肺炎球菌の特徴
カタラーゼ陰性
血液寒天培地ではα溶血を示す(不完全溶血)。 鼻咽腔粘膜に常在。双球+莢膜を有する。
市中肺炎・急性中耳炎・副鼻腔炎、細菌性髄膜炎
疫学 | 急性中耳炎・市中肺炎の原因菌第1位 新生児以外の髄膜炎の原因菌第1位 |
病態 | インフルエンザといったウイルス感染などで上気道粘膜の防衛機構が破綻すると肺炎球菌が増殖し、粘液とともに肺胞に侵入すると肺炎、耳に侵入すると中耳炎、副鼻腔に侵入すると副鼻腔炎を起こす。また、髄液に侵入すると髄膜炎を起こす。 |
症状 | ①鉄さび色の喀痰 ②肺炎共通症状:発熱、咳嗽、膿性痰 |
検査 | 【身体検査】 聴診:coarse cracklesを聴取 【尿検査】尿中肺炎球菌迅速抗原(+) 【咽頭検査】咽頭拭い液中の抗原(+) 【画像検査】 胸部X線:大葉性肺炎(現在は抗菌薬治療でほとんど気管支肺炎である) |
治療 | ペニシリン系、第3世代セフェム系(セフトリアキソン)。 ペニシリン耐性肺炎球菌PRSPにはカルバペネム系やニューキノロン系を投与。 膿胸などの合併症がなければ解熱後3〜5日で治療終了。 |
予防 | ・0歳と高齢者(65歳、70歳、75歳)の場合 23価肺炎球菌ワクチン(T細胞非依存性に抗体産生)を定期接種 ・その他 13価肺炎球菌結合ワクチン (T細胞依存性に抗体産生し、免疫記憶を確立させる)は任意接種 |
市中肺炎
呼吸器内科を参照。
急性中耳炎・副鼻腔炎
耳鼻咽喉科を参照。
細菌性髄膜炎
脳神経外科を参照。
匐行性角膜潰瘍・細菌性結膜炎
眼科を参照。
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