病理学総論

病理学

病理学用語

萎縮 細胞数の減少および細胞の縮小
肥大 細胞の増大
過形成(増生) 細胞数の増加
化生 分化・成熟した細胞が異なる形質の細胞に変化
退形成 未分化な状態へ変化

壊死

  説明 代表例
凝固壊死 ほとんどの臓器の虚血性壊死 心筋梗塞
融解壊死 脳の虚血性壊死 脳梗塞
脂肪壊死 膵臓実質の自己消化による壊死 急性膵炎
乾酪壊死 主に結核の感染巣でみられ、肉眼的にはチーズ状黄色の壊死 結核、梅毒、悪性腫瘍
フィブリノイド壊死 自己免疫性血管炎により血管が免疫反応で病変を生じる壊死 SLE、結節性動脈周囲炎

血栓

  特徴 代表的臓器
貧血性梗塞(白色梗塞) 初期に出血で赤色、1~2日で蒼白になる。充実性臓器で血行支配が単一であるものに起こりやすい。 心臓、脳、腎臓、脾臓
出血性梗塞(赤色梗塞) 出血により赤色にみえる。非充実性臓器で血管の二重支配を受ける臓器で起こりやすい。 肺、肝、腸管、卵巣、精巣

虚血、充血、うっ血の違い

  • 虚血(入口からほとんど入ってこないイメージ)

臓器に流入する動脈血の量がめっちゃ減ること。

  • 充血(入口からたくさん入ってくるイメージ)

動脈が拡張して、局所的に流入する血液量が増加すること。

  • うっ血(出口が詰まるイメージ)

塞栓や狭窄があって、流出すべき静脈血が停滞すること。

炎症5徴

  • 発赤(急性)
  • 発熱(急性)
  • 腫脹(急性・慢性)
  • 疼痛(急性・慢性)
  • 機能障害(急性・慢性)

疾患と症候群の違い

疾患:原因と病気が1対1の関係であるもの。例:血糖値が高い→糖尿病

症候群:同様の症状を来たすものの集合体。例:微生物の感染による発熱・咳・鼻水→感冒

病理標本作成

固定

組織診 10%ホルマリン固定
細胞診 95%エタノール固定
電子顕微鏡検査 2.5%グルタールアルデヒド固定
Giemsa染色 乾燥固定
術中迅速検査 -80℃瞬間凍結

染色法

  染色対象
HE染色 Hematoxylinは核酸を含む構造(核・リボゾーム・粗面小胞体)を青く染め、Eosinはミトコンドリア・分泌顆粒・筋原線維などを赤く染める。細胞外にある膠原線維はEosinでピンクに染まる。
PAS染色 グリコーゲン
Nissl染色 神経細胞
エステラーぜ染色 骨髄の単球系細胞
アルカリ性ホスファターゼ染色 骨髄の骨芽細胞
酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ染色 破骨細胞
ミエロペルオキシダーゼ染色 骨髄の顆粒球
May-Giemsa染色 骨髄の細胞染色
Papanicolaou染色 胞診の標準的な染色方法。角化細胞はオレンジ色に染まる。
Congo-red染色 アミロイドが橙色に染まる。
鍍銀染色 膠原線維が赤褐色、細網線維が黒色に染まる

 

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