成長と発達
発育
発育 = 成長(形態的変化)+ 発達(機能的成熟=言語・運動などができるようになる)
【発育指数】
計算 | 基準値 | |
Kaup指数 | 体重(kg)÷身長2(m):乳幼児版BMI 意義:乳幼児の栄養状態の評価指数 |
15〜18 (いい子でいいや) |
Rohrer指数 | (体重(kg)÷身長3(m))×10 | 110〜160 |
小児の肥満度 | 肥満度(%):(実測体重ー標準体重)/標準体重×100 | 15%〜20%以下 |
発達指数 |
(発達年齢/生活年齢)×100 例:一般に3ヶ月で定頸/首が6ヶ月で定頸=50% |
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【小児の発育区分】
新生児期 | 出生〜生後28週未満 |
乳児期 | 出生〜1歳未満 |
幼児期 | 1歳〜6歳未満 |
学童期 | 6歳〜12歳未満 |
思春期 | 二次成長期間(女児:10歳前後、男児:11歳前後) |
Scammon発育曲線(小児期の体の各器官の成長パターン)
一般型 | 身長や体重など新生児期〜乳児期、思春期に大きく成長するパターン |
リンパ系型 | 免疫力発達に伴い約10歳でピーク(成人の2倍)となり、その後減退するパターン |
神経系型 | 生後3年で成人の80%、10歳過ぎには約100%に達するパターン |
生殖器型 | 思春期以後に急速に成長するパターン |
胎児はほぼ無菌状態で母体内で成長するが、出生後は直ちに無数の微生物に遭遇し、微生物は速やかに鼻腔、口腔、大腸、皮膚などに定着して正常細菌叢を形成する。この正常細菌叢は体内に侵入を試みるたびに宿主の免疫機構を刺激するので、発育とともに免疫力が向上する。また、正常細菌叢の存在は病原性の強い微生物の侵入を妨げる作用もある。
身体発育(体重、身長、体表面積)
身長は全身の発育、体重は栄養状態、頭囲は脳の発育を反映する。母子健康手帳にある成長曲線(パーセンタイル曲線)の3〜97パーセンタイル(=SD±2)に収まれば正常な発育と言える。
体重は出生後約4日間で10%減少するが、1〜2週間で出生体重に戻る(生理的体重減少)。
身長増加量は乳児期前半が最も顕著である(乳児期:25cm/年、幼児期・思春期:7cm/年)。
体重あたりの体表面積は小児>成人のため、小児は熱放散・不感蒸泄量が多く脱水、高Na血症になりやすい。また、尿濃縮力は成人より低いためおねしょをする(2歳で成人と同程度)。乳児は体重あたりの必要な必要水分量は成人の約3倍である。
イナゴ君ヨロヨロ:1歳、身長75cm、体重9kg、頭囲46cm、胸囲46cm
新生児(0日目) | 3ヶ月 | 1歳 | 3歳〜4歳 | |
身長(cm) | 50 | 60 | 75(1.5倍) | 100(約2倍) |
体重(kg) | 3(30g/日↑) | 6(2倍) | 9(3倍) | 15(5倍) |
体表面積(m2) | 0.2 | 0.4 | 0.6(成人の1/3) | |
頭囲(cm) | 33(頭でかい) | 45(頭=胸) | 49 | |
胸囲(cm) | 32(4等身) | 45(頭=胸) | 50(胸でかい) |
精神・運動・言語発達と反射
頭→脚へ神経発達している証拠として、定頚→座位→つかまり立ち
粗大運動 | 微細運動 | 言葉 | 社会・生活 | |
