白癬菌(Trichophyton rubrum)

微生物学

白癬菌

病態 ケラチンを栄養源とする皮膚糸状菌による感染症。ケラチンの多い表皮角層・爪・毛包に感染する。犬や猫などペットから伝染することもある。
足白癬(水虫)、股部白癬(いんきんたむし)、体部白癬(ぜにたむし)、頭部白癬(しらくも→悪化するとCelsusu禿瘡)などに分類できる。
症状 共通:掻痒
足白癬:趾間部の紅斑・びらん・鱗屑(第4趾間に好発)、足底の小水疱・鱗屑・踵の角質増殖
股部白癬:中心部が治癒傾向、辺縁に鱗屑・小膿疱を伴う紅斑(陰嚢は侵されにくい)
体部白癬:中心部が治癒傾向、辺縁に鱗屑・小膿疱を伴う紅斑
頭部白癬:境界明瞭な脱毛、脱毛巣中の白い鱗屑。進行性で境界明瞭な脱毛斑(破壊性毛包炎)+毛包に一致した紅斑・膿疱・痂皮をきたす場合をケルズス禿瘡といい(圧迫で毛孔から排膿)、ステロイド外用の誤用などで生じる。
※股部白癬、体部白癬は湿疹と間違えやすいため注意!また、背後に免疫低下になる疾患がないかも確認すること!
検査 KOH直接鏡検によって白癬菌を確認(確定診断)
中心部の治癒傾向部分には菌がいないため、周囲の鱗屑を採取するのがポイント!
治療 確定診断した場合は抗真菌薬の外用、爪白癬や頭部白癬は内服
尿素外用は保湿してしまうため不向き、亜鉛華軟膏で乾燥させるのはOK
湿疹か白癬か不明な場合はステロイド外用を選択(抗真菌薬は接触性皮膚炎のリスク↑)

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