救急医学

救急医学

救急初期対応

追加検査

身体診察
エコー
胸部X線
心電図
CT 造影の場合は血液検査の結果が出て、同意書を書いた後に行う
MRI
培養検査 尿培養、痰培養、血液培養

ROS:頭〜足先まで系統的に診察(孔は全て観察すること)

全身状態 体重変化、発熱、悪寒、寝汗、倦怠感、食欲不振
皮膚 紅斑、掻痒、脱毛、乾燥、潰瘍性病変、頭髪の変化、爪の変化、チアノーゼ
HEENT 頭:頭痛、頭部外傷、頭部皮疹、めまい、立ちくらみ
目:対光反射、視野障害、複視、発赤、眼痛、眼瞼結膜蒼白、眼球結膜黄染
耳:耳鳴、聴力変化、耳痛、排泄物
鼻:鼻汁、鼻閉、鼻血、副鼻腔圧痛
喉頭:痛み、嗄声、歯肉炎、歯肉出血、味覚変化
頸部 リンパ節腫脹、腫瘤
乳部 しこり、痛み、排出物、乳汁流出
呼吸器 咳、痰、血痰、呼吸困難、喘鳴
循環器 胸痛、動悸、夜間発作性呼吸困難、起坐呼吸
消化器 悪心嘔吐、食欲低下、腹満感、吐血、下血、水様便、便秘、腹痛
泌尿器 頻尿、多尿、夜間尿、排尿時痛、排尿困難、尿閉、失禁、血尿、膿尿、残尿感
生殖器 外尿道口からの排出物、精巣痛、精巣腫瘤
末梢循環 間欠性はこう、足のけいれん痛、下肢静脈瘤、浮腫
骨格筋 関節痛、こわばり、可動域障害、関節腫脹、腰痛
神経 失神、けいれん、麻痺、痺れ、感覚変化、振戦、歩行変化
精神 記憶変化、不安感、うつ、不眠、幻覚、妄想

気管挿管

①気管挿管の適応

まず、気道、換気、酸素化のどれに問題があるのか把握する。

次に、挿管のリスク、本人の意向、家族の意向、予想される予後など総合的に考慮して挿管するか判断する。

気管挿管の適応
M mental status 意識障害(GCS8未満)
maintain airway 気道閉塞があり、気道確保が必要
O oxygenation 高濃度酸素投与下でSpO2 90%未満
V ventilation 呼吸性acidosis(pH7.3未満)、COPD急性増悪(PaCO2 60以上)
E expectoration 大量の喀痰・喀血があり排泄困難
expected course 今後挿管が予想される経過
S shock ショック

②気管挿管前の評価

【まず、換気困難かどうかMOANSで確認】 ※MOAN:うめき声

M mask seal マスク装着困難:ひげ、下顎骨折などの顔面外傷
O obesity/obstruction 肥満・妊娠、気道狭窄(BVMの抵抗強い→頸部聴診)
A age 55歳以上
N no teeth 歯がないと頬がこけてマクスフィットしにくい
S stiffness 換気抵抗:喘息、COPD、肥満、間質性肺炎

【次に、挿管困難をLEMONで予測】

L look externally 外観:小顎(3-3-2確認)、巨舌、口蓋裂、下顎骨骨折、口腔内出血
E evaluate 3-3-2 開口時の門歯間距離が3横指以下、オトガイ舌骨間距離が3横指以下、舌骨喉頭隆起間距離が2横指以下
M Mallampati分類 クラスⅢ/Ⅳ:口蓋垂の基部だけ見える/口蓋垂が見えない
O obesity/obstruction 肥満、血管浮腫や喉頭蓋炎での気道閉塞
N neck mobility 関節リウマチ、強直性脊椎炎、外傷での頸部固定

【最後に、HOPで鎮静して問題ないか確認】

H hypotension 低血圧(フェニレフリン準備)
O oxygenation 低酸素(酸素投与)
P pH低下 代謝性アシドーシスでは代償性過換気であるが、鎮静により換気↓(メイロン®投与)