2〜4ヶ月 | 固視(1ヶ月) 追視(ついし) しっかり首がすわる(4ヶ月) |
全手把握 手を口に持っていく |
アーウーなどの発話 | 小泉門閉鎖(1〜2ヶ月) にっこりあやすと笑う(2ヶ月) |
5〜7ヶ月 | ゴロゴロ寝返り ななちゃんおすわり |
意味のない言葉を発する=喃語 | むなしく人見知り(親を認識) 乳歯萌出(離乳食開始) |
|
8〜10ヶ月 | ハイハイ(8181) 10さんにつかまり立ち |
親指と他の指で物を挟んで持つ | 名前を呼ぶと反応する バイバイする |
|
11ヶ月〜1歳 | つたい歩き 自由にひとり立ち(12ヶ月) |
コップで水を飲む | 意味のある1語(有意語)を言う | 簡単な命令に従う |
1歳半(検診) =イクラちゃん |
独り歩き 手を引くと階段が昇れる |
なぐり書き 積み木ができる(2つ重ねる) |
5つ以上の有意語を言う(パパ、ママ、ワンワン) | 大泉門閉鎖 他の子に興味 物を見て指差し |
2歳 | 走る 手すりで階段昇り |
ページを捲る スプーンが使える |
2語文(パパは臭い) | 自己主張(イヤイヤ期) |
3歳(検診) =タラちゃん |
三輪車 片足立ち |
○を書く ハサミを使う |
自分の名前・年齢を言える | ごっこ遊び、乳歯20本生え揃う |
4歳 | でんぐり返し 片足跳び |
□を書く ボタンをかける |
自分の名前が読める、3語文 | 排尿排便自立 洗顔、歯磨き |
5歳 | スキップ | △を書く | しりとり ルールのある遊び |
衣服の着脱、左右が分かる 前頭縫合消失 |
6歳 | 永久歯萌出 |
【母子保健法に基づく健康診査】
1ヶ月検診 | 神経疾患の有無、先天奇形の確認、哺乳量、遷延性黄疸の有無 ビタミンK投与を実施 |
3〜4ヶ月検診 | 股関節開排制限(先天性股関節脱臼)などの先天性疾患の有無、追視、定頸の確認、音への反応、あやすと笑うか |
6〜7ヶ月検診 | 寝返り・お座り・顔に乗せられた布を払いのけられるかなどの運動発達、おもちゃへの関心・人見知りがあるかなどの対人関係・社会性などの精神発達 |
9〜10ヶ月検診 | 乳歯の萌出状態、離乳食の進み具合、つかまり立ち・ハイハイなどの運動発達、難聴・斜視の確認、対人関係・社会性などの精神発達 |
12ヶ月検診 | ひとり立ち・伝い歩きなどの運動発達、簡単な言葉が言えるかの言語発達 |
1歳半検診 (必須) |
運動発達:一人歩き・小さいものが掴めるなど 言語発達:5個以上の有意語・物の名前がわかるなど 乳歯12本を確認、離乳の完了を確認 |
3歳検診 (必須) |
視聴覚の検査 運動発達:丸が書けるか・三輪車に乗ってこげるかなど 言語発達:自分の名前や年齢が言える・3語文の会話ができるなどの |
【反射の種類】
反射は上位中枢からの抑制がかかることにより原始反射(全部)と姿勢反射(一部)は順次消失してゆく。反射の消失は、上の頭部から下の下肢に向かって広がってゆく(頭→尾の法則)。
反射 | 出現 | 消失 | 診察手技・所見 | 関連する所見 | |
原始反射 (脊髄〜橋) |
手掌把握反射 | 出生時 | 3〜4ヵ月 (全手把握で消失) |
手掌を指で押すと、全指が屈曲する(手は足より発達時期が早く消失も早い) | 消失後、物をつかめる |
足底把握反射 | 出生時 | 9〜10ヵ月 (つかまり立ちで消失) |
