眼瞼の発赤腫脹(マイボーム腺炎)
|
麦粒腫(ものもらい) |
霰粒腫 |
原因 |
マイボーム腺の細菌感染 |
マイボーム腺の慢性炎症性肉芽腫 |
注意 |
ヒトヒト感染しない |
鑑別に眼瞼脂腺癌が重要 |
症状 |
|
無痛性硬結あり |
治療 |
抗菌薬点眼・眼軟膏・内服 |
ステロイド局所投与、切開掻爬 |
眼の掻痒
アレルギー性結膜疾患
|
アレルギー性結膜炎 |
春季カタル(VKC) |
巨大乳頭結膜炎(GPC) |
病態 |
花粉やハウスダストなどを抗原とするI型アレルギー疾患。 |
重症のアレルギー性結膜炎で、Ⅰ+Ⅳ型アレルギー疾患。アトピー素因を持つ男児に多い。 |
コンタクトの汚れや眼周囲手術の縫合糸露出を抗原とするI型アレルギー疾患。 |
症状 |
結膜充血、掻痒、少量の眼脂 |
激しい掻痒、異物感、眼脂、重症化で角膜潰瘍 |
アレルギー性結膜炎と同様 |
検査 |
眼脂を検鏡して好酸球を検出(確定診断) |
上眼瞼結膜に石垣状乳頭増殖(眼瞼型) |
上眼瞼結膜に乳頭増殖(春季カタルより小さい) |
治療 |
抗アレルギー薬点眼 重症はステロイド点眼 |
抗アレルギー薬点眼 重症はステロイド点眼・タクロリムス点眼 |
コンタクトレンズ使用是正 抗アレルギー薬点眼 重症はステロイド点眼 |
涙が出る
涙囊炎
病態 |
鼻涙管閉塞によって涙囊に肺炎球菌、ブドウ球菌などが感染した疾患。 炎症が涙囊壁を越えて涙囊周囲の蜂窩織炎まで進展する場合もある(急性涙囊炎)。 |
症状 |
①片側性の流涙・眼脂 蜂窩織炎まで進展している場合:内眼角部の発赤、腫脹、疼痛、発熱 |
検査 |
通水テスト:涙点から生食を流ししょっぱさを感じなければ鼻涙管閉塞の疑い 涙液培養:起因菌の同定 |
治療 |
抗菌薬を添加した生理食塩水で涙道を洗浄 蜂窩織炎まで進展している場合:抗菌薬内服、涙道ブジー、切開排膿 難治の場合:涙囊鼻腔吻合術(涙囊の内側壁に骨窓を作り鼻腔への流出路を作成) |
予防 |
定期的な涙囊マッサージ |
乾性角結膜炎(ドライアイ)
疫学 |
リスク因子:女性、加齢、シェーグレン症候群、コンタクトレンズ装用、VDT作業 |
病態 |
角膜と結膜が乾燥することで炎症を起こした状態。 重症例では点状表層角膜症、角膜びらんが起こる。 自己免疫機序が関与するものとしてシェーグレン症候群がある(口腔内乾燥・関節痛)。 |
症状 |
乾燥感、異物感、眼精疲労など様々 |
検査 |
【細隙灯顕微鏡検査】 フルオロセインなどの染色:BUT(涙液層破壊時間)パターンがBUT5秒以下 【シルマー試験】 5mm以下で、涙液分泌の低下を確認 |
治療 |
BUTパターン(tear break up time:角膜からの涙液蒸発時間)のに合わせた点眼薬、 温罨法、VDT作業が長い人はドライアイ眼鏡、重症例では涙点プラグによる涙道閉塞。 |
眼充血
感染性結膜炎
※濾胞性結膜炎:濾胞(結膜に粟粒大で半円形の透明な水疱様のもの)ができる結膜炎
眼の出血
結膜下出血
病態 |
結膜下の血管が破綻。原因は、 ①外傷:眼打撲など ②急性結膜炎:急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎 ③全身性疾患:動脈硬化、高血圧、DM、腎炎、紫斑病など出血性素因 ④急性熱性疾患:インフルエンザなど |
症状 |
結膜を塗りつぶしたように出血が広がる |
治療 |
経過観察:出血が多い場合であっても必ず吸収されるため |
コメント