臭汗症、腋臭症、多汗症

皮膚科

臭汗症

臭汗症:汗に臭気を伴うものの総称

エクリン臭汗症 ニンニクや香辛料などの摂取によりエクリン汗に臭気を帯びる
エクリン汗腺は、コリン作動性
アポクリン臭汗症 代表的なものとして、腋臭症(いわゆる、わきが)がある
アポクリン汗腺は、アドレナリン作動性

アポクリン臭汗症(腋臭症)

疾患の概要

病態 アポクリン汗自体は無臭だが、皮膚常在菌により分解されて低級脂肪酸や揮発性ステロイドが生じ、これが臭気の源となる。アポクリン腺は思春期頃から発達し、精神的興奮や運動によって発汗は増加する。
部位 アポクリン汗腺は腋窩、外耳道、乳輪、肛門などに限られる

疾患の診断

ガーゼテスト 脇にガーゼを挟み、15分ほど軽い運動や汗ばむ活動をする
評価

疾患の治療

手術 保存的療法で満足が得られない場合に皮弁法(切除剪除法)を行う
IC ①臭いは術前より減少するが、他のアポクリン腺は残存するため、体臭は0にはならない
②創縁壊死の可能性:皮弁を薄くし過ぎると生じるが、約1〜2週間で治癒する
③血腫:タイオーバーを越えて皮下出血斑がです場合がある
④瘢痕拘縮:皮弁の収縮や拘縮が生じ、剥離部は4cm程度の皺状の凹凸を呈する
⑤腋毛は減少する

多汗症

疾患の概要

病態 エクリン発汗が亢進している疾患で、全身性と局所性に分類される。
①全身性多汗症:高温多湿の環境、運動時、交感神経緊張時に、生理的に多汗になる。甲状腺機能亢進症、糖尿病、低血糖、感染症、神経変性疾患、悪性リンパ腫といった疾患を有する場合や、薬剤、妊娠、肥満などによっても多汗となる。特段の原因のない特発性の全身性多汗症も存在する。
②局所性多汗症:手掌、足底、腋窩、顔面など、体の一部に限局性に多汗が見られる。緊張や運動などで増悪することが多い(情緒性発汗)。安静時でも蒸発量を越えた発汗を生じることが多く、QOLの低下をきたす。腋窩多汗症は全身の多汗を伴わず、手掌の多汗をしばしば伴う。

疾患の診断

重度多汗症の診断
発汗テスト MInor法

疾患の治療

外用薬 ①塩化Al溶液:収斂作用により毛穴を閉じ発汗抑制+殺菌作用
用法:1日1回就寝前に塗布し、翌朝水洗いするか濡れたタオルで拭き取る
副作用:皮膚炎を生じることがあり、外用中止とステロイド外用を行う
②ソフピロニウム(エクロックゲル®):エクリン腺のM3を阻害し発汗抑制
禁忌:閉塞隅角緑内障、前立腺肥大による排尿困難
用法:1日1回入浴後に腋窩に塗布(夜忘れたら朝塗っても良い)。効果は薬液が残っている間だけ持続する。また、効果出現には個人差があるためすぐに効果が出る人もいれば数週間かかる人もいる。
副作用:皮膚炎、口渇・羞明など抗コリン作用が出たら使用中止する
③グリコピロニウム(ラピフォートワイプ®):エクリン腺のM3を阻害し発汗抑制
禁忌:閉塞隅角緑内障、前立腺肥大による排尿困難
用法:1日1回入浴後に腋窩に塗布(夜忘れたら朝塗っても良い)。効果は薬液が残っている間だけ持続する。また、効果出現には個人差があるためすぐに効果が出る人もいれば数週間かかる人もいる。
副作用:皮膚炎、口渇・羞明など抗コリン作用が出たら使用中止する
④オキシブチニン(アポハイドローション®):エクリン腺のM3を阻害し発汗抑制
禁忌:閉塞隅角緑内障、前立腺肥大などによる排尿困難、重症筋無力症
用法:1日1回就寝前に手掌に塗布し、翌朝水洗いするか濡れたタオルで拭き取る
副作用:皮膚炎、口渇・羞明など抗コリン作用が出たら使用中止する
内服薬 プロパンテリン(プロ・バンサイン®):抗コリン作用
用法:1日3〜4回 1回1錠 頓服でも可
禁忌:閉塞隅角緑内障、前立腺肥大などによる排尿困難
副作用:眠気を生じるため運転など危険を伴う機械の操作のある人には処方しない
注射薬 ボツリヌストキシン(ボトックス®):エクリン腺のAChの放出を抑制し発汗抑制
禁忌:重症筋無力症、妊婦・授乳婦(男性側も同様)
手術 保存的療法で満足が得られない場合に腋臭症と同じ皮弁法(切除剪除法)を行うが、腋臭症に比べて改善は少ないため慎重に判断する

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