入院時・術前・術後に行うこと

公衆衛生

入院時

入院時にすべきこと
①入院診療計画書の作成
②指示簿の作成

入院中の合併症予防

① ●VTE予防(静脈血栓塞栓症予防):退院 or 十分に歩行可能になれば終了
Padua予測スコア:4点以上は高リスクで抗凝固薬による予防を推奨、出血リスクが高い場合は間接的空気圧迫法(IPC)を推奨
IMPROVE出血リスク評価:7点以上は出血リスク高い
例)ヘパリンCa 1回5000U、12時間毎に皮下注射
※APTTモニタリングは不要だが、出血傾向を呈している際は評価する
② ●上部消化管出血の予防:退院 or 出血リスク解消されたら終了
消化管出血のリスク因子:高齢、男性、重症疾患、腎不全、血小板5万未満、凝固異常、肝硬変、抗血小板薬・抗凝固薬の使用中
※制酸薬投与により誤嚥性肺炎や偽膜性腸炎のリスクを増大させる可能性あり

身体拘束

定義 一時的に患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限
適応 患者が自身及び他者に危険を及ぼす行為を呈する(3原則全て該当)場合に適応
①切迫性:行動制限しないと生命or身体が危険に曝される可能性が高い
②非代替性:行動制限以外に患者の安全を確保する方法がない
③一時性:行動制限は一時的である
実施 ・適応があると判断した場合はKPに連絡し、経緯と拘束手段を説明
・緊急性がある場合を除き、同意書を取得した上で実施
・身体拘束を実施する旨を医師がカルテに記載
評価 毎日、身体拘束の継続の適応について評価
影響 ・関節拘縮、筋力低下といったADL低下、圧迫部位の褥瘡発生
・不安、怒り、屈辱、PTSDなどの精神的苦痛

入院時に確認する患者背景

ADLの変化

入院前ADL Dressing:着替え
Eating:食事の準備、食形態(常食、きざみ食、ペースト食、とろみ食)
Ambulation:移動
Toilet:排泄(トイレ、ポータブル、おむつ)
Hygiene:入浴
入院時ADL Dressing:着替え
Eating:食形態(常食、きざみ食、ペースト食、とろみ食)
Ambulation:移動
Toilet:排泄(トイレ、ポータブル、おむつ)
Hygiene:入浴

認知機能

長谷川式、MMSE
BPSD

家族状況

同居人の有無
別居家族の有無
家族のサポートの有無 日中は家にいるのか
家族との関係 良好、疎遠、絶縁
キーパーソン

生活状況

住環境 何階で生活、階段やエレベーターの有無、浴槽や家具の配置
衛生環境 ゴミの溜め込みはあるか

社会資源

介護保険
障害者手帳
指定難病受給者証
在宅・通所サービス
福祉用具

医療的事項

喀痰吸引、経管栄養、胃瘻、TPN、褥瘡、血糖測定、インスリン注射、酸素療法、人工呼吸、尿導カテーテル、導尿、透析、薬管理

金銭的事項

生活保護などあれば

入院中

プレラウンド

①病棟表を印刷 To do、夜間イベントを記載
②カルテ確認 夜間イベント、バイタル、検査結果、他職種記録など確認
③ベッドサイド訪問 重症度と緊急度を判断
④ショートプレゼン

退院支援計画の作成と支援

入院後3日以内に「退院困難な要因」の評価と情報収集を行い、入院後7日以内に「退院困難な要因」を有する患者やその家族と退院に関する話し合いを行う。その後、関係職種で退院支援に関するカンファレンスを行い、退院支援計画の作成して患者に交付し、支援を行う。

【退院困難な要因】

1 悪性腫瘍、認知症、誤嚥性肺炎などの急性呼吸器感染症のいずれかであること
2 緊急入院であること
3 要介護状態であることの疑いがあるが要介護認定が未申請であること
4 家族または同居者から虐待を受けているまたはその疑いがあること
5 生活困窮者であること
6 入院前に比べてADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要であること
7 排泄に介助を要すること
8 同居者の有無にかかわらず、必要な養育または介護を十分に提供できる状況にないこと
9 退院後に医療処置が必要なこと(胃瘻などの経管栄養法を含む)
10 入退院を繰り返していること
11 入院治療を行なっても長期的な低栄養状態になっていることが見込まれること
12 家族に対する介助や介護などを日常的に行なっている児童などであること
13 児童などの家族から、介助や介護等を日常的に受けていること
14 その他患者の状況から判断して1〜13まで準ずると認められる場合

【退院困難な患者への支援】

①医療処置に関する指導 インスリン、人工肛門などの管理や手技の習得を支援
②介護保険利用への手続き 介護サービスが利用できるよう支援
③生活保護への手続き 制度が利用できるよう支援
④身体障害者手帳への手続き 制度が利用できるよう支援
⑤転院調整 医療介入が必要な必要な場合、施設サービスを利用する場合
⑥在宅療養への移行支援 自宅へ帰りたい患者の支援