③挿管準備(周辺環境チェック)

挿管すると決めたらSOAPMDを確認し、挿管イメージをする。

DAMカート中にある
S suction 吸引チューブ(ヤンカーサンクション推奨)
O oxygenation マスク換気、バックバルブマスクの準備
A airway equipment ・McGRATH(ブレードサイズ男4、女3)
・ゼリー付着済みの挿管チューブ(男7.5mm、女7.0mm)
・スタイレット、カフ用10mLシリンジ
・聴診器
・バイトブロック、固定テープ、ジャバラ立て
P posture/pharmacy ・枕を入れ、外耳道口と胸骨切痕を同じ高さにする
・患者の頭と術者の臍の位置が同じ高さにする
・使用予定の薬剤の準備
M monitor device モニター装着確認、点滴確認、カプノメーター
D denture 入れ歯、動揺歯を触って確認(入れ歯は外す)

【気管挿管時の薬剤】

薬剤名 挿管時使用量 作用発現時間 作用持続時間
鎮痛薬 フェンタニル 1〜2μg/kg 1〜2分 30〜60分
ペンタゾシン 5〜15mg 3〜10分 30〜90分
鎮静薬 ミダゾラム 0.15〜0.3mg/kg 1〜3分 15〜100分
プロポフォール 1〜2mg/kg 1分以内 5〜15分
筋弛緩薬 ロクロニウム 0.6〜0.9mg/kg 1〜2分 30〜40分

④挿管(RSI:Rapid Sequence Intubation)

10分前
(準備)
患者の頭側に立ち、SOAPMDを確認後、挿管介助者、薬剤投与者、記録者などの役割を当事者で確認
5分前
(前酸素化)
BVMを揉まずに当てて100%酸素を3分間投与(or 8回の深呼吸)
※救急ではフルストマック対応として挿管するまで揉まない
マスクフィット問題なければ鼻カヌラもつけておく
3分前
(前処置)
●フェンタニル1A:0.1mg/2mLの場合(0.05mg/mL=50μg/mL)
0.02〜0.04mL/kgを投与後、生食をフラッシュ
※呼吸抑制、血圧低下、徐脈に注意
0分
(前処置2)
●ミダゾラム1A:10mg/2mLの場合(5mg/mL)
0.03〜0.06mL/kgを投与(効果発現まで約3分)
※血圧低下に注意、急性狭隅角緑内障には禁忌
●プロポフォール
●ケタミン
●ロクロニウム1A:50mg/5mL(10mg/mL)
0.06〜0.09mL/kgを投与してフラッシュ
30秒後
(体位挿管)
sniffingポジションにして挿管(男23cm、女21cm)する
45秒後
(挿管直後)
挿管後、BVMで補助換気し、胸郭挙上→左右前胸部・左右側胸部・心窩部の聴診→挿管チューブの曇り→EtCO2波形の順に確認
2分後
(挿管後)
胸部X線にてチューブ先端が気管分岐部の2〜3cmの上まで入っているか確認し、チューブ固定する。人工呼吸器につなぎ、挿管後の薬剤を投与する。

【挿管後の薬剤】

薬剤名 組成 投与速度
鎮痛薬 フェンタニル 5A(500μg/10mL)+生食40mL(10μg/mL) 2-3mL/hr
鎮静薬 ミダゾラム 5A(50mg/10mL)+生食40mL(1mg/mL) 2-10mL/hr

⑤挿管困難な場合(バックアッププラン)

まずはバックバルブマスク
外科的気管挿管 上気道の狭窄や閉塞、気管挿管が困難、咽頭異物が除去できない場合、輪状甲状靱帯切開(緊急気管切開)
※長期気管挿管な時切開するのは第2−3気管軟骨間切開

トリアージ(START法)

