名 特徴
バシリキシマブ シムレクト静注用  

B細胞標的薬

一般名 先発名 特徴
ベリムマブ ベンリスタ SLEに対する分子標的薬。B細胞刺激因子であるBAFFを阻害し、B細胞活性化を抑制する。

α4β7インテグリン阻害薬

一般名 先発名 特徴
ベドリズマブ エンタイビオ点滴静注用  

IL -12/23阻害薬

一般名 先発名 特徴
ウステキヌマブ ステラーラ  

IL-17阻害薬

一般名 先発名 特徴
セクキヌマブ コセンティクス皮下注  
イキセキズマブ トルツ皮下注  
ブロダルマブ ルミセフ皮下注  

IL-23阻害薬

一般名 先発名 特徴
グセルクマブ トレムフィア皮下注  
リサンキズマブ スキリージ皮下注  

炎症性腸疾患(IBD)治療薬

  • ベタメタゾンリン酸エステルNa
  • プレドニゾロンリン酸エステルNa
  • ブデソニド(ゼンタコートCP、レクタブル注腸フォーム)

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