クロストリディオイデス・ディフィシル菌(Clostridioides difficile)

微生物学

クロストリジウム・ディフィシルの特徴

土壌中、ヒトや動物の腸管内(S状結腸~直腸)に存在する嫌気性菌。

芽胞形成。日本人成人の約10%に検出。

偽膜性腸炎(クロストリジウム・ディフィシル腸炎)

疫学 高齢者、免疫力低下患者に好発
病態 抗菌薬、化学療法、PPIによって正常細菌叢が破壊されると、ディフィシル菌に有利な環境となり発芽して大量に増殖する(菌交代現象)。その際にCD毒素を産生し、粘膜上皮細胞を破壊して偽膜(白血球の残骸)を形成する疾患。接触感染で伝播する。
無治療の重症例では中毒性巨大結腸症に移行することもあるため注意。
症状 抗菌薬(セフェム系が多い)投与2~20日後、
発熱、徐々に頻回の水様性下痢、腹部鈍痛(疾患特異的な症状なし)
検査 【便培養】
CD毒素(toxin A・B)検出(感度低いためGDH抗原と併用する)
※便培養は時間がかかり、さらに特異性高くないため健常者でも陽性になることもあるため行わない
【血液検査】
WBC↑CRP↑赤沈↑、下痢による低K血症、炎症部位から蛋白漏出して低蛋白血症(Alb低下)。C. difficile抗原(GDH抗原)を便CD毒素検出と併用して診断。
【画像検査】
内視鏡:小腸および大腸粘膜に黄白色の小円形の偽膜(+)。S状結腸~直腸に好発。
治療 ①原因薬剤の投与中止
②症状が継続する場合、
バンコマイシン
内服(腸管移行性が低いため静注はNG)、メトロニダゾールの内服か点滴(疑惑が芽生える偽膜トロ、ンコ)
※汚染された器物や手を介して接触感染するため手袋とガウン着用が必須となる!他の免疫低下患者に感染するため院内感染対策を徹底する。芽胞形成菌であり、アルコール耐性をもつ(次亜塩素酸ナトリウムを使用)。

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