クロストリジウム・テタニの特徴
土壌中に存在。
破傷風
疫学 | 日本では年間数十例とまれ(予防接種の普及と受傷後の処置のため) |
病態 | 破傷風菌は深い創傷や壊死組織に侵入し嫌気状態となったとき芽胞が発芽して感染する。その後、外毒素である神経毒素を産生し、血流にのって運動神経終末から軸索に取り込まれ、上行性に脊髄前角細胞に達する。さらに、細胞外に出て抑制性ニューロンに取り込まれ、そのニューロンの開口分泌を阻害して運動神経亢進を引き起こす。その結果、運動神経のわずかな刺激でも容易に興奮するようになり、感染から約2週間で発症に至る。 |
症状 | 緊張性痙攣(AChの過剰分泌による骨格筋の持続収縮)+痙攣時の痛み 初期:首の周囲のつっぱり、舌がもつれる 中期:開口障害、嚥下障害、痙笑、発話障害 後期:全身骨格筋の強直性けいれん、後弓反張 ※開口障害〜痙攣が起こるまでの時間が短いほど予後不良 |
検査 | 筋トーヌス亢進 |
治療 | ①ケガした部位を洗浄+創部開放+感染・壊死組織を除去(デブリドマン) ②感染リスクが高くない場合:抗破傷風人免疫グロブリン(TIG)筋注(能動免疫)+ペニシリンG投与(生存する菌の増殖阻止) 感染リスクが高い場合:トキソイド+抗毒素抗体(受動免疫)+ペニシリンG投与 ③発症した場合:抗毒素抗体+光や音で痙攣発作を誘発するため暗所入院 |
予防 | DPT3種混合ワクチン接種(最終接種から約10年程度は抗毒素抗体を保持) |
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