精神科(不安症群、解離性障害、強迫症、PTSD)

精神科

不安症群

パニック症 何の前触れもなく突然予期しないパニック発作反復して生じる病態。再びパニック発作が起こるのではないかという予期不安を抱く。うつ病の併存が多い。広場恐怖症を合併しやすい。
恐怖症 恐怖の対象から回避できればパニック発作も回避できる
広場恐怖症 すぐに逃げ出すことや助けを求めることができない状況や場所(公共交通機関、群衆の中にいるなど)に恐怖を感じてパニック発作が生じる病態。そのような状況や場所を回避するようになる。パニック症を合併しやすい。
社交不安症
(=対人恐怖症)
所謂、極度のあがり症。
低い自己評価+恥をかくことに対する恐怖があり、そのような状況を回避しようとする。青年期に好発し、赤面、発汗、震えなどを生じる。
限局性恐怖症 特定の状況や対象(高所、閉所、昆虫など)に対し、著しく恐怖を感じ、回避行動をとろうとする。
全般性不安症 色々なことが過剰に心配になり、それがほぼ毎日6ヶ月以上続く病態。不安の対象は、他の不安症のように限定されない。うつ病などの他の精神疾患を合併しやすい。女性に多い。
選択性緘黙 特定の生活領域のみ自発的な発話が困難になる状態。3歳前後から発症する。

パニック発作

病態 パニック発作とは、突然始まり数分以内にピークに達する、激しい恐怖または強烈な不安感を伴う動悸、発汗、息切れ、震え、窒息感、胸痛、悪心、めまい、寒気などの自律神経症状、今にも死んでしまうのではないかという恐怖などを生じる症状。症状は10〜20分で治る。パニック発作はパニック症だけでなく、他の不安症群でも起こる
治療

解離性(転換性)障害、身体表現性障害

病態・症状 対処法
解離性(転換性)障害 トラウマが意識障害健忘(トラウマ部分のみ忘れる)、遁走(現実から逃避しいなくなる)、多重人格(解離性同一性障害))として出現したものを解離性、身体症状(失立失歩、失声、けいれん、らせん状視野狭窄)として出現したものを転換性という。
病状により周囲からの援助を受けられる疾病利得があるため、患者は病気に対して深刻に捉えていない。
精神療法
身体表現性障害 検査所見は陰性であるにもかかわらず、さまざまな身体症状を訴え、医学的検索を執拗に要求する病態。周囲の注意を引こうと演技的な行動を認めることがあり、納得しないとドクターショッピングをする傾向がある。 精神療法

強迫性障害及び関連障害群

病態・症状 対処法
強迫性障害 強迫観念・強迫行為が存在し、そのために時間の浪費や社会的機能の障害を生じる病態。うつ病やTourette症候群を合併する場合もある。 ①SSRI
②認知行動療法:不安状況に曝露させ、曝露に慣れさせる。
醜形恐怖症 自身の容貌上の欠点に囚われる病態 SSRI+認知行動療法
ため込み症 ため込んだ物を捨てるのが苦痛に思う病態 認知行動療法
抜毛症 主に頭髪を抜くことをやめられず苦痛を感じる。
利き腕側に偏って脱毛、手の届きやすい前頭部に脱毛斑が多い、女性に多いという特徴がある
①認知行動療法

心身症

病態 身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与して器質的または機能的障害が認められる病態。
代表疾患 呼吸器:喘息、過換気症候群、神経性咳嗽
循環器:高血圧、起立性低血圧、PVST、冠動脈疾患
消化器:消化性潰瘍、機能性ディスペプシア、IBS、潰瘍性大腸炎
内分泌:糖尿病、甲状腺機能亢進症、心因性多飲症、原発性肥満
神経:偏頭痛、緊張性頭痛、慢性疼痛性障害
皮膚:アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、円形脱毛症
膠原病:関節リウマチ
治療 ①身体疾患に対する原因療法
②心身医学的療法:カウンセリング、自律訓練法、認知行動療法など

PTSD・ASD・適応障害

病態・症状 対処法
PTSD
(心的外傷後ストレス障害)
生命を脅かすような極限状態を直接体験または目撃し、1ヶ月以上の潜伏期間を経て発症する。症状は①再体験(フラッシュバック・侵入的回想、悪夢)②回避③感情麻痺(離人感)④過覚醒(不眠、集中困難)が1ヶ月以上続く。自殺企図も多いため注意。 認知行動療法(PE療法)
眼球運動による脱感作・再処理法(EMDR)
ASD(急性ストレス障害) 出来事の直後(通常3日以内)より生じ、1ヶ月以内に改善する。改善しない場合はPTSDに移行する。 通常48時間程度で自然軽快
適応障害 日常よく遭遇するストレス要因に曝露されて3ヶ月以内に発症し、要因を除去して6ヶ月以内に症状が消失する病態。症状は抑うつ気分、不安、欠勤・不登校、粗暴行為、悪質なイタズラなど。
背景に発達障害や知的障害があり、そもそも生きづらさがある場合がある。
ストレス要因のない生活環境の調節
認知行動療法

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