4大宗教+α
ユダヤ教 | キリスト教 | イスラム教 | 仏教 | |
創始者 | モーセ | イエス | ムハンマド | ブッダ |
成立年代 | BC5世紀頃 | 1世紀 | 7世紀 | BC5世紀頃 |
崇拝対象 | ヤハウェ | イエス | アッラー | 釈迦如来など |
経典 | 旧約聖書 | 新約聖書 | クルアーン | 様々 |
聖地 | エルサレム | エルサレム | メッカ | ブッダガヤ |
ユダヤ教
概要 | ユダヤ人(イスラエル人)だけを救済の対象とする民族宗教。 唯一神ヤハウェとの契約(律法)を遵守することで民族を救済する。 |
創立 | ①イスラエル民族の父であるアブラハムが神の声を聞き、その命令に従って約束の地カナン(現イスラエル)に向かう。 ②アブラハムの子孫は飢えから逃れるためエジプトに移住するが奴隷にされる。カナンに戻ろうと預言者モーセが導き、エジプトを脱出する(モーセの海割り)。 ③モーセは脱出途中のシナイ山で神からの十戒を授かる。 ④カナンに戻りイスラエル王国を建国する。2代目国王はダビデ像で有名なダビデ。ダビデの息子のソロモン王はエルサレム神殿を建設する(一部が嘆きの壁)。 ⑤その後王国は分裂し、新バビロニア王国(現イラク・シリア付近)によって集団的に強制移住させられる(バビロン捕囚)。その際、エレミアはいつか救世主(メシア)が現れるからその日まで頑張ろうと人々を励ました。 ⑥その後も迫害など苦難が多く、ユダヤ人の心の拠り所としてユダヤ教が信仰される。 |
教義 | 旧約聖書によると、神がアダムとイブを創り、エデンの園に住まわせた。禁断の実である知恵の木の実(りんご)を食べ、神との約束を破る→人間は生きているだけで罪な生き物、だから神との契約(=十戒)を遵守すれば救済するとした。救済例として、堕落した人間を一掃するために、大洪水を起こし、契約を遵守したもののみノアの方舟に乗せて救済した。 旧約聖書の中にある「律法」を遵守することが信仰であり、信仰したもののみを救済の対象としている。 【モーセの十戒】 ①ヤハウェだけ信じなさい(唯一神信仰の強制) ②偶像崇拝禁止 ③神の名をみだりに唱えてはいけない ④7日目を安息日(労働しない日)とし、聖なる日とせよ ⑤父母を敬え ⑥殺人禁止 ⑦浮気や不倫は禁止 ⑧窃盗禁止 ⑨隣人に嘘をついてはいけない ⑩隣人の持ち物を欲してはならない。 |
対応 | 【食事】 カルシュートと呼ばれる食事規定があり、豚、血液、適切に処理されてない肉、乳製品と肉料理の組み合わせは摂取禁止。コーシャフードは安心して食べられる。 【行動】 シャバット(安息日)である金曜の日没〜土曜の日没前は労働不可。 |
キリスト教
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教義 |
イスラム教
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教義 |
ヒンズー教
概要 | バラモン教にインド人の土着信仰が融合して形成された民族宗教。 |
創立 | アーリア人が先住民族を支配する過程で、カースト制という階級制度を作った。このカースト制が今なお続いているのはインド人に輪廻思想(永遠に生と死が繰り返される思想)が根強く、前世の行い(カルマ・業)によって来世の生まれが決まると信じているためである。この苦しい輪廻転生から脱出することを解脱という。 |
教義 | ヴェーダ(聖典)のウパニシャッドによると、ヨガなどの修行によって梵我一如(ぼんがいちにょ)を自覚すると、解脱できる。梵我一如を簡単に説明すると、ルー(宇宙)とライス(自分)が一体化する感覚になること(カレーを感じる)。 |
神様 | 【ヒンズー教の代表的神様】 ①ブラフマー(創造神):世界を創造した神様 ②ヴィシュヌ(維持神):世界を維持するため様々な姿に変身して人々を救う神様 ③シヴァ(破壊神):世界末日に世界を破壊して新しい世界を創造する神様 ④ラクシュミー(シヴァの妻):戦いと勝利の女神・殺戮と闘争の女神 ⑤ガネーシャ(シヴァの息子):象の顔をした成功と繁栄の神様 ⑥ハヌマーン(サルの神様):不死の神様、西遊記の孫悟空という噂も |
仏教
概要 | 苦しみの原因を知り、その苦しみから解放され、穏やかな境地を目指す宗教 煩悩を捨て、慈悲を実践し、全ての生命を大切にしよう! (慈:楽しみを与えようとする心、悲:悲しみを取り除こうとする心) |
