脂質異常症治療薬

薬理学

薬効比較

  LDL-C TG HDL-C
スタチン系 ↓↓↓
陰イオン交換樹脂 ↓↓
小腸トランスポーター ↓↓
フィブラート系 ↓↓↓ ↑↑
ニコチン酸誘導体 ↓↓
プロブコール ↓↓
多価不飽和脂肪酸

スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)

作用機序 肝臓のHMG-CoA還元酵素を阻害してコレステロールの生合成を抑制する。その結果、LDL受容体の合成が促進され、血中LDL-C値が減少する。LDL-C低下作用はスタンダードで約15%、ストロングで約30%と言われている。
夕食後服用(コレステロール合成は夜間に亢進するため)
副作用 横紋筋融解症:急速な骨格筋の融解・壊死が生じるために筋細胞成分が血液中に貯蔵され、急性腎不全をきたす重篤な副作用。高齢者や腎機能障害患者に多い。使用中に全身倦怠感、筋肉痛、赤褐色尿(ミオグロビン尿)、乏尿、CK高値が出現した場合には直ちに中止すること。
ミオパチー、肝機能障害、末梢神経障害

スタンダードスタチン

一般名 先発名 特徴
プラバスタチン メバロチン 水溶性のため相互作用が少ない。
シンバスタチン リポバス 【ADME】CYP3A4で代謝
フルバスタチン ローコール 【ADME】CYP2C9で代謝

ストロングスタチン

一般名 先発名 特徴
アトルバスタチン リピトール 【ADME】CYP3A4で代謝
ピタバスタチン リバロ 【ADME】CYP以外で代謝され胆汁排泄される
ロスバスタチン クレストール 【ADME】CYP以外で代謝され胆汁排泄される

PCSK9阻害薬

一般名 先発名 特徴
エボロクマブ レパーサ皮下注  
アリロクマブ プラルエント皮下注  

MTP阻害薬

一般名 先発名 特徴
ロミタピド ジャクスタピッドCP  

陰イオン交換樹脂(レジン)

作用機序 レジンは腸管内で胆汁酸を吸着し、胆汁酸の腸管循環を阻害する。そのため、減少した胆汁酸を補うためコレステロールの異化が促進し、コレステロールが減少する。その結果、肝臓のLDL受容体が増加し、血中LDL-C値が減少する。
副作用 腸閉塞

一般名 先発名 特徴
コレスチラミン クエストラン粉末 【欠点】吸着作用が強いため併用薬に注意。併用する場合はクエストラン服用1時間前、もしくは服用6時間後とする。また、水に不溶性で特異臭があるため服用しにくい。
コレスチミド コレバイン顆粒  

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

作用機序 小腸粘膜のNPC1L1を阻害し、食事由来のコレステロール吸収を阻害する。
副作用 肝機能障害

一般名 先発名 特徴
エゼチミブ ゼチーア  

フィブラート系薬

作用機序 核内のPPARαを活性化させ、脂肪酸のβ酸化を亢進させる。その結果、TG、VLDLの生合成が抑制される。また、LPLを活性化させる。HDL構成タンパクのアポA-1,2の転写を促進し、HDL-Cを増加させる。
副作用 横紋筋融解症(腎機能低下患者に多い)

一般名 先発名 特徴
クロフィブラート  
クリノフィブラート リポクリン  
ベザフィブラート ベザトールSR  
フェノフィブラート リピディル、トライコア  

選択的PPARαモジュレーター

一般名 先発名 特徴
ペマフィブラート パルモディア  

ニコチン酸誘導体薬

作用機序 末梢脂肪組織における脂肪分解が抑制され、遊離脂肪酸の肝臓への流入が減少した結果、VLDLが抑制される。また、LPLが活性化されVLDLなどのリポ蛋白の異化が促進される。
副作用  

一般名 先発名 特徴
トコフェロールニコチン酸エステル ユベラN 高血圧の伴う随伴症状に用いる
ニセリトロール ペリシット Buerger病、閉塞性動脈硬化症、レイノー症候群に伴う末梢血行障害に用いる
ニコモール コレキサミン 凍傷、四肢動脈閉塞症、レイノー症候群に伴う末梢血行障害に用いる

多価不飽和脂肪酸

一般名 先発名 特徴
イコサペント酸 エパデール、エパデールS 閉塞性動脈硬化症に有効。
ω3脂肪酸 ロトリガ  

配合剤

一般名 先発名  
エゼチミブ+アトルバスタチン アトーゼット配合錠  
エゼチミブ+ロスバスタチン ロスーゼット配合錠  

その他

一般名 先発名 特徴
プロブコール シンレスタール、ロレルコ  
ガンマオリザノール ハイゼット  
デキストラン硫酸エステルNa イオウ18 MDSコーワ  
エラスターゼES エラスチーム  

コメント

タイトルとURLをコピーしました