顔面外傷

救急医学

側頭骨骨折

病態 頭蓋底骨折の一種で、横骨折と縦骨折がある(1:4)。
横骨折:骨折線が錐体稜を横切り、内耳と内耳道を損傷する。
縦骨折:骨折線が錐体稜に沿って走り、外耳道〜鼓室を損傷する。
症状 横骨折:感音性難聴、高度の顔面神経麻痺、末梢性前庭めまい
縦骨折:鼓膜損傷、鼓室内出血、髄液耳漏、耳出血、耳小骨連鎖離断→伝音性難聴、Battle徴候(中頭蓋底骨折・錐体骨骨折→耳介後部の出血)、顔面神経麻痺
検査 【画像検査】 CT:骨折線を確認
治療 様々

頭蓋底骨折

骨折の部位 特徴的所見 症状
前頭蓋底骨折 眼瞼の周囲の出血斑(パンダの目徴候)(black eye sign),鼻出血と髄液鼻漏 嗅覚障害,視神経障害
中頭蓋底骨折 乳様突起部を中心とする出血斑(Battle’s sign)として現れることが多い,しばしば中耳に血液や髄液が貯留し,鼓膜穿孔部から流出する血性耳漏,髄液耳漏を呈することが多い 顔面神経麻痺,感音難聴
後頭蓋底骨折 咽頭後壁粘膜下の溢血斑 下位脳神経(Ⅸ〜Ⅻ)麻痺,脳幹損傷

顔面外傷の診療

①ABCD

A 気道閉塞:下顎骨骨折により仰臥位にて舌が咽頭側へ落ち込む、口腔咽頭部の浮腫、大量出血、凝固塊、轢断(れきだん)組織片、入れ歯などで気道閉塞する。
B 低酸素血症:血液や異物の誤飲による低酸素血症が生じうる。
C 血圧低下:動脈損傷による大量出血→軟部組織創出血は圧迫で止血可能だが、顔面骨折に伴う口腔・鼻腔からの大量出血は止血困難であり、確実な気道確保を行った上でガーゼパッキング→べロックタンポン→バルーンカテーテル→外頸動脈結紮を用いた止血を行う。
D GCS

②問診・身体所見

問診 十分にコミュニケーション取れれば、受傷部位、外力の種類と強さ、呼吸困難、嚥下・構音障害、感覚障害、視覚障害、聴覚障害、平衡障害、顎運動、咬合を聴取する。
視診 腫脹、変形、外出血、皮下血腫、開放創、顔面の外観と運動の左右差、眼部・鼻腔・口腔・外耳道の内部、口腔開閉運動
※上記を認めた場合は関連する診療科にコンサルトする
触診 顔面の隆起部を指でなぞり圧痛の有無を確認しながら凹凸や異常可動性を感じ取る
推測 上記問診や身体所見から骨折の可能性を推測をする
①顔面上1/3:眼窩上縁〜頭髪縁
②顔面下1/3:下顎
③顔面中1/3:①と②の間

③画像所見で骨折を確認

骨折は軟部組織腫脹の軽減する1〜2週間後に行う(緊急性の高い眼窩底骨折を除く)

詳細
前頭骨骨折 頭蓋骨骨折を参照
鼻骨骨折
症状 鼻の変形(斜鼻、鞍鼻)、鼻閉塞、鼻出血など
鼻篩骨骨折
眼窩壁骨折 吹き抜け骨折とも言われ、ボールや肘などの鈍力が前方から加わり眼窩内圧が急激に上昇して薄い眼窩下壁・内壁が骨折し、下直筋など眼窩内組織が上顎洞内へ嵌頓して、眼球の上転障害をきたす
症状 上方視時の複視
所見 眼球上転障害眼球陥凹(眼窩下壁が骨折し、時間が経つと眼窩内容の一部が上顎洞内に嵌入するため)
眼窩底骨折 眼窩壁骨折の内、眼窩底が骨折するもので、以下3つは緊急手術が必要
①眼球迷走神経反射を伴う若年者眼窩底骨折:眼球圧迫や周囲組織の絞扼解除
②若年者の線状/trap door型眼窩底骨折:下直筋の虚血を解除
③受傷後早期に2mm以上の眼球陥没がある眼窩底骨折:早期手術が望ましい
頬骨骨折 頻度は高いが頬部腫脹のため陥没は目立たないことが多い
上顎骨骨折 両側性ではLe Fort分類でⅠ〜Ⅲに分類される
重症度:Ⅰ型(上顎骨歯槽)<Ⅱ型(上顎骨+眼窩壁)<Ⅲ型(眼窩内)
症状 鼻腔・口腔からの出血、咬合異常
所見 視診で顔面中央の陥凹、触診で上顎骨の動揺
下顎骨骨折
症状 咬合異常
所見 耳前部圧痛、開閉口障害、Tongue blade test陽性

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