色素異常の概要
【色素脱失症の分類】
先天性・全身性 | 先天性・限局性 | 後天性・全身性 | 後天性・限局性 |
眼皮膚白皮症 | 脱色素性母斑 まだら症 低色素症(伊藤) Waardenburg症候群 結節性硬化症 | 尋常性白斑(汎発型) Vogt-小柳-原田病 老人性白斑 | 尋常性白斑(分節型) |
【色素増加症】 雀卵斑、肝斑、老人性色素斑、Addison病など
色素脱失症
先天性白皮症(アルビノ、眼皮膚白皮症)
病態 | メラニン生成に関与する遺伝子の変異により、メラニン産生が減少または消失する常染色体劣性遺伝の疾患。 |
症状 | ①出生時より皮膚白色、髪や眼の色素低下 ②眼振、羞明、視力障害 ③日光過敏 |
検査 | ? |
治療 | 紫外線による皮膚癌が生じやすいため、遮光・眼の保護を行う。 |
尋常性白斑(白なまず)
疫学 | 20歳前後の若年者に好発 |
病態 | 抗メラノサイト抗体による自己免疫疾患、あるいは局所自律神経障害と考えられており、後天性に生じる。甲状腺疾患、Addison病、悪性貧血、DMなどに合併することがある。 【分類】 ①汎発型:神経支配領域に関係なく全身に対称性に生じる(最多) ②分節型:神経支配領域に沿って片側性に生じ、顔面に好発する ③肢端顔面型:口周囲と指趾に限局して生じる |
症状 | 無症状 |
検査 | 【身体検査】 視診:後天性に生じる境界明瞭な完全色素脱失性白斑、有毛部は白髪となる 問診:美白剤を使用した確認 |
治療 | ①ステロイド外用、活性化VD3外用 ②PUVA療法、ナローバンドUVB療法などの光線療法 ③手術:分節型では植皮 |
生活 | ダドレス®、カバーマーク®、パーフェクトカバー®などのメーキャップで白斑を隠す |
まだら症
Sutton母斑
ホクロ周囲の白斑。血管腫、老人性疣贅、悪性黒色腫の周囲にできる場合もある。
Vogt・小柳・原田病:VKH病
特発性滴状色素減少症(老人性白斑)
30代より始まり、加齢によってメラノサイトの機能低下により散在性に白斑が生じる。
脱色素性母斑
出生時から先天性の不完全色素脱失斑。生涯大きさに変化ない。
偽梅毒性白斑
色素増加症
雀卵斑(そばかす)・肝斑(しみ)
雀卵斑(そばかす) | 肝斑(しみ) | |
疫学 | 白人に多く、家族内発生もある | 30歳以降の女性 |
病態 | メラニン産生能の亢進。日光照射が誘因となるため夏に増悪する。 | 女性ホルモンの影響も考えられる。日光照射が誘因となる。 |
症状 | 露光部に小色素性斑が多発。5、6歳より生じ思春期で明瞭になる。 | 顔面に左右対称性に生じる境界明瞭な淡褐色の色素斑(眼周囲にはない) |
治療 | 日焼け止め、トランサミン内服 |
Riehl黒皮症
摩擦黒皮症
遺伝性対側性色素異常症
老人性色素斑(シミ、日光黒子)
疫学 | ほとんどの中年以降の男女に生じる |
病態 | 長年の紫外線曝露が関与が考えられ、一部は脂漏性角化症に移行する |
症状 | 無症状 |
検査 | 【身体検査】 視診:顔面、手背などの露光部に類円形の褐色斑 |
治療 | アレキサンドライト、ルビーレーザー、凍結療法、ハイドロキノン含有化粧品塗布 |
生活 | 日焼け止め塗布 |
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