女性器解剖
女性生殖器の構造
内性器 | <付属器(卵巣+卵管)> 卵管:線毛円柱上皮で全長約10cm、卵巣:母指頭大(触知しない) 卵巣は排卵するため腹膜に覆われておらず、腹腔内に露出している! <子宮> 円柱上皮、大きさは鶏卵大、前傾前屈(子宮内膜→子宮筋層→子宮漿膜) 上部2/3=子宮体部(頂部は子宮底という)、下部1/3=子宮頸部 <膣> 重層扁平上皮、子宮頚管との移行部=扁平円柱上皮境界(SCJ)、常在菌であるラクトバチルス属(乳酸桿菌)のデーデルライン桿菌などによってpH4前後に保たれて自浄作用を有する。 |
外性器 | 外陰:重層扁平上皮 |
周囲の臓器 | 前方に膀胱、膀胱と子宮の間=膀胱子宮窩 後方に直腸、子宮と直腸の間=ダグラス窩(直腸子宮窩) |
子宮支持装置 (特に頸部が固定されている) |
上:卵巣提索、別名:骨盤漏斗靱帯(骨盤壁ー卵巣、卵巣動静脈が並走)+固有卵巣索(卵巣ー子宮、固提で覚える)、子宮円索(子宮ー鼠径管)、子宮広間膜(子宮以外を覆う腹膜) 横:基靭帯(子宮頸部ー骨盤壁、靭帯上縁を子宮動脈が並走) 前:膀胱子宮靭帯(靭帯の間を尿管が通過)+恥骨尿道靭帯 後:仙骨子宮靭帯 下:骨盤底筋群(肛門挙筋など) |
血行の走行
動脈路 | ①卵巣A:腹部大Aから直接出て卵巣Aとなる→卵巣提索→卵巣→子宮 ②子宮A:内腸骨Aから分岐して子宮Aとなる→基靭帯上縁→子宮→卵巣 |
静脈路 | ①左卵巣V→左腎V(腹部大Aをまたぐため左腎Vは長い) ②右卵巣V→下大V |
尿管の走行
尿管に卵入れた後だから、早朝前のシコシコ防止中!
①腎盂 | ②卵巣動静脈 の後 |
③総腸骨A の前 |
④子宮A本幹の後 =尿管トンネルの中 |
⑤膀胱子宮靭帯 の間を穿通 |
⑥膀胱 |
骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、小腸瘤、膣断端脱)
病態 | 閉経によるエストロゲン低下、妊娠、分娩による骨盤支持組織、子宮支持組織の脆弱化(特に高齢の多産婦)によって骨盤臓器が膣外に脱出した状態。 |
症状 | 子宮脱:性器出血、帯下増加、排尿障害(頻尿、腹圧性尿失禁、尿閉) 膀胱瘤:排尿困難 直腸瘤:排便困難、便秘 |
検査 | 【身体検査】 内診・視診:子宮・膀胱・直腸の下垂や脱出を認める |
治療 | 【保存療法】 骨盤底筋訓練(Kegel体操)、子宮脱用のペッサリー挿入(3〜4ヶ月毎に交換) 【手術】術後再発率30% Manchester手術:子宮支持組織を短縮補強 腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC) |
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