ロタウイルス(Rotavirus)

微生物学

冬季乳幼児嘔吐下痢症(小児仮性コレラ)

疫学 生後6ヶ月〜2歳に好発、冬〜春に流行。
病態 経口感染して小腸絨毛の上皮細胞で増殖する。そして腸管毒素(エンテロトキシン)であるNSP4の作用によって上皮細胞の小胞体からCaイオンが細胞質に放出され、細胞内のCaイオン濃度が上昇する結果、腸管からのNaイオンや水の吸収が阻害され、白色便を呈する。
症状 1~4日の潜伏期間の後、突然の発熱、嘔吐、1週間続く白色〜黄白色の水様便が起こる。脱水によって循環血液量減少性ショックを起こすことがある。
合併症として痙攣、脳症、髄膜炎を起こす。
検査 糞便中のウイルス抗原検出
治療 対症療法、脱水に対する補液(経口補液ORS)
予防 生ワクチンを定期接種。接触感染のため手洗いを徹底する。消毒には次亜塩素酸を用いる(エタノールは無効)。

コメント

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