ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)

微生物学

クロストリジウム・ボツリヌスの特徴

土壌中に存在。穀物や野菜などに芽胞が付着。

毒素型食中毒

病態 真空パック、缶詰め、瓶詰めなどに混入したボツリヌス菌は嫌気状態で発芽し増殖する。ボツリヌス菌は易熱性の神経毒素を産生し、摂取後は小腸から吸収され、神経筋接合部の運動神経終末や副交感神経終末から放出されるアセチルコリン放出を阻害し、弛緩性麻痺や腺分泌障害を引き起こす。
症状 摂取後10〜20時間の潜伏後、
①初発症状:悪心嘔吐、頭痛、めまいなど
弛緩性麻痺:外眼筋麻痺(複視)、球麻痺(嚥下障害・構音障害)、重篤な場合は呼吸筋麻痺により死に至る。
副交感神経阻害動眼神経麻痺散瞳眼瞼下垂、対光反射↓、輻輳反射↓)、腺分泌不全により口渇、発汗停止など
検査  
治療 抗毒素血清を投与。毒素のため抗菌薬無効。
予防 毒素は熱に弱いため食品の加熱により失活する。

乳児ボツリヌス症

病態 乳児が離乳食に含まれるボツリヌス菌の芽胞を摂取し、嫌気状態の大腸で発芽して毒素を産生することで発症する(乳児は腸内細菌叢が未熟なため発芽する)。乳幼児突然死症候群の一因と考えられている。
症状 便秘:3日以上続く便秘が初発症状として多い
②全身の脱力症状:元気がない、無力様の顔貌、哺乳力低下、泣き声が弱い
検査  
治療  
予防 乳児にはちみつを与えない。

コメント

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