エンテロウイルス感染症
急性灰白髄炎(ポリオ、小児麻痺)
2類感染症。診断後直ちに届出が必要。学校保健安全法:治癒するまで登校停止。
疫学 | 日本では撲滅できたが海外では残存。 |
病態 症状 |
経口的に侵入した後全身に広がるが、約99%は不顕性感染に終わる。残り約1%が予後良好の一過性の髄膜炎で、0.1%が麻痺型のポリオを起こす。ウイルスは脊髄前角に達し運動神経細胞の破壊により四肢の弛緩性麻痺を起こす。 |
検査 | ? |
治療 | 対症療法 |
予防 | 不活化ワクチンである4種混合ワクチン(DPT-IPV)を定期接種。 |
ヘルパンギーナ
5類感染症。
疫学 | 4歳以下に好発し、流行期は夏。 |
病態 | コクサッキーウイルスA群、エンテロウイルスの飛沫感染によって生じる疾患。 |
症状 | ①軟口蓋・口蓋垂に小水疱→アフタを形成(咽頭痛):食欲不振、よだれ増加 ②高熱 ※手足口病の口だけバージョン! 合併症として無菌性髄膜炎、熱性痙攣を生じることがある。 |
検査 | ? |
治療 | 対症療法、哺乳不良や食欲低下による脱水に注意 |
手足口病 HFMD:Hand-foot-and mouth disease
5類感染症。
疫学 | 乳幼児に好発し、流行期は夏〜秋。 |
病態 | コクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型などが飛沫感染によって生じる疾患。 |
症状 | 3〜6日の潜伏期間の後、 ①微熱、 ②手・足底・口腔粘膜に潰瘍化する水疱・アフタ性病変を形成:食欲不振、よだれ増加 無菌性髄膜炎や脳炎に至る場合もある。 接触感染によって大人が手足口病にかかると重症化しやすい。 |
検査 | ? |
治療 | 対症療法 |
急性出血性結膜炎
5類感染症。学校保健安全法:医師が感染の恐れがないと認めるまで登校停止。
病態 | 主にコクサッキーウイルスA24型(変異株)やエンテロウイルス70型によって生じる疾患。 |
症状 | 潜伏期間約1日後に、 ①結膜下出血:角膜障害の合併がないことが他のウイルス性結膜炎との違い ②耳前リンパ節腫脹(軽度):ウイルス性結膜炎の特徴 罹患後6~12か月を経て、四肢弛緩性麻痺を起こすことがある。 |
検査 | 【身体検査】 触診:耳前リンパ節腫脹を確認 【細隙灯顕微鏡】 結膜と強膜の間に出血を確認 |
治療 | 3週間以内に自然治癒する。細菌の混合感染を防ぐために抗菌薬の点眼を行う。 |
予防 | ①他人との接触を避ける(学生は感染のおそれがないと判断できるまで出席停止、プールは厳禁。成人の場合も原則出勤停止が望ましいが、法的な定めはないため、接触感染により感染が広がる可能性を説明し会社と相談してもらうことが多い) ②患者の手指の洗浄消毒(特に点眼後) ③接触物の消毒、タオルを共有しない、入浴は最後! |
無菌性髄膜炎
5類感染症。詳細は脳神経内科を参照。
感冒
成人の風邪の約半数はライノウイルス感染と言われている。血清型が100種類以上もあり、免疫記憶期間も短いので繰り返し感染しやすい。
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