喀痰培養
尿培養
血液培養
血液培養の予備知識
原則2セット採血 | 感染性心内膜炎などの持続性菌血症を疑う場合は3セット採血 |
採血場所の違い | 動脈血と静脈血の陽性率に差はない |
コンタミ率 | 鼠径採血やCV採血はコンタミ率が上がるため、1セットは上肢から採血 |
注入の順番 | オレンジ色の嫌気性ボトルから空気が入らないよう注入(オレが先) |
採血量不足 | 培養される菌の種類が多くなるため好気性ボトルに多く入れる |
セット数と陽性率 | 1セット:73%、2セット:90%、3セット:98% |
培養陰性の判断 | 一般的に5日間生えなければ陰性(嫌気性菌と真菌を除く) |
血液培養の適応
【血液培養の採取を検討する場合】
①菌血症を疑う場合 | =悪寒戦慄、発熱、頻脈、頻呼吸がある場合 |
②原因不明の低体温・低血圧 | 敗血症 |
③免疫不全者での有症状 | →原因不明の呼吸不全・腎不全・意識障害がある場合 |
④WBC増減・代謝性アシドーシス | 他で説明のつかないWBC増減・代謝性アシドーシスの場合 |
【感染症で血液培養を採取する必要性】
「低」の場合はルーチンでの培養は不要
菌血症の検査前確率 | 疾患 |
高(50%以上) | 椎間板炎、硬膜外膿瘍、髄膜炎、敗血症性ショック、CRBSI |
中(20〜50%) | 急性腎盂腎炎、胆管炎、化膿性肝膿瘍、重症市中肺炎、敗血症 |
低(10%未満) | VAP、合併症のない蜂窩織炎、下部尿路感染、市中肺炎 |
超低(5%未満) | 術後48時間以内の発熱、単発の発熱 |
使用する消毒薬
① | まずは、アルコール消毒 |
② | 0.5%以上クロルヘキシジン or 2%ヨードチンキ |
真の菌血症が疑わしい場合
① | 陽性になるまでの期間が短い(1〜3日) |
② | 黄ブ菌、溶連菌、肺炎球菌、腸球菌、クロストリジウム属、リステリア、髄膜炎菌、淋菌、GNR全例、カンジダ、クリプトコッカスは1本でも陽性なら原因菌と判断する |
↑特に、黄ブ菌とカンジダはコンタミが稀で、1本でも陽性なら真の菌血症と判断する |
コンタミが疑われる場合
① | 陽性になるまで時間がかかる(感染性心内膜炎は陽性まで時間がかかるものがある) |
② | 2セット中、1セットのみ陽性になる(上記の菌を除く) |
③ | 皮膚常在菌が検出(CNS、Corynebacterium、Bacillus、Cutibacterium acnes、Propionibacteriumなど)※S.lugdunesisは真の菌血症の可能性あり |
↑ただし、免疫抑制状態、機械弁、人工骨頭、最近の手術歴がある場合は起因菌となる | |
④ | 数種類もの菌が検出される |
フォロー血液培養が必要な場合
2セット陰性を確認すること
菌 | 黄色ブドウ球菌、カンジダ |
疾患 | 感染性心内膜炎、CRBSI(カテーテル関連血流感染症) |
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