歩行可能か? 可能の場合、外傷はあるか? 外傷なし⇨白(タッグなし)
外傷あり⇨
歩行不能の場合 【A】気道確保で呼吸あるか? 呼吸なし⇨黒(死)
呼吸あり⇨
【B】呼吸数は30回/分以上か? または呼吸数は9回/分以下か? 30以上、9以下⇨
【C】橈骨動脈は触知可能か? またはCRTは2秒以上か? 触知不能、2秒以上(循環不全あり)⇨ (CRT:毛細血管再充血時間)
【D】意識障害はあるか? =簡単な指示に応じるか? あり=指示に応じない(離握手不能)⇨
ABCDに問題がない

【トリアージまとめ】 トリアージ中は気道確保、活動性出血以外の治療は原則行わない

トリアージタッグ右手首につけ、区分の理由を明記する
死亡群、自発呼吸なし
最優先治療群、歩行不可、自発呼吸あり、バイタルに問題あり
待機的治療群、歩行不可、簡単な指示に応じる、バイタルに問題なし
保留群、歩行可能

低体温

病態 34〜33℃で意識消失、33℃程度で不整脈出現、体温低下に伴い不整脈重症化、26℃で心室細動
症状 省エネモード(意識低下、血圧↓、心拍数↓、呼吸数↓、腸運動↓、脱水) 徐脈によりPR/QRS/QT延長となり、VTやVFなどの致死的不整脈を起こすこともある。
検査
治療 ①温浴加温、温風ブランケット、温生食点滴
②それでも低体温の場合は胃管から温水注入、腹膜灌流による復温。
③致死的不整脈の可能性のためAED・気管挿管準備

クラッシュ症候群(挫滅症候群)

病態 長時間(2時間以上)の圧迫で筋肉が壊死。圧迫を解除すると壊死細胞からKが大量に流出し心停止を起こす。また、ミオグロビンが大量に流出し急性腎不全となり、さらに高K血症が悪化する。
挟圧以外にも,意識障害などにより長時間にわたって同一姿勢をとっていた患者にもクラッシュ症候群は発生するため注意が必要である。
症状 バイタルサインは安定、意識清明、軽い興奮症状、圧挫肢の知覚運動麻痺、 ショック症状(循環血漿量減少性ショック)通常神経障害をきたしているため、疼痛を訴えないことが多い
検査 【尿検査】ミオグロビン尿
【血液検査】高K血症、CK↑、低Ca血症(融解した横紋筋にCaが沈着)
治療 ①安易に解除せず、カリウムを含まない細胞外液を大量輸液。その場で切断の場合も。
②高K血症:除細動器の準備

誤飲と誤嚥

誤飲 誤嚥
病態 異物が消化器系に入ること タバコ2cm以上で急性ニコチン中毒を起こしやすくなる。 異物が気道に入ること 小児はピーナッツの誤嚥が最多
摘出 食道停留物、電池、鋭利なもの (その他の物は胃まで入ったら排泄されるまで経過観察) 全て (窒息の原因となるため)
治療 活性炭、下剤 (指を入れて催吐させるのは誤嚥の可能性があるため禁忌)

【胃洗浄】

概要 誤飲後1時間以内で胃内に異物がある場合に行う。
胃内容物の誤嚥予防のため気管挿管し、十二指腸への流入を防ぐため、患者の頭部を下げ、左側臥位で行う。
適応 パラコート中毒など
禁忌 食道穿孔、強酸・強アルカリ摂取、ガソリンなどの揮発性物質摂取

外傷

腎臓の外傷

腎損傷

病態 Ⅰ群(腎挫傷):腎実質の軽度損傷
Ⅱ群(腎裂傷):腎被膜の断裂
Ⅲ群(腎断裂):腎実質の高度の断裂、腎破裂
Ⅳ群(腎茎部、腎血管損傷)→観血的治療
治療 ①輸液・安静
②止血できない場合は輸血
③放射線科による腎動脈閉塞術
④外科医による開腹止血
腎臓摘出の順にエスカレーション

眼の外傷

アルカリ火傷

アルカリ外傷によって角膜輪部に存在する幹細胞が障害されると結膜側から角膜上皮に向かって血管が高度に侵入する(結膜充血)。直ちに大量の生理食塩水(なければ水道水)で15分以上洗い流し眼科に行く。

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