創立 | シャカ族の王子であるゴータマ=シッダールタ(ブッダ)はバラモン教の考えを否定し、真理を求めて修行を行った。その結果、ブッダはあらゆる物事は繋がっており相互に依存する(縁起説)という真理に行き着いた。 【ブッダの教えのまとめ(四法印)】 ①一切皆苦:人生の全ては苦しみである(=苦諦) ②諸行無常:あらゆるものは変化・消滅する ③諸法無我:永遠不変の実体は存在しない ④涅槃寂静:煩悩・我執を捨てた世界(=涅槃)は安らかである |
教義 | 【まず、無明を改めるため苦悩の根本原因を知りなさい】 ・煩悩:三毒(貪欲に貪る心・怒りの心・真理に対する無知の心) ・我執:自己中心的な考えに執着して考えを変えられないこと 【次に、四諦(4つの真理)を知りなさい】 ①苦諦:人生の苦しみ(=四苦八苦)は避けることができないことを知る ※四苦八苦とは、生・老・病・死の四苦、愛するものと別れる苦しみ(愛別離苦)、嫌な相手の向き合う苦しみ(怨憎会苦)、求めても手に入らない苦しみ(求不得苦)、煩悩を制御できない苦しみ(五蘊盛苦)の八苦である。 ②集諦:苦しみの原因は煩悩・我執であることを知る ③滅諦:苦しみの原因を絶てば涅槃に至れる ④道諦:涅槃に至るためには正しい修行を行う 【最後に、修行を行って悟りなさい】 出家するものは八正道を行う。八正道とは正しいのの見方、正しいののの考え方、正しい言葉遣い、正しい行い、正しい生活、正しい努力、正しい心を保つ、正しい瞑想を行うこと。 ※正しいとは、快楽と苦行の両極端を避け、中道を行うこと 出家しない在家信者は三帰五戒を行う。三帰とは、仏の教えや僧に帰依すること。五戒とは、殺さない、盗まない、淫らな行いをしない、嘘をつかない、酒を飲まないこと。 |
拡大 | 【上座部仏教】 ブッダが説いた戒律をあくまで固持する保守的な仏教。自己の悟りを目指すこと(自利行)を重視し、阿羅漢を理想とする。主にスリランカや東南アジアに伝わった。 【大乗仏教】 ブッダの説いた戒律を時代に合わせて柔軟に解釈する仏教。苦しむ人々を救済すること(利他行)を重視し、菩薩を理想とする。中国、朝鮮、日本に伝わった。 【チベット仏教】 中国を経由せずインドから直接仏教が伝わったため、インド仏教の最終段階である後期密教を色濃く残している。そこに土着の宗教が取り入れられ(タルチョなど)、チベット仏教が出来上がっていった。現在、チベット仏教には主に4つの宗派がある。 |
仏像の種類
初期仏教は仏像ではなく、ストゥーパに納めた仏舎利(釈迦の骨)、仏足石、法輪を崇拝の対象としていた。日本ではストゥーパの代わりに五重塔などの塔が建てられたが、仏像を納める金堂が重要視され塔は次第に重要ではなくなった。
如来 | 悟りを開いた最高位の仏 | 釈迦如来:いわゆるお釈迦さま、ブッダ 大日如来:宇宙全体を統一する最高の仏 阿弥陀如来:西方極楽浄土にいる仏 薬師如来:心身の健康を守る仏、薬壺を持っている 毘盧舎那仏:太陽系の仏 |
菩薩 | 如来になるために修行している仏 ※菩薩を目指す人がすべきこと=六波羅蜜 |
観音菩薩:慈悲の菩薩 地蔵菩薩:いわゆる、お地蔵さん 弥勒菩薩:未来に現れて救済する菩薩 文殊菩薩:文殊の知恵と言われるように知恵の菩薩 |
明王 | 煩悩を説き伏せる密教の仏 (大日如来の化身) |
不動明王:いわゆる、お不動さん |
天部 | 仏様・仏教をさまざまな形で守護する神々 | 大黒天、弁財天、毘沙門天、恵比寿天などインドの神様が仏教に取り入れられた |
羅漢・高僧 | 実在の人物 | 鑑真、空海、最澄、羅漢など |
奈良時代の仏教(鎮護国家のための仏教)
南都六宗 | 現在 | 総本山 |
法相宗(ほっそう) | 玄奘法師が開祖で、現存している。 | 興福寺、薬師寺 |
律宗(りっ) | 鑑真が開祖で、現存している。 | 唐招提寺 |
三論宗(さんろん) | 現在、具体的な宗派として存在しない。 | (元興寺、大安寺) |
成実宗(じょうじつ) | 現在、具体的な宗派として存在しない。 | (元興寺、大安寺) |
倶舎宗(くしゃ) | 法相宗に付属する宗派となっている。 | 興福寺 |
華厳宗(けごん) | 性善説を採用しており、現存している。 | 東大寺 |
平安時代の仏教(貴族のための仏教)
密教とは、師匠から弟子へ直接伝えられる仏教である。密教以外は顕教とよばれる。
天台宗 (台密) |
比叡山延暦寺 | 最澄(伝教大師)が開き、法華経という仏教経典のみが人々を救うと説きながら、密教なども取り入れようとした総合仏教であるのが特徴。弟子には、同じく唐に留学した円仁や円珍がいる。 |
真言宗 (東密) |
高野山金剛峯寺 | 空海(弘法大師)が開き、密教の修行すれば誰でも仏になれると説いた。四国にある空海ゆかりの寺院を四国八十八ヶ所といい、巡礼者をお遍路さんと呼ぶ。 |
