(骨格)筋弛緩薬

薬理学

中枢性筋弛緩薬

一般名 先発名 特徴
メトカルバモール ロバキシン  
プリジノール ロキシーン  
クロルフェネシン リンラキサー  
エペリゾン ミオナール  
アフロクアロン アロフト  
チザニジン テルネリン 【ADME】喫煙によりCYP1A2を誘導し、薬効減弱
バクロフェン リオレサール
ギャバロン
 

末梢性筋弛緩薬(神経筋接合部に作用)

全身麻酔時や気管挿管時の筋弛緩に使用する。吸入麻酔薬は一般に非脱分極性筋弛緩薬の作用を増強させる。そのため手術中に併用する場合は筋弛緩薬の量は減少可能。

【筋弛緩状態の確認】

筋弛緩モニタリング装置によって筋弛緩状態を数値化するものとして四連反応比刺激(TOF)があり、母指内転筋に装着する。筋弛緩からの回復はTOF比(T4/T1)=0.9以上が目安となる。

脱分極性筋弛緩薬

作用機序 ACh類似体。神経筋接合部のNM受容体に持続的結合し脱分極したままとなるため骨格筋が弛緩する。具体的には、まず投与1分以内に一過性の筋線維束収縮を認め、その後筋弛緩が持続して5分後に効果消失する(PhaseⅠblock)。頻回投与により脱感作ブロックへと移行すると作用時間が著しく遷延する(PhaseⅡblock)。
禁忌 悪性高熱の既往・家族歴
重症熱傷・神経筋疾患・腎不全など併存する場合は高K血症になりやすいため禁忌
緑内障(外眼筋収縮により眼圧上昇)
一般名 先発名 特徴
スキサメトニウム
(サクシニルコリン)
レラキシン注 【利点】作用発現が早く、作用持続時間が短いため挿管に適する(PhaseⅠblock)。
【欠点】麻酔の維持には不適(PhaseⅡblock)。
悪性高熱や術後筋痛の副作用があるため現在ではあまり使われていない。

悪性高熱治療薬(解毒)

一般名 先発名 特徴
ダントロレン ダントリウム静注 筋小胞体からのCa放出を抑制すると考えられている

非脱分極性筋弛緩薬(ステロイド系筋弛緩薬)

作用機序 神経筋接合部でアセチルコリン受容体を競合的に遮断して脱分極を阻害する。
副作用 重症筋無力症・筋無力症候群には禁忌
一般名 先発名 特徴
ベクロニウム マスキュラックス 短時間作用性(3~5分)で、約30分持続する。
肝代謝型のため、腎機能障害時でも使用できる。
ロクロニウム エスラックス ベクロニウムの誘導体。多くは胆汁排泄される。持続投与可
超短時間作用性(1~2分)で、約30分持続する。
【欠点】アナフィラキシーショックの副作用がやや多い

筋弛緩拮抗薬(解毒・リバース)

一般名 先発名 特徴
スガマデクス ブリディオン ステロイド系筋弛緩薬を包接して尿中排泄させる。その結果、投与2分で効果発現し、非脱分極性筋弛緩薬の筋弛緩から回復させる。
他のChE阻害薬(ネオスチグミンなど)と異なりアトロピンの併用は不要かつ、より深い筋弛緩状態でも拮抗が可能。

毒素型筋弛緩薬

一般名 先発名 特徴
A型ボツリヌス毒素 ボトックス
ボトックスビスタ
神経終末からのAch放出を抑制する
B型ボツリヌス毒素 ナーブロック  

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