眼の異常(視野障害、充血)

症候学

眼球の異常

眼球突出

何らかの原因で眼窩内圧が上昇すると眼球が突出する。

片側性 眼窩内の炎症・出血・腫瘍、副鼻腔疾患、海綿静脈洞疾患が原因
両側性 甲状腺中毒性、向甲状腺性、緑色腫などの血液疾患

視野の異常

視力低下

急性 慢性
・網膜中心動脈閉塞症
・網膜中心静脈閉塞症
・網膜剝離
・硝子体出血
・中心性漿液性脈絡網膜症
・ぶどう膜炎(原田病、ベーチェット病、サルコイドーシス、強直性脊椎炎など)
・急性視神経炎(MSなど)
・虚血性視神経症(糖尿病、急性急性緑内障発作など)
・ヒステリーなど
・糖尿病網膜症
・加齢黄斑変性
・網膜色素変性
・緑内障

※ちなみに、中途失明の原因疾患は2019年現在、

緑内障(29%)>網膜色素変性(14%)>糖尿病網膜症(13%)>黄斑変性(8%)

視野狭窄・視野欠損

特徴 疾患
らせん状視野 心因性 ・転換性障害
求心性視野狭窄 視野の周辺からほぼ均等に視野が欠けていく ・網膜色素変性症←輪状暗転から
・緑内障の末期
・脊髄癆性視神経萎縮
・転換性障害
・メチル水銀
輪状暗点 中心視野と周辺視野は保たれているが、中間部分が障害されている。 ・網膜色素変性症の初期
・開放隅角緑内障
中心暗点 視野の中心部の暗点。
黄斑部の障害でみられる。
・球視神経炎
・網膜中心脈閉塞症→虚血
・加齢斑変性→出血
・中心性漿液性脈絡網膜症→出血なし
暗転すると後ろに動く王将
傍中心暗点 注視点付近に認められる暗点。黄斑部の周辺部に病変が生じれば、全て傍中心暗点を示す。 ・開放隅角緑内障
ラケット状暗点 Mariotte盲点と中心暗点が連続したもの ・球後視神経炎
Mariotte盲点の拡大 視神経乳頭の浮腫によって盲点が拡大。 ・うっ血乳頭&乳頭浮腫
・緑内障(初期)
Seidel•Bjerrum暗点 Seidel暗点はMariotte盲点が上下に拡大し、鎌状になったもの。さらに鼻側に弓状に拡大したものBjerrum暗点という。 ・緑内障
閃輝暗点 突然、キラキラと歯車状に輝く閃光が現れ、次いで限局性視野欠損が生じる。 ・片頭痛の前兆
(脳血管の一過性攣縮?)

半盲

詳細 原因疾患
両耳側半盲 視交叉が内側から障害される 下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫
同名半盲 視索より後方の中枢の視覚伝導路障害で生じる
①視野1/2半盲:視索の障害
<1/4半盲>
外側膝状体以降の中枢の部分的障害で生じる
②視野部1/4半盲:頭頂葉の障害
③視野部1/4半盲:側頭葉の障害
脳梗塞、脳腫瘍
脳動脈瘤
黄斑回避 外側膝状体以降の中枢の障害で生じる 脳出血、脳梗塞

充血

結膜充血 毛様充血(危険なred eyeサイン)
充血所見 結膜全体の充血
(表在性、鮮紅色)
角膜輪部から放射状の充血
(深在性、紫色)
血管部位 後結膜血管 毛様体血管
炎症部位 角膜の表層、結膜 角膜の中〜深層、虹彩、毛様体、脈絡膜
原因 結膜炎、表層角膜炎 角膜実質炎、虹彩毛様体炎、閉塞隅角緑内障、強膜炎、眼精疲労
検査 血管収縮薬で直ちに消退 血管収縮薬でほとんど消退しない

前房蓄膿

①細菌性(匐行性)角膜潰瘍 外傷(眼を木の枝で突く)、コンタクトレンズ装用、兎眼、涙液分泌障害が原因
②角膜真菌症
③麻痺性角膜炎
④結核性および化膿性虹彩炎
⑤ベーチェット病
(唯一、無菌性前房蓄膿)
有痛性の口腔粘膜の再発性アフタ、有痛性外陰部潰瘍、結節性紅斑・DVTなどの血栓性静脈炎

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