臨床上重要な真菌の分類

微生物学

真菌の概要

真菌は糸状菌 (いわゆるカビ )、酵母(単細胞)、 胞子(キノコ )の総称で、基本的には日和見感染を起こす。他の真核生物との違いは、細胞エルゴステロール、細胞βグルカンとキチン(orキトサン)を含有する。

真菌に感染すると初期は好中球によって、その後細胞性免疫で排除されるといわれている。

代表的真菌の概要

  アルペルギルス カンジダ クリプトコックス ニューモシスチス
形状 Y字型 ソーセージ型 円型 円型
存在 土壌 ヒト常在菌 鳩の糞中 ヒト常在菌
βDグルカン
特異的抗原 ガラクトマンナン マンナン グルクロノキシロマンナン

真菌の検出法

直接顕微鏡検査
(表在真菌症のとき)
①鱗屑や水疱などから擦り取りスライドガラスに載せる。
②苛性カリ(20%KOH:水酸化カリウム)で融解させてカバーガラスで覆い菌体を確認する。
③DMSOを滴下、または②を加熱した後、顕微鏡で観察する。
クリプトコッカスは莢膜を持つため墨汁法で確認する。
培養検査 サブロー培地で培養後、形態検査・生理学的検査・遺伝子同定が行われる。
病理診断法 Grocott染色:多糖類を染色し、真菌は黒色に染色される
PAS染色:グリコーゲンなどを染色し、赤~赤褐色に染色される

酵母

  主な真菌 疾患
クリプトコッカス クリプトコッカス(Cryptococcus neoformans)  
トリコスポロン トリコスポロン(Trichosporon asahii) 夏型過敏性肺炎
癜風 マラセチア属菌(Malassezia globosa) 脂漏性皮膚炎

糸状菌

  主な真菌 疾患
アスペルギルス アスペルギルス(Aspergillus fumigatus)  
ムコール ムコール  
皮膚糸状菌 白癬菌(Trichophyton rubrum) 足白癬、股部白癬、体部白癬、頭部白癬、Celsus禿瘡

その他

  主な真菌 疾患
カンジダ カンジダ(Candida albicans) 糸状菌+胞子
ニューモシスシス ニューモシスチス(Pheumocystis jirovecii) 肺炎
スポロトリコーシス スポロトリコーシス(Sporothrix schenckii 皮膚疾患

 

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