外陰部潰瘍の鑑別
鑑別 | 潰瘍の見た目、随伴症状 | |
感染症 | 性器ヘルペス (最多) |
原因病原体:HSV-1/HSV-2 ・有痛性 ・発赤した底部を伴う集簇した小さな水疱や潰瘍 ・軽度リンパ節腫脹 ・発熱、排尿困難、頭痛、項部硬直を伴う場合は入院 |
梅毒 | 原因病原体:梅毒トレポネーマ ・無痛性 ・単発性の潰瘍(硬性下疳) ・潰瘍底は硬く辺縁は比較的整であることが多い |
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軟性下疳 | 原因病原体:軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi) ・有痛性 ・日本ではほぼ見られない稀な性感染症 ・海外渡航歴がある場合に考慮(東南アジア、アフリカなど) |
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鼠径リンパ肉芽腫 | 原因病原体:血清L型のクラミジア(Chlamydia trachomatis) ・無痛性 ・日本ではほぼ見られない稀な性感染症 ・海外渡航歴がある場合に考慮(熱帯地方) |
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非感染症 | 外傷 | |
悪性腫瘍 | ||
ベーチェット病 | ||
薬剤性 |
膣炎の鑑別
萎縮性腟炎 | 細菌性腟症 | カンジダ外陰腟炎 | 腟トリコモナス症 | |
病態 | 別名:老人性腟炎 エストロゲン低下による腟壁の菲薄化や腟の自浄作用低下による常在菌の繁殖 |
ラクトバシラス属減少による、好気性菌や嫌気性菌などの複数菌感染・過剰増殖 | カンジダを参照 | トリコモナスを参照 (もこもこ泡泡トリコモナス) |
症状 | 少量の不正性器出血、外陰部掻痒、性交痛、腟壁の萎縮 | 半数以上が無症状 アミン臭(魚臭)の帯下がする |
外陰部の強い掻痒・軽度発赤・腫脹、腟壁に白色帯下付着 | 外陰部掻痒、腟の斑状発赤、子宮腟部の溢血性点状出血 |
帯下 | 白〜黄色 | 灰色 | 酒粕状 | 黄色、泡沫状 |
治療 | エストリオール腟錠 エストロゲン経口薬 |
腟洗浄 メトロニダゾール腟錠・経口薬 |
腟洗浄 抗真菌薬外用・腟錠・内服 |
メトロニダゾール経口薬 |
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