小児科の薬

小児科

小児薬投与前で確認すべきこと

小児薬用量の計算方法

添付文書から小児量を計算する。その結果、成人量を超えた場合は成人量を超えないように調節する!添付文書に小児量の記載がない場合は以下の換算式を用いる(いずれも体表面積を基準とした換算式)。

【Augsberger-Ⅱ式:1歳以上の患者に使用

小児量=([年齢×4+20]/100)×成人量

【von Harnack換算表:1歳未満の患者に使用

年齢 未熟児 新生児 3ヶ月 6ヶ月 1歳 3歳 7.5歳 12歳 成人
換算 1/10 1/8 1/6 1/5 1/4 1/3 1/2 2/3 1

小児薬投与で確認すべき事項

体重 成人と比べて体重の変化が大きいため、体重あたりの用量を計算する必要がある。
薬物動態 幼児期までは腎機能や肝機能が未熟だが、学童期(6〜12歳)になると成人に近づく。
生活リズム 昼寝、幼稚園、小学校など子供の生活リズムに合わせて用法を調節する。
服用歴 飲んだことのない薬に抵抗を示す。
剤形 嗜好や嚥下機能により飲めないものがあるため、成長に合わせて剤形を変える。
理解力 保護者を通じた服薬指導が必要である。
アレルギー 小麦>卵>牛乳の順にアレルギーが多い。

食物アレルギー患者に対して注意すべき薬物

一般名 含有代表薬物
鶏卵アレルギー リゾチーム ムコゾーム、リフラップ
牛乳アレルギー タンニン酸アルブミン タンナルビン
乳酸菌製剤 エンテロノンR、ラックビーR
カゼイン ミルマグ
乳糖 フルタイドディスカスなど
CPP-ACP リカルデントガム

小児の薬物動態の特徴

吸収 A 2歳くらいまでは胃内のpHは中性で、3歳ごろに成人と同じpH1〜2に低下する。そのため酸性薬物の吸収は低下する。
分布 D 乳幼児は、組織間液の水分量が多く分布容積が増大するため水溶性薬物の血中濃度は低下する。他方、脂肪量は少なく脂溶性薬物の血中濃度は増加するので中枢作用は強くでやすい。さらに血漿アルブミン濃度は低いため遊離型薬物濃度は上昇する。
代謝 M 2歳くらいまでは薬物代謝酵素の活性が弱い。しかし、それ以降17歳くらいまでは成人より薬物代謝酵素の活性が強くなるため、薬物ごとに体内の蓄積は異なる。
排泄 E 2歳くらいまでは腎機能が未熟なため、薬物排泄が遅延する場合がある。

服薬指導

服用方法
1歳未満
(素直に薬を飲む期)
授乳期。スポイトやお薬団子で服用。
【スポイト】散剤を小さじ2杯分の水に溶かし、赤ちゃんを横抱きにし、授乳する様にスポイドを用いて少しずつ飲ませる。
【お薬団子】散剤に1滴ずつ水を加えて混ぜながら泥団子状にする。お薬団子は頬の内側や上顎に塗り付け、口の中に薬が残らないよう最後に水を飲ませる。
1〜3歳
(超イヤイヤ期)
離乳食スタート。味覚の発達や自我が芽生え薬を嫌がる傾向がある。
本来は水で服用すべきだが、服用しない場合はバニラアイス・チョコアイス・お薬ゼリー・プリン・練乳などと一緒に飲ませると苦味が軽減できる。(酸味のあるジュースと一緒に飲むのはコーティングが溶けるのでNG)服用できたらしっかりと褒めてあげること!
4歳以上
(理解すれば我慢して飲む期)
必要だと理解できれば、おやつと一緒でなくても水だけで薬を飲めるようになる。自ら飲もうと引き出すことが大事。
また、5歳くらいから錠剤やカプセルも飲めるようになる。

 

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