母趾球を指で押すと、全趾が底屈する | 消失後、起立歩行の開始 | |
非対称性緊張性頸反射 (受け身のポーズ!) |
出生時 | 5〜6ヵ月 (寝返りできる時期に消失) |
仰臥位で頭部を横に回すと、顔が向いている側の上下肢が伸展+反対側の上下肢が屈曲(自発的な動きの中で観察できる!) | 消失後、寝返りが打てる | |
Moro反射 | 出生時 | 4ヵ月 (首がすわると消失) |
仰臥位で頭を約30°持ち上げ急に頭を落とすと、両腕を開き、その後抱きつこうとする | 片側上肢での減弱は腕神経叢麻痺(Erb’s palsy)を疑う | |
探索反射 | 出生時 | 4〜6ヵ月 (離乳食開始で消失) |
口唇や頬を指で軽く触れると口でとらえようとする | 母乳摂取ができる | |
吸啜反射 | 出生時 | 4〜6ヵ月 (離乳食開始で消失) |
口の中に指を入れると唇を閉じて吸い付く | 母乳摂取ができる | |
病的反射 | Babinski反射 | 出生時 | 1〜2歳(独り歩きで消失) | 足底外側を擦過すると母趾の背屈と趾の開扇をする | 2歳以上では錐体路障害 |
姿勢反射 (中脳) |
Landau反射 ○○ランドといえばミニーちゃん |
3ヵ月 | 2歳(独り歩きで消失) | 腹臥位で水平に抱き頭を挙上すると体幹と下肢が伸展、頭を前屈させると体幹と下肢が屈曲する | ハイハイやおすわりをする際に役立つ |
パラシュート反射 9死に一生 |
9ヵ月頃 | 生涯続く | 体幹を水平に保持し、急に前方へ倒すと、上肢を伸展し手掌を開く | 転倒・落下時の防御 |
Babinski反射:乳児期早期までは大脳機能が未発達で、上位中枢からの抑制がかからないため生理的に出現する。
骨年齢
骨年齢:骨の成熟度をみて、骨の年齢が何歳相応であるのかを、計算式(骨年齢/暦年齢×100%)で表記したもの。骨年齢を促進させるホルモンは性ホルモン、成長ホルモン、甲状腺ホルモンがある。(骨年齢は左手手根骨のX線撮影で判断)
骨年齢促進 | 性ホルモン過剰 | 思春期早発症、下垂体性巨人症など |
骨年齢遅延 | 成長ホルモン不足 | 成長ホルモン分泌不全性低身長症、クレチン症など |
二次性徴の出現と年齢
骨の発達はアンドロゲン、エストロゲンによって促されるため、二次性徴の発現は暦年齢より骨年齢によく相関し、Tanner分類で評価する。
男児(チンチンから上へ) | 年齢 | 女児(オパイから下へ) |
精巣・陰茎肥大開始 | 10~11 | 乳房(発育開始) |
11~12 | 恥毛、身長増加促進 | |
恥毛、身長増加促進 | 12~13 | 腋毛 |
13~14 | 初経 | |
腋毛、声変わり | 14~15 | 正常月経 |
精子成熟 | 15~16 | 痤瘡 |
ひげ | 16~17 | 骨端線閉鎖 |
骨端線閉鎖 | 18~20 |
小児の栄養
栄養評価項目 | 1日体重増加量、身長、体重 |
必須アミノ酸 | アルギニン(幼児)+トロリーバスフメイヒ |
増加不良の場合 | 母乳不足、離乳の遅れ、心不全、児童虐待(ネグレクト) 栄養失調症は標準体重の80%以下の状態を指すことが多い |
ネグレクトによる栄養摂取不足のみならず、心理的虐待(愛情不足)による成長ホルモン分泌障害(愛情遮断性低身長症)もあり、成長障害の機序は複数ある。
【栄養所要量】
乳幼児期の必要エネルギーは約100kcal/kg/日と覚えよう!
