核酸合成阻害
キノロン系薬(第1世代)
一般名 | 先発名 | 特徴 |
ピペミド | ドルコール | 現在、ほとんど使われない。第1世代。 |
ニューキノロン系薬(構造にFを含む=フルオロキノロン)
特徴 | 世代が上がるほど抗菌スペクトルが広い。第3世代は呼吸器系に移行性が高いためレスピラトリーキノロンと言われる。 |
作用機序 | DNAジャイレース(グラム陰性)やトポイソメラーゼⅣ(グラム陽性)を阻害し、DNA複製を阻害して細菌を死滅させる。 |
副作用 | ①妊婦に禁忌、小児に原則禁忌(DNAジャイレースに似たDNAトポイソメラーゼに作用すると、どちらも細胞分裂が盛んなため、胎児毒性や小児の関節軟骨変形などを生じるため) ②QT延長、腱の痛み、光線過敏症、NSAIDSとの併用により痙攣誘発の可能性が増大(ニューキノロンがGABA受容体に結合するため投与量に注意) |
ADME | 多くは腎排泄型。 2・3価の金属とキレートを形成し、消化管吸収量が低下するため、併用する場合は2時間以上間隔をあける。 |
世代 | 一般名 | 先発名 | 特徴 |
2 | ノルフロキサシン:NFLX | バクシダール | 【特徴】尿路感染症に使用 【欠点】NSAIDSとの併用に注意 |
2 | ロメフロキサシン:LFLX | バレオン | 【特徴】半減期が長い、尿路感染症に使用 【欠点】光線過敏症の頻度高い |
2 | オフロキサシン:OFLX | タリビッド | ラセミ体 |
2 | シプロフロキサシン:CPFX | シプロキサン | 【禁忌】チザニジン、ケトプロフェン |
2 | プルリフロキサシン:PUFX | スオード | |
3 | レボフロキサシン:LVFX | クラビット | 【特徴】バイオアベイラビリティほぼ100%、OFLXのl体 |
3 | トスフロキサシン:TFLX | オゼックス トスキサシン | |
3 | モキシフロキサシン:MFLX | アベロックス | 【特徴】主に呼吸器感染症に使用 【禁忌】QT延長患者、低K血症患者、クラスIa・Ⅲ薬服用患者 |
3 | シタフロキサシン:STFX | グレースビット | 【特徴】主に呼吸器感染症に使用。LVFXを修飾して活性増強した構造体。 |
3 | ガレノキサシン:GRNX | ジェニナック | 【特徴】主に呼吸器感染症に使用 |
パズフロキサシン:PZFX | パシル パズクロス | ||
ラスクフロキサシン:LSFX | ラスビック |
葉酸合成阻害
作用機序 | テトラヒドロ葉酸(THF)は細菌の核酸合成、アミノ酸合成に必要な物質である。動物は葉酸を外部から摂取するが、細菌は葉酸を生合成する経路がある。 SMX:葉酸の構成体であるパラアミノ安息香酸(PABA)の類似体として細菌に取り込まれ、THFの合成を阻害する。 TMP:ジヒドロ葉酸(DHF)還元酵素を阻害し、THFの合成を阻害する。 |
適応 | ニューモシスチス肺炎 |
副作用 | ①妊婦に禁忌:妊娠初期の投与は催奇形性あり ②新生児に禁忌:サルファ剤は血中アルブミンと結合率が高く、間接ビリルビンの遊離が促進され、新生児や妊婦後期では高ビリルビン血症、核黄疸を起こす。 ③皮疹:特にAIDS患者で生じやすい。 |
一般名 | 先発名 | 特徴 |
スルファメトキサゾール(SMX)+ トリメトプリム(TMP) | バクタ バクトラミン | 持続性。 【副】血小板減少 |
抗嫌気性菌薬
作用機序 | メトロニダゾールは嫌気性条件下で病原体内の酸化還元系によって還元されニトロソ化合物に変化する。その化合物がDNA合成を障害し抗菌・抗原虫作用を示す。 また、酒さ病変部では活性酸素種の生成を抑制し抗炎症作用を示す。 |
副作用 |
一般名 | 先発名 | 特徴 |
メトロニダゾール | アネメトロ点滴静注 | バイオアベイラビリティほぼ100%、嫌気性菌に効く |
メトロニダゾール 0.75% | ロゼックスゲル | 【欠点】妊娠3ヶ月以内の妊婦は禁忌、脳・脊髄に気質的疾患のある患者には禁忌。 【適応】酒さ 【使用方法】 ①1日2回、患部を洗浄後に塗布する。 ②塗布後は日光に長時間当たらないように注意。紫外線療法や日焼けサロンも避けること。 |
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