概要
飛沫感染、接触感染、糞口感染により以下の疾患を引き起こす。
疾患 | 好発年齢 | |
呼吸器 | 肺炎(小児肺炎の約10%)、急性気管支炎 | 乳幼児期 |
消化器 | 胃腸炎 | 乳幼児期 |
泌尿器 | 出血性膀胱炎 | 小児期 |
眼 | 咽頭結膜炎、流行性角結膜炎 | 全年齢 |
咽頭結膜炎(プール熱) PCF
5類感染症。学校保健安全法:主要症状消退後2日経過するまで登校停止。
疫学 | 小児に好発。夏に流行。 |
病態 | アデノウイルス(主に3型:ぷ)が粘膜上皮細胞や局所リンパ節に侵入して増殖する。 |
症状 | 潜伏期間約1週間の後、以下の症状が3〜4日続く(流行り目と比較して短い)。 ①発熱+咽頭痛+急性濾胞性結膜炎(軽度の結膜充血)←名前のまんま! ②耳前リンパ節腫脹:ウイルス性結膜炎の特徴 |
検査 | 【身体検査】 触診:耳前リンパ節腫脹を確認 |
治療 | 3週間以内に自然治癒する。細菌の混合感染を防ぐために抗菌薬の点眼を行う。 |
予防 | ①他人との接触を避ける(学生は主要症状消退後2日経過するまで出席停止、プールは厳禁。成人の場合も原則出勤停止が望ましいが、法的な定めはないため、接触感染により感染が広がる可能性を説明し会社と相談してもらうことが多い) ②患者の手指の洗浄消毒(特に点眼後) ③接触物の消毒、タオルを共有しない、入浴は最後! |
流行性角結膜炎(はやり目) EKC
5類感染症。学校保健安全法:医師が感染の恐れがないと認めるまで登校停止(結膜炎症状消失後も1〜2週間感染力が残っているため)。
疫学 | 夏に流行。 |
病態 | アデノウイルス(主に8型:はやり)が粘膜上皮細胞や局所リンパ節に侵入して増殖する。季節に関係なく発症する。眼圧計などを介した院内感染の可能性もあるので注意する。 |
症状 | 潜伏期間約1週間の後、以下の症状が2〜3週間続く(プール熱と比べて長い)。 ①急性濾胞性結膜炎:強い結膜充血 ②角膜上皮下混濁:点状表層角膜炎 ③耳前リンパ節腫脹:ウイルス性結膜炎の特徴 ④高度の眼脂と流涙 |
検査 | 【身体検査】 触診:耳前リンパ節腫脹を確認 |
治療 | 3週間以内に自然治癒する。細菌の混合感染を防ぐために抗菌薬の点眼を行う。 角膜上皮下混濁がある場合:視力障害をきたす恐れがあるためステロイド点眼 |
予防 | ①他人との接触を避ける(学生は感染のおそれがないと判断できるまで出席停止、プールは厳禁。成人の場合も原則出勤停止が望ましいが、法的な定めはないため、接触感染により感染が広がる可能性を説明し会社と相談してもらうことが多い) ②患者の手指の洗浄消毒(特に点眼後) ③接触物の消毒、タオルを共有しない、入浴は最後! |
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