新生児 | 乳児 | 幼児 | 学童 | 成人 | |
エネルギー (kcal/kg/day) | 120 | 100-120 | 80-90 | 60-70 | 30-40 |
水分 (mL/kg/day) | 80-100 | 120-150 | 100-120 | 60-80 | 40-50 |
蛋白質 (g/kg/day) | 2.5 (10%) |
1.5-3.0 (10-15%) |
2.5-3.0 (10-15%) |
2.0-2.5 (10-15%) |
1.0-1.2 (10-15%) |
脂質 (g/kg/day) 乳児期は脂質割合高い! |
5-7 (40-50%) |
3-6 (40-50%) |
2-3 (20-30%) |
1.5-2.5 (20-30%) |
0.6-1.1 (20-25%) |
糖質 (g/kg/day) | 11-15 (40-50%) |
10-18 (35-50%) |
10-15 (55-70%) |
8-12 (55-70%) |
4-6 (55-70%) |
母乳 vs 人工乳
1日に約8回与える=約3時間間隔、哺乳時間は約15分
母乳は児が欲しがる時に満足するまで与え(自律哺乳)、飲んだミルクをだらだらと口から出す場合は哺乳後にしばらく上半身を起こして十分に排気させる。
【母乳】
初乳 | 成乳 | |
目的 | 免疫力up | 児の発育 |
時期 | 分娩後3〜5日(最高の初乳) | 分娩10日以降(産生:3ヶ月・成乳) |
母乳性状 | 淡黄色・粘液性 | 白色・漿液性 |
エネルギー | 少ない | 多い(乳糖・脂質多い) |
タンパク質 | 多い | 少ない |
免疫物質 | 多い(IgA・ラクトフェリン等) | 少ない |
【母乳VS人工乳】
母乳の時は頭蓋内出血を予防するために出生後・1週間・1ヶ月の3回ビタミンK2シロップを投与する。
牛乳は1歳以降に与える:鉄の吸収率が悪く鉄欠乏性貧血になる可能性があるため
母乳 | 人工乳 | |
利点 | ー | 体重増加不良時に追加して発育サポート |
欠点 | ビタミンK・鉄分が不足 | ー |
児便の性状 | 軟、酸臭(ビフィズス菌)、弱酸性 | 硬、腐敗臭(大腸菌)、弱アルカリ性 |
離乳(咀嚼能獲得のため)
母乳は子供が欲しいままに与える。離乳完了=母乳・人工乳を飲んでいない状態、ではない!
咀嚼の発達 | 調理形態 | 回数 | |
5〜6ヶ月 (半固形食から開始) |
哺乳反射が低下 | すりつぶした液状の粥から始める。卵白は抗原性が強いため、卵黄から与える。 | 1回/日 |
7〜8ヶ月 | 乳歯の萌出 | 舌で潰せる豆腐くらいの硬さ | 2回/日 |
9〜11ヶ月 | 前歯が8本 | 歯茎で潰せるバナナくらいの硬さ。鉄が不足するため鉄が含むものを与える。 | 3回/日 |
12〜18ヶ月(完了) | 奥歯が生え出す | 歯で噛める肉団子くらいの硬さ。 手づかみ食べで、摂食機能発達↑ |
3回/日 |
心理発達
性格は、先天的にDNAに組み込まれている特性(気質)に、教育や環境などで後天的に獲得された性格が加わって形成される。
人には年齢段階においてふさわしい課題があり、その課題に対処することを通じてそれ以降の人生に適応する能力が育つこともあれば、課題を残して解決困難な弱さとなり精神障害が発病したりすると考えられている。
【エリクソンの心理社会的発達モデル】
信頼じじい金土で新政党つくる!と覚える。
発達課題 | ||
乳児期 | 基本的信頼 | 不信感 |
幼児期前期 | 自律 | 恥 |
幼児期後期 | 自主性(積極性) | 罪悪感 |
児童期:11歳まで | 勤勉性 | 劣等感 |
青年期:20歳まで | 同一性(アイデンティティ)の確立 | 同一性の危機 |
成人初期:30歳まで | 親密性 | 孤立 |
壮年期:65歳まで | 生殖性(生産性) | 停滞 |