要支援・要介護を申請する必要がある人

要支援1〜2 歩行能力・認知機能がある程度保たれているが社会サービスが必要な人
要介護1 歩行は問題ないが認知機能の低下があり社会サービスが必要な人
要介護3以上 日中をベッド上で生活して起き上がりにも介助を要する人

介護保険の申請

申請条件 65歳以上(40歳以上は特定疾患の場合)
申請検討 社会サービスが必要な場合、今のADLと一致していない介護度の場合
申請手順 ①患者や家族が地域包括支援センター(or 役所)で介護保険申請を行う
②主治医が主治医意見書を作成、役所職員が本人の状態を直接確認(認定調査)
③主治医意見書と認定調査の結果からコンピュータで介護度を一次判定
④一次判定の結果を介護認定審査会で評価し、介護度を最終決定(二次判定)
⑤申請から2ヶ月程度で認定がおり、ケアマネがケアプラン作成

介護主治医意見書の書き方

介護主治医意見書の書き方を参照

ケアマネとは

ケアマネとは 要介護者や要支援者の相談、ケアプラン作成、サービス利用のための連絡調整
ケアマネの仕事 月に1回以上の自宅訪問し、生活課題を分析し、それに応じたケアプランを見直すことを日々繰り返している
ケアマネへ相談 ケアマネは患者の生活状況やサービス利用の月間スケジュールを把握しているため、診療で情報が必要な場合は積極的に連絡する

転院する場合

医療介入が必要な場合の退院先

治療が中心な場合
高度急性期病院 大学病院やがんセンターなど特殊な処置を行う病院
急性期病院 地域中隔病院など一般的な疾患の治療を行う病院
回復期病院 最終的に在宅や施設へ退院を考える場合
①地域包括ケア病棟
在宅復帰に向けたリハビリや社会調整を行う病院(最長入院60日)
リハビリの頻度は一般病棟と同じ1日2単位の40分程度が多い
②回復期リハビリテーション病棟
脳卒中など特定疾患後に在宅復帰目的の重点的なリハビリを行う病棟
毎日3時間程度のリハに耐えられる人が入院適応(透析患者は不可)
慢性期病院 慢性的に医療介入が必要で在宅は困難な場合
①医療療養型病棟
病状が慢性期になり長期的な介護医療措置が必要なった場合の病院
急変時のコードが決まっている必要あり、終生入院は確約されていない
②介護療養型医療施設(分類上は施設サービス扱い)
病状が慢性期になり長期的な介護医療措置が必要なった場合の施設
医療措置が必要なため特養に入れないが医療療養型病棟に入院できない人
要介護1から適応だが、実際は要介護4〜5がほとんど
その他の病院 ①緩和ケア病棟(ホスピス)
苦痛緩和を行い患者が自分らしく過ごせるようサポートする病棟
患者にがん未告知では入院できない、希望してから入院まで1ヶ月程度必要
②精神科病棟
精神疾患のあらゆる症状に対して入院が必要な際の病棟
③障害者病棟
重度の身体障害者や筋ジスなど神経難病を患っている人が入院できる病棟

施設サービスを利用する場合

施設の種類 介護度 特徴
公的 特別養護老人ホーム(特老) 要介護3以上 常時介護を必要とし、在宅療養困難な人が終の棲家として利用する施設
介護老人保健施設(老健) 要介護1以上 入院は不要だがリハビリを必要とする人が一時的に入る施設
民間 介護付き有料老人ホーム 自立〜重度介助 常駐スタッフによる介護あり
住宅型有料老人ホーム 自立〜軽度介助 訪問看護を利用できる
健康型有料老人ホーム 自立 介護が必要になると退去
サービス付き高齢者向け住宅 自立〜軽度介助 ヘルパー付き高齢者住宅

在宅療養を希望する場合

在宅療養への移行支援が必要な場合

① 医療管理・医療処置が退院後も必要となる
② ADL・IADLが低下し自立した生活が送れない
③ がんや難病のように進行する症状を抱えながらの療養が継続する
④ 在宅医療に問題があり再入院を繰り返す
介護保険を申請・利用しながら、訪問診療・訪問看護などを調整する
上記を踏まえ、在宅医・訪問看護師・ケアマネなどの多職種で退院前カンファを行う

地域密着サービスを利用する場合

施設の種類 介護度 特徴
小規模多機能型住居介護 要支援1以上 施設を利用しつつ、ときどき在宅に戻りたい人向けの生活支援施設
認知症グループホーム 要支援2以上 認知症はあるがADLがある程度保たれている人がスタッフと家事を行いながら家庭的な生活をする場

居宅介護サービスを利用する場合

訪問 訪問看護、訪問入浴介護、訪問介護、訪問リハビリ
通所(デイ) 通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)
ショートステイ 自立支援と介護家族の休息を目的とし、原則30日まで利用可能
その他 特定施設入所者生活介護、福祉用具貸与、住宅改修費など

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