神道
神道は自然界の諸事物に神が宿るという考え(アニミズム)で、神は八百万の神が存在する。古事記や日本書紀の記載によると、父親のイザナキと母親のイザナミが日本をつくり、イザナキから生まれた太陽神のアマテラス♀、月神のツクヨミ♂、破壊神のスサノオ♂とその子孫のオオクニヌシなどの神々が、土着の氏神に変わっていった。
古代に成立した神社には、大神神社、宗像大社、伊勢神宮、出雲大社、住吉大社、熱田神宮がある。神社の屋根は檜皮葺(ひわだぶき)の屋根が基本である。
【神仏習合】
奈良〜平安時代に神道と仏教である神仏習合が盛んになり、神は仏が姿を変えてこの世に現れたものという仏教優位の考えが生まれた(本地垂迹説:ほんちすいじゃくせつ)。例えば、伊勢神宮の天照大神は大日如来の化身であるという考えである。
神社の境内に併設された寺院を神宮寺・別当寺という。また、寺の境内近くに建てた神社を鎮守社という。
儒教
概要 | 教育にて礼と仁を身につけた徳のある人格(=君子)を目指す教え ※君子:徳(仁と礼)を習得した人(君子の反対は小人) |
創立 | 孔子(本名:孔丘)は春秋戦国時代の諸子百家の一人として誕生した。孔子は世の乱れの原因は礼法が廃れたためと考え、その復興のために各々に克己復礼が必要であると説いた。そして、徳のある人が君主になれば、人々も感化されて正しく振る舞うようになり、世の中が安泰すると考えた(徳治主義)。 ※克己復礼:自分のわがままを抑え(中庸)、礼を実践することが仁である |
教義 | 自分で考え復習することで、仁や礼を身につけ、現実世界を生きやすくしなさい。 神秘的現象や不思議な力についてはスルーしてよし。 仁:相手を思いやる内面の心のこと、具体的には以下6つ ①孝(こう):家族を大切にする ②悌(てい):兄弟姉妹・年長者への従順 ③克己(こっき):自分のわがままを抑える ④忠(ちゅう):自分を偽らない心 ⑤恕(じょ):他人を思いやる心(されたら嫌なことはしない) ⑥信(しん):他人を欺かない 礼:挨拶をするなど、仁の心が態度や行動となって外面に表れた礼儀作法のこと |
拡大 | 【孟子の考え】 性善説を唱え、誰もが備える善の素質(四端の心)を修養によって伸ばす必要があると考えた。その結果、浩然の気に満ちた大丈夫(=君子)になれると主張した。 ①惻隠の心:他人の不幸を見過ごせない心→伸ばすと仁(思いやり)が拡充 ②羞悪の心:悪を恥じ、憎む心→伸ばすと義(正義)が拡充 ③辞譲の心:他者を尊重し、譲り合う心→伸ばすと礼(礼儀)が拡充 ④是非の心:善悪・正邪についての判断力→伸ばすと智(道徳性)が拡充 【荀子の考え】 性悪性を唱え、人は自分の利益を求める存在のため教育などによって矯正し、礼を身につける必要があると考えた。弟子の韓非子は礼では治められないとし法を重視した。 【朱子学(朱熹の考え)】 宇宙の全ては、五感で捉えられる物質的な要素である気と、五感で捉えられない非物質的な原理法則である理によって成り立っている(理気二元論)。この理論に基づいて人間の心も理気によって説明できるとした。人間の心は情(感情)と性(理性)の2つの部屋に分けられ、肉体(気)があるが故に様々な欲望によって心が曇らされて性の部屋を圧迫するが、善の心(理)によってその圧迫を抑え本来の心に戻ることができると考えた。 【陽明学(王陽明の考え)】 朱子学と異なり、人間の心は2つの部屋に分かれていないと主張し、心の中に良い側面と悪い側面が分離せずに存在していると考えた。 |
道教
概要 | 無理をして不自然なことをせず、ありのまま自然に生きようという教え |
創立 | 老子。荘子は儒教を批判し、人為的な力を排除し、あるがままの素朴な生活に満足すべきと説いた。老荘思想をもとに、中国の伝統的な民間信仰が加わって道教が形成されていった。 |
教義 | 【老子の考え】 人間は自然界の法則に従わず、小賢しい知恵を身につけたり、人為的な価値基準に従って不自然な行為に努めたりする。そうではなく、無理して不自然なことをせず、ありのまま自然に生きよう。謙虚で人と争わず、満足することを覚えようと説いた。 【荘子の考え】 人を殺すのは悪いこと、ではライオンがウサギを殺すことは?といったように人間が持っている価値観は人為的に作られたものに過ぎず、この価値観で判断するため人間の不幸や世界の混乱が起こると考えた(万物斉同)。 また、胡蝶の夢という例え話で示したように、夢と現実を区別するのは無意味であって、その世界であるがままに生きればよいと説いた。 |
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