老年期:65歳以降 | 統合性 | 絶望感 |
【アイデンティティとは】
①連続性 | 時間が経過しても変わらない自己がある |
②社会性 | 様々な役割(学生、客、弟など)で演じる自己が周囲の人から承認されている |
③主体性 | 与えられて演じるキャラではなく、自ら主体的に選び取ったキャラである |
新生児・乳幼児の身体検査・検査値
【バイタルサイン】
新生児 | 乳児 | 幼児 | 学童 | 成人 | |
心拍数 (頻脈) |
140±20 (180以上) |
110±10 (180以上) |
100〜120 (140以上) |
80 (130以上) |
70 (100以上) |
呼吸数 (多呼吸) |
40±10 (60以上) |
35±5 (50以上) |
20〜30 (40以上) |
18〜20 (30以上) |
12〜18 |
血圧 (低血圧) |
70/40 (60未満) |
90/60 (70未満) |
100/60 (75未満) |
110/60 (85未満) |
120/60 |
体温 | 37℃前後 | 37℃前後 | 37℃前後 | 37℃前後 | 36℃後半 |
【身体検査】
肝臓 | 新生児・乳児において肝臓を2cmまでは触知しても異常ではない ただし、2横指(約3cm)を超える場合は腫大と判断する |
大泉門 | 大泉門の大きさは1.5cm×1.5cm程度が正常で、1歳半ごろに閉鎖する |
リンパ節 | 生理的リンパ節腫大しており、1cmまでは正常 |
【血液検査】
成人より低い | RBC・Hb | |
TP | 成人値よりやや低値 | |
Cre | 出生後は母体由来のCreがあるが、その後は筋肉量に比例 | |
成人より高い | WBC | 出生時は17000と高値、生後1週で12000となる 生後2週まで、4歳以降は好中球優位 生後2週〜4歳頃まではリンパ球優位 |
Bil | 生理的黄疸、母乳性黄疸により1〜2週間は高値となる | |
ALP | 骨での新陳代謝が亢進しているため小児期は高値となる | |
AST | 代謝が活発なため。徐々に低下し成人基準値に安定する | |
LDH | 代謝が活発なため | |
AFP | 胎児期に肝・卵黄嚢で産生され、何らかの機能を果たしている |
乳幼児の診察
大泉門・胸部(特に心音)→腹部→頭頸部(咽頭、眼、鼓膜)の順に診察する。
大泉門は啼泣時膨隆し、脳圧亢進症状と誤る可能性があるので最初にみる。
ずっと機嫌が悪い、すぐに寝てしまう、啼泣が弱いなどの場合は重症を示唆する。
症候
大泉門の異常
大泉門膨隆 | 頭蓋内圧亢進(髄膜炎、水頭症、脳腫瘍、頭蓋内出血) |
大泉門陥凹 | 脱水、栄養障害 |
大泉門閉鎖遅延 | クレチン病、くる病、水頭症 |
大泉門早期閉鎖 | 頭蓋骨早期癒合症(Crouzon病、Apert症候群)→脳の発育障害が起こる |
頭囲増大
水頭症 | 先天異常、細菌性髄膜炎、頭蓋内出血 |
中毒による頭蓋内圧亢進 | ビタミンA中毒、テトラサイクリン中毒 |
頭蓋内占拠病変 | 血腫、水腫、膿瘍、腫瘍 |
先天性代謝異常 | リピドーシス(Tay-Sachs病)、ムコ多糖症(Hurler症候群) |
乳幼児の脱水症
病態 | 嘔吐・下痢、発汗過多、水分摂取不足などによる脱水 【脱水の重症度判定】 軽症:5%未満、中等症:10%未満、重症:10%以上の体重減少 |
症状 | ①尿量減少:オムツが軽い ②口腔粘膜の乾燥、大泉門陥凹、目の落ち窪み、四肢冷感、CTR遅延 |
検査 | 【血液検査】 低張性:末梢循環不全、脳浮腫(頭痛) 高張性:口渇感、易興奮性、腱反射亢進 |
治療 | 軽症・中等症:経口補水液 重症:輸液(初期輸液はNa 140前後、K 0〜4mEq/L) |
乳幼児突然死症候群 SIDS:sudden infant death syndrome
