造影剤・核種

薬理学

MRI造影剤

ガドリニウム系MRI造影剤

特徴 MRIの造影剤は腎障害患者に対しても腎臓に負担をかけないため使用できる。
機序 ガドリニウムは弱い磁性をもち、プロトンの緩和を促進してT1で信号強度を↑させる
原則禁忌 気管支喘息
重篤な腎障害:GFR30以下はNSFを生じる可能性があるため要注意
副作用 腎性全身性線維症(NSF):重篤な腎障害患者に投与すると生じることがある。
NFSとは、造影剤投与数日〜数年後に全身性かつ左右対称性の皮膚の腫脹・硬化・疼痛などを発症し、進行に伴い、四肢関節が拘縮する疾患。治療法はなく予後不良。
※透析してもガドリニウム造影剤は除去できないためNSFのリスクは低下しない!
一般名 先発名 特徴
ガドジアミド オムニスキャン静注
ガドテリドール プロハンス静注
ガドブトロール ガドビスト静注
ガドテル酸メグルミン マグネスコープ静注
ガドキセト酸Na EOB・プリモビスト注 EOBは肝細胞に取り込まれる性質があるため、肝細胞癌ではWash outされた20分後も肝細胞は高信号、癌は低信号となる。
【ADME】肝+腎排泄

非ガドリニウム系MRI造影剤

一般名 先発名 特徴
フェルカルボトラン リゾビスト注 肝腫瘍の局在診断のための肝臓造影に使用
クエン酸鉄アンモニウム フェリセルツ散 消化管造影・胆道膵管造影に使用
塩化Mn四水和物 ボースデル内用液 胆道膵管造影に使用

単純X線・CT造影剤

【造影剤の種類】

投与法 主な検査法
水溶性ヨード製剤 血管内 血管撮影経静脈性尿路造影(IVU)など
脊髄くも膜下腔 ミエログラフィー、脳槽造影
管腔内(直接) 逆行性尿路造影、ERCPPTC
経口 上部消化管造影、経口胆嚢造影
硫酸バリウム 経口 上部消化管造影、経口小腸造影
経直腸 注腸造影(大腸造影)
ガス(空気) 経口 消化管造影(二重造影)

【ヨード製剤の注意点】

使用時の注意点 脱水があると造影剤の副作用がでやすいため飲水や点滴で予防する。
大量投与するため腎臓に負担がかかる。48時間以内の反復投与は避ける。
禁忌 重篤な甲状腺疾患
多発性骨髄腫?褐色細胞腫?テタニー?マクログロブリン血症?
原則禁忌 気管支喘息(6~10倍副作用でやすい)
重篤な腎障害:GFR45以上は使用可、GFR30以下は投与禁忌
※ヨード造影剤は透析で除去できるため透析患者には使用可能
重篤な心疾患など
即時型の副作用 咳・くしゃみ(軽症)⇨花粉症などアレルギー疾患を有する患者は注意(3倍副作用でやすい)
アナフィラキシー(重症)
遅発型の副作用
(数時間~数日後)
皮疹悪心・嘔吐、頭痛(軽症)
腎機能低下

尿路・血管系造影剤

【非イオン性モノマー】

一般名 先発名 特徴
イオプロミド プロスコープ注
イオメプロール イオメロン注
イオパミドール イオパミロン注
イオベルソース オプチレイ注
イオヘキソール オムニパーク注

【非イオン性ダイマー】

一般名 先発名 特徴
イオジキサノール ビジパーク注

消化器系造影剤

一般名 先発名 特徴
アミドトリゾ酸Na ガストログラフィン経口・注腸
硫酸バリウム バリトゲン散
バリトップ散
コロンフォート内用懸濁
バムスターS液
バリブライト液
【利点】コントラストに優れる
【欠点】消化管穿孔、イレウスには禁忌、使用後はCT撮影してもアーチファクトで評価不能になる

脳脊髄液造影剤

一般名 先発名 特徴
イオヘキソール オムニパーク注

膵胆・尿路・関節・唾液腺系造影剤

一般名 先発名 特徴
アミドトリゾ酸Na ウログラフィン注

胆道系造影剤

一般名 先発名 特徴
イオトロクス酸 ビリスコピン点滴静注

脳・脊髄・関節・子宮卵管系造影剤

一般名 先発名 特徴
イオトロラン イソビスト注

リンパ・子宮卵管系調整用剤

一般名 先発名 特徴
ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル リピオドール注 油性ヨード製剤

X線診断二重造影用発泡剤

一般名 先発名 特徴
炭酸水素Na+酒石酸 バロス発泡顆粒

エコー用造影剤

一般名 先発名 特徴
ペルフルブタン ソナゾイド注
ガラクトース・パルミチン酸配合 レボビスト注

放射性医薬品(核種)

PET検査用核種

一般名 先発名 特徴
フルデオキシGlu(18F) FDGスキャン注
フロルベタピル(18F) アミヴィッド静注
フルテメタモル(18F) ビザミル静注
インジウムペンテトレオチド(111In) オクトレオスキャン静注

脳疾患診断用

一般名 先発名 特徴
イオマゼニル(123I) ベンゾダイン注

ドパミントランスポーター用

一般名 先発名 特徴
イオフルパン(123I) ダットスキャン静注

肝・循環機能検査用薬

一般名 先発名 特徴
インドシアニングリーン
(ICG)
ジアグノグリーン注射用 肝臓の解毒能力を調べる検査に使用。
緑色の色素であるICGを静脈注射し、15分後に採血し、血液中のICGがどれくらい肝臓で解毒排出されたかを調べる。ICGは血液中から肝臓に取りこまれ、胆汁中へ排出される。15分後にICGの血液中の残存率が高いほど肝臓の解毒能力悪化と判定する。15分後の血液中残存率が10%以下を正常値としている。

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