皮膚科 Common diseases(皮膚軟部組織感染症)

皮膚科

皮膚軟部組織感染症(SSTI)の概要

皮膚=表皮+真皮、軟部組織=皮下組織+筋肉

①問診

発症時期 蜂窩織炎は数日単位の経過で、壊死性筋膜炎は数時間単位の経過で悪化
曝露歴 職業歴、動物との接触、淡水海水曝露など必ず確認し、該当すれば特殊な起因菌を疑う

どの深さに感染が起きているか推定する

②感染経路を探す

皮膚軟部組織では必ず侵入門戸を探す

丹毒

真皮の感染症。溶連菌が多いが、黄色ブドウ球菌などでも発症する。

蜂窩織炎(蜂巣炎)

病態 黄色ブドウ球菌や溶連菌による皮下脂肪組織の感染症。軽微な外傷や足白癬傷口などから細菌が侵入することで発症する。壊死性筋膜炎の発症に注意する!
症状 蜂窩織炎は数日単位の経過で悪化し、壊死性筋膜炎は数時間単位の経過で悪化する傾向
①全身症状:発熱、悪寒
②境界不明瞭な硬結を有する紅斑単発・片側性)、熱感腫脹、拍動性疼痛
※LRINECスコア6点以上の場合は壊死性筋膜炎の可能性あり
※蜂窩織炎は圧痛はあるが自発痛がないことが多い
検査 【血液検査】
WBC↑
【画像検査】
エコー:①病変部位の皮下組織の肥厚や間質の液体貯留、②敷石状変化、③膿瘍を示唆する低エコーの液体貯留の有無
治療 【薬物療法】
セファレキシン(ケフレックス®)500mg 1日3回 7〜10日間内服
【皮下膿瘍がある場合】
ドレナージ

壊死性筋膜炎

疫学 溶連菌は健常者に、嫌気性菌は糖尿病・肝硬変など基礎疾患のある人に好発
病態 外傷や熱傷などを契機に発症する皮下組織の浅層筋膜(皮下脂肪組織と固有筋膜の間)の急性感染症。壊死性筋膜炎ではガス壊疽と異なり筋組織は侵されない。 原因菌は溶連菌、黄色ブドウ球菌、嫌気性菌、腸内細菌など。 ときに劇症型溶連菌感染症、Vibrio vulnificus感染症の一症状として見られる。
【フルニエ壊疽】
男性の陰部に生じる壊死性筋膜炎はフルニエ壊疽とよばれ、激痛を伴う紅斑・腫脹、潰瘍がみられる。
症状 蜂窩織炎は数日単位の経過で悪化し、壊死性筋膜炎は数時間単位の経過で悪化する傾向
①激痛を伴い硬結を有する紅斑→水疱・紫斑・壊死
②ときに表面に光沢を有する
③高熱、全身倦怠感
重症例ではショック、DIC、多臓器不全
検査 【グラム染色】
【LRINECスコア(壊死性筋膜炎の早期診断の補助)】
CRP、白血球数、Hb、血清Na、血清クレアチニン、血糖値の6項目を評価
治療 抗菌薬大量投与、速やかな局所切開およびデブリドマン

ガス壊疽(壊死性筋膜炎+皮下気腫)

病態 【Clostridium性ガス壊疽】 ウェルシュ菌の芽胞などガス壊疽菌群が創傷に侵入し、血行不全などで嫌気状態となったとき発芽して外毒素を産生する。この外毒素は蛋白分解酵素のためガスを伴い急激に筋組織を融解し壊死させる(ガス壊疽)。毒素が血中に入るとDICをきたし多臓器不全となる。
【非Clostridium性ガス壊疽】 糖尿病、閉塞性動脈硬化症など基礎疾患を持つ人に大腸菌、クレブシエラなどが皮下に限局して感染する。緩徐に進行するのが特徴。
症状 ①筋肉の激痛(ガスによる腫脹)
②皮下気腫:圧迫すると握雪感
③皮膚黄色〜青銅色に変色
④切開した滲出液は著しい腐敗臭(非Clostridium性の場合は臭気あり)
検査 【画像検査】
X線:皮下組織や筋肉内にガス像
治療 ①感染・壊死組織を開放+創部の洗浄+除去(デブリドマン)
②高圧酸素療法+ペニシリンG高用量を点滴静注
③最終手段として患肢切断

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