病態 | 原則、1歳未満(特に2〜6ヶ月)の児に突然死をもたらす症候群。児の状態から死亡が予測できない、解剖検査によっても原因が同定されない。 |
危険因子 | うつ伏せ寝、養育者の喫煙、人工栄養児、低出生体重児、男児、環境(冬季、夜間〜午前、厚着による高温環境、柔らかい寝具) |
floppy infantの鑑別
禁じられた:先天性筋ジストロフィー、筋強直性筋ジストロフィー、福山型筋ジストロフィー
D(ダ):Down症、Wer”d”nig-Hoffmann病、Ehlers-“D”anlos症候群
P(パ):Prader-Willi症候群、Pompe病、ポリオ(急性灰白髄炎)
M(ンプ):ミトコンドリア脳筋症、MG(重症筋無力症)、Menkes病
原因となる部位 | 疾患 | 備考 |
染色体 | Down症候群 | |
中枢神経 | Werdnig-Hoffmann病 | 筋力低下+、脊髄筋萎縮症の一つ |
末梢神経 | 重症筋無力症 | 筋力低下+ |
乳児ボツリヌス症 | 筋力低下+ | |
筋組織 | 筋ジストロフィー | 筋力低下+ |
糖原病Ⅱ型(Pompe病) | 筋力低下+ | |
結合組織 | Marfan症候群 | |
Ehlers-Danlos症候群 |
予防接種
注射生ワクチン接種後に、異なる注射生ワクチンを接種する場合のみ27日以上間隔をあけなければならない。小児は37.5℃以下であればワクチン接種は可能。
定期接種
生ワクチン:おむすびフロマージュ(黄熱、ムンプス、水痘、BCG、風疹、ロタ、麻疹)
【A類疾病(接種が努力義務・勧奨接種):集団予防目的→ポピュレーション・アプローチ】
公費(市町村が負担)で接種(健康被害が生じた場合は健康被害救済制度により救済措置を行う)
標準的な接種時期 | 合計回数 | |
B型肝炎ワクチン | 0歳(2・3・8ヶ月) | 3 |
Hibワクチン(インフルエンザ菌b型感染予防) | 0歳(2・3・4ヶ月)+1歳 | 4 |
肺炎球菌ワクチン(13価) | 0歳(2・3・4ヶ月)+1歳 | 4 |
ロタウイルスワクチン(5価)生(経口) | 0歳(2・3・4ヶ月) | 3 |
四種混合ワクチン(DPT-IPV):ジフテリア+百日咳+破傷風+不活化ポリオ | 0歳(2・3・4ヶ月)+1歳 | 4 |
BCGワクチン(結核感染予防) ※※生 | 0歳(5〜8ヶ月) | 1 |
MRワクチン:麻疹+風疹 ※生 | 1歳+小学校入学前 | 2 |
水痘ワクチン ※生 | 1歳 | 2 |
日本脳炎ワクチン | 3歳+9歳 | 4 |
子宮頸癌予防ワクチン(HPV) | 小6〜高1 | 3 |
※注射による生ワクチン接種は移行抗体(母体由来IgG)の干渉を受けるため、移行抗体が消失する1歳ころに行われる。注射生ワクチン接種から、次の注射生ワクチン接種までは、27日以上の間隔を空ける。
※※BCG接種後10日以内に接種部位の発赤・腫脹・膿瘍を認める場合は、結核の既感染と考えられる(コッホ現象)。そのため、結核感染が疑われる場合はツベルクリン反応で確認し、陽性で活動性結核がある場合は接種禁忌となる。
【B類疾病(努力義務・勧奨接種なし):主に高齢者の予防目的→ハイリスク・アプローチ】
インフルエンザワクチン | 65歳以上の高齢者が対象 |
成人用肺炎球菌ワクチン(23価) | 65歳以上の高齢者が対象 |
任意接種
自己負担で接種(健康被害が生じた場合はPMDAを介して救済措置を行う)
標準的な接種時期 | 合計回数 | |
インフルエンザワクチン(B類疾病非該当者) | 毎年10月〜11頃 | 1 |
おたふくかぜワクチン ※生 | 1歳 | |
髄膜炎菌ワクチン | 2歳から接種可 | |
B型肝炎ワクチン(母子感染予防) | ー | |
A型肝炎ワクチン | 1歳から接種可 |
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