マイコプラズマの特徴
細胞壁なし(だから、βラクタム系無効、グラム染色で染まらない)
培養する場合はPPLO寒天培地を用いる。
肺炎マイコプラズマ Mycoplasma pneumonia
5類感染症(定点)。
疫学 | 若年者(10〜30歳代)に好発する(約70%)が、60歳以上でも約10%存在する |
病態 | 濃厚密接に接する環境で飛沫感染し、気道の線毛上皮細胞で増殖する。増殖した菌を排除しようと炎症が起こり、気道や間質が傷害される(間質性肺炎)。市中肺炎(非定型肺炎) |
症状 | 2〜3週間の潜伏期の後、 ①非定型性肺炎症状:発熱、乾性咳嗽(痰や鼻水はない:解熱後も3〜4週間持続) ②肺外症状:筋肉痛、関節痛、消化器症状など 【合併症】 多形紅斑、発疹、肝機能障害、溶血性貧血、血球貪食症候群、無菌性髄膜炎、心膜炎、中耳炎などが生じる。 |
検査 | 【検体検査】 咽頭拭い液迅速検査:LAMP法、イムノクロマト法、PCR法 【血液検査】 WBC正常〜軽度上昇程度(15000未満)、CRP↑ ペア血清(急性期と回復期):発症から7~10日後に血清抗体価4倍以上上昇(確定診断) 【画像検査】 胸部X線:下肺野に好発するすりガラス状陰影(特有の所見なし) 単純CT:気管支壁の肥厚、小葉中心性結節影(肺炎像あるのに元気なのが特徴) |
治療 | ①マクロライド系 例)アジスロマイシン500mg 1日1回 ※マクロライド系の耐性菌株が増加しており、その場合はニューキノロン系を使用する ②ニューキノロン系 ③テトラサイクリン系 |
※寒冷凝集素反応とは自己免疫性溶血性貧血の原因となる寒冷凝集素が赤血球を凝集させる反応である。寒冷凝集素は低温で活性があるため加熱すると凝集は